私は、江戸や明治のころの、この国の原風景を探しているところがあります。
それは、昭和三十年代までそこにあったものもあるし、昭和の頃には失われていたものもあるでしょう。1923年にはものすごい地震もあっただろうし、1877年、ある精神の死もあったことでしょう。
いくつかの消長があって、何が原風景なのか、それさえあやふやです。
でも、明治の頃、西洋並みになろうとしていて、あれこれと無理に無理を重ねてた頃、それはコテコテの張りぼてだったのかもしれないけど、一生懸命さは感じられるし、江戸時代の浮世絵と同じで、明治の錦絵も、私の頭の片隅に刷り込まれていると思われます。
私は、音感系ではなくて、ヴィジュアル系の子どもだったんでしょう。そっちの刺激に振り回されることが多かったし、今もきっとそうなんです。
音楽は好きなんだけど、楽器は今も全く話になりません。イメージの中ではスローなワルツを鳴らせたとしても、現実の指は鍵盤を前にしてポンコツロボットのように、延々と同じところしかたたけないでしょう。
年末に描いた「国立銀行」色づかいが変です。
でも、心の中の錦絵みたいに描きたかったのだと思われます。
お手本はモノクロ写真で、色づけは私の勝手な感覚です。
さて、ネットから探して来た私のモトネタは?
こんな感じでした。第一国立銀行というそうです。今の日銀なんですね。絵そのものも、朝焼けになっていて、近代日本の黎明という感じだったんですね。私の色付けもかなりモトネタに寄り添おうとしていたようです。