甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

高輪築堤と紀元節

2022年03月15日 21時13分51秒 | 鉄道のこと

 この借りてきた画像は、1881・M14の高輪築堤を走る鉄道の風景のようです。もっと前にもいろいろ画像はありますが、乾いた感じの鉄道風景がよかったから、これを借りてきました。

 有名なのは、三代目の歌川広重さんの錦絵なんだそうです。大きい絵なのかどうなのか、写真でしか見たことがないので大きさは分かりません。でも、当時の雰囲気を伝えるために、三代目は頑張って描いたと思われます。

 そして、「汽笛一斉新橋を……」という鉄道唱歌だって生まれていったんでしょうね。あのメロディはめったに聞けないから、あれを聞かせてもらってた時って、旅してる気分の序曲みたいなものでしたね。今からは想像もできないくらいに……。


 日本最初の鉄道は、新橋・横浜間を結ぶ線でした。その車両を走らせるため、沿岸部はレールを敷けなかったそうです。防衛上の観点からだそうで、今の東京駅から南に向かう鉄道のあたりは首都東京にとって大事な海岸線だったようです。

 もし、外国船が攻めてきた時の防衛ラインを守るためには、鉄道は海の上を走ってもらった方がよくて、そのためにいくつかあったお台場などの石垣から石を運んで海の上を走る堤防の上にレールを敷いたのだとか。

 その堤防は機関車が走る一年前にできていたそうです。それで、景気づけのために三代目に絵を描いてもらって、こんな夢の鉄道が走るよ、なんて宣伝したんでしょうか。


 鉄道は、1872・M5年の9月12日に走ったそうです。夏までしっかり準備して、試運転とかもしたんでしょうか。そして、やっと旅客営業を始めたのかもしれません。

 当時の日本は必死になってあれこれしていたようです。その年の11月に太政官布告か何かを出して、太陽太陰暦をグレゴリオ暦に変更すると宣言して、それから1か月後の12月3日からを翌年の元日にすると決めてしまいます。

 みんなビックリしなかったかなあ。月給の人なら1ヶ月分給料がなくなりそうだし、ボーナスはどうなったんだろう。そんなにサラリーマンはいなかったのかどうか。

 いろんな記念日をチェックして、9月12日に本格営業が始まった鉄道だけれども、新暦に改めてみると、あれは10月14日だから、この日を鉄道記念日にしようというふうに決めたそうで、鉄道開設50周年を記念して、1922年から正式に決まったということでした。

 50年の歳月が過ぎれば、それはもうお祝いしてあげようという気持ちになったでしょうか。


 それからもう一つ! 現在の社会体制はどうなっているかということで、下々の者たちに「天皇様」というのを意識させねばならず、そのためには、今の天皇家はどんなふうにして国家の中心にいるのか、その起源をはっきりさせねばならず、それは今を遡ること二千数百年前、神武天皇が大和の国で国家を築いてからずっと代々続いているものだという神話を宣伝することになりました。

 その布告も、1872・M5年に出ています。そして、翌年の1873・1/29に国家が生まれた日の記念の式典を行ったそうです。

 さらに微に入り細に入りで、計算した人がいたらしく、1874・M7からは2/11が国家の起源の日であると決定し、以後74年間も「建国記念日」の「紀元節」として国を挙げて祝っていたそうです。

 けれども、1948年占領軍に支配されている国ではあるので、しばらくなしになりました。けれども、少しずつ昔を取り戻すために、1966年に国民の祝日として復活し、今に至っています。

 私たちは、21世紀に生きていますが、いまだに19世紀の(負の?)遺産を守り続けています。

 そりゃ、21世紀なのに、戦争を仕掛ける前時代の国があるわけですから、いつまで経っても私たちは進歩しないし、いつまでたっても同じことを繰り返しているのでしょう。

 みんな、手元に最新機器さえあれば、どんな古式ゆかしき戦争も、古式ゆかしき意味不明の伝統もずっと続いていくのでしょう。

 そんなことよりも、今回発掘された高輪築堤、ほんの一部だけを保存するということですけど、日本最初の鉄道が海の上を走っていた証拠の堤防、その風景を想像させてくれるためにも、残してくれた方がどれだけ私たちは幸せなんだろう。

 百何年ぶりによみがえってきた海の上の鉄道です。絵でもCGでも見られるだろうけど、本物の堤防で私たちのイメージをリアルにさせて欲しいのになあ。

 不動産価値の高いところだし、すぐに取り壊されるでしょうか。海から今は遠いだろうし、とても海どころではないかもしれない。これが進化していく東京というものなんでしょうか……。 

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