4ヶ月に前に予約しておいた歯の定期検診に、今朝は行きました。起きたら、ハチミツトースト1枚とのり餅をいくつか食べて、すぐに歯医者さんへ行ったのでした。
定期検診なので、とにかく歯石を取るらしく、すぐに呼ばれて個室に入り、診察台に寝かせられます。
歯科衛生士さんはいつものように、「タオルをのせますねー」と呼びかけます。
私は「はいー」とくぐもった返事をします。
「押さえますねー」
私は「はいー」……あれっ、今日の担当の人はあっさり指圧で、なんだか物足りない。もっとぐーっと押さえてくれなきゃ!
と思ったのでした。いつも、よくはわからないけれど、タオルを顔に載せて、ハナだけ出して、ほっぺたからおでこあたりを押してくれたら、何かいい気分がしたんです。うちの奥さんにしてもらえばいいのですが、改まってリクエストするのも変だし、歯医者さんの女の人(今日はオネーサンじゃなかったですもんね)がしてくれるから、いいのかもしれません。
「もっとちゃんと押してくれ」などと、口に出して言えるわけはなく、モンモンとしながら、歯石取りの時間を過ごしました。
痛みはなく、昔みたいにゴーモンのような時間からは考えられないような、快適な時間を過ごしました。20年くらい前は、血だらけになりながら、全く新しいしたざわりの、血の臭いのする歯茎にしてもらってましたっけ。あれは驚きではあったけれど、あまりに苦痛で、ゴーモンでした。
今日の人は、イマイチうっとりさせてくれませんでした。でも、それなりに満足して歯医者さんを出て、午後からは講演会のために津市に出向くことになりました。
津の総合文化センター中ホールは、もう満杯で、サイン会も開始の何分か前から始まっていました。もう熱気むんむんで、いよいよ安藤忠雄さんの講演会は始まります。
冒頭から、大変なことをサラリとお話しされていたのですが、膵臓・胆嚢・十二指腸など、すべて取り除いて、それでも元気にやっている例として、私はあるのだということでした。
病気の苦労はそれでおしまいで、そんなことよりも、好奇心とやりたいことと、信念と、言いたいことをはっきり言いながら、お金に執着せず、ボランティアと公共心とで建築をやっているのだと話しておられました。
いくつかポイントとして挙げておられたこと、すべて私はあてはまらず、安藤さんとは正反対の、ダメダメ人生を生きているのだとつくづく思った次第です。
1.ダメなものはダメとはっきり言う。はっきり言わないから、他人がつけいってくる。
2.意志を強く持ち、公共のために尽くす。
3.お金に執着せず、どうせ金はあの世に持っていけないものだ。けれども、建築はお金のかかることではあるし、使うときにはポーンと使わなくてはいけない。そして、その建築がどのように変化していくかを、しっかりとした展望を持って、変化・進化させて行かなくてはならない。
具体的には、建築のまわりに木を植えるというのであれば、ボランティアや関連する組織、地域の力などを総動員して、次から次と植樹し、その木々を管理する仕組みを作り、お客を呼び、環境を変えてしまうくらいの全体の構想力が必要だ。
4.今の日本人はノホホーンとしていて、世界と戦う力を持てていない。世界はどんどん動いているのに、日本だけが取り残されている。若者はたくましさを失っている。
5.若さというのは年齢だけをいうのではない。百歳であろうとも、若さ・青春を失わないということがある。若さというのは力だ。私も若いときはいろんなことにチャレンジした。
6.建築はお客の注文に応えなくてはならない。そのためには、お客の注文に応えられるアイデアが必要で、それを生むためには日頃の興味・好奇心がものをいう。
などなど、いろんなメッセージがありました。いいお話でした。
でも、私はすべてに逆方向に行っていて、言いたいことを言わず、意志というものはなく、何となくボンヤリと日々を過ごしていて、公のことよりも自分の小さい世界に埋没していて、ビジョンを持たずその日暮らしで、ひ弱なオッサンでよしとしている。若さもアイデアも特になく、何かをしようという気持ちもなくて、とりあえずどこかへ行きたいと漠然と思っていて、特に何かに努力するわけでもない。
ああ、見事に正反対でした。だから、安藤さんの話を聞いて、発憤するのかというと、たぶんしないでしょうから、あまり意味がなかったのかもしれません。
ものすごい人気で、即日予約でいっぱいになった講演にたまたま参加できたというのに、安藤さんとの違いを確認しただけじゃないですか。はーあですね。
★ そうです。たまにはいいけど、たぶん、安藤さんから見たら、私なんかムダそのもので、全く話にならない存在だと思います。それに、私はコンクリート打ちっ放しの家はいいと思うのだけれど、うちの奥さんは大反対で、安藤さんに依頼することもできません。
ああ、客にもなれないのだから、全く相手にされない存在なのです。だから、安藤さんの話も、1年経っても、全く身についていないし、すべて忘れてしまっています。講演会に行かなくても良かったのに、誘われて行ったんだったかな。……何をやってんだかですね。
定期検診なので、とにかく歯石を取るらしく、すぐに呼ばれて個室に入り、診察台に寝かせられます。
歯科衛生士さんはいつものように、「タオルをのせますねー」と呼びかけます。
私は「はいー」とくぐもった返事をします。
「押さえますねー」
私は「はいー」……あれっ、今日の担当の人はあっさり指圧で、なんだか物足りない。もっとぐーっと押さえてくれなきゃ!
と思ったのでした。いつも、よくはわからないけれど、タオルを顔に載せて、ハナだけ出して、ほっぺたからおでこあたりを押してくれたら、何かいい気分がしたんです。うちの奥さんにしてもらえばいいのですが、改まってリクエストするのも変だし、歯医者さんの女の人(今日はオネーサンじゃなかったですもんね)がしてくれるから、いいのかもしれません。
「もっとちゃんと押してくれ」などと、口に出して言えるわけはなく、モンモンとしながら、歯石取りの時間を過ごしました。
痛みはなく、昔みたいにゴーモンのような時間からは考えられないような、快適な時間を過ごしました。20年くらい前は、血だらけになりながら、全く新しいしたざわりの、血の臭いのする歯茎にしてもらってましたっけ。あれは驚きではあったけれど、あまりに苦痛で、ゴーモンでした。
今日の人は、イマイチうっとりさせてくれませんでした。でも、それなりに満足して歯医者さんを出て、午後からは講演会のために津市に出向くことになりました。
津の総合文化センター中ホールは、もう満杯で、サイン会も開始の何分か前から始まっていました。もう熱気むんむんで、いよいよ安藤忠雄さんの講演会は始まります。
冒頭から、大変なことをサラリとお話しされていたのですが、膵臓・胆嚢・十二指腸など、すべて取り除いて、それでも元気にやっている例として、私はあるのだということでした。
病気の苦労はそれでおしまいで、そんなことよりも、好奇心とやりたいことと、信念と、言いたいことをはっきり言いながら、お金に執着せず、ボランティアと公共心とで建築をやっているのだと話しておられました。
いくつかポイントとして挙げておられたこと、すべて私はあてはまらず、安藤さんとは正反対の、ダメダメ人生を生きているのだとつくづく思った次第です。
1.ダメなものはダメとはっきり言う。はっきり言わないから、他人がつけいってくる。
2.意志を強く持ち、公共のために尽くす。
3.お金に執着せず、どうせ金はあの世に持っていけないものだ。けれども、建築はお金のかかることではあるし、使うときにはポーンと使わなくてはいけない。そして、その建築がどのように変化していくかを、しっかりとした展望を持って、変化・進化させて行かなくてはならない。
具体的には、建築のまわりに木を植えるというのであれば、ボランティアや関連する組織、地域の力などを総動員して、次から次と植樹し、その木々を管理する仕組みを作り、お客を呼び、環境を変えてしまうくらいの全体の構想力が必要だ。
4.今の日本人はノホホーンとしていて、世界と戦う力を持てていない。世界はどんどん動いているのに、日本だけが取り残されている。若者はたくましさを失っている。
5.若さというのは年齢だけをいうのではない。百歳であろうとも、若さ・青春を失わないということがある。若さというのは力だ。私も若いときはいろんなことにチャレンジした。
6.建築はお客の注文に応えなくてはならない。そのためには、お客の注文に応えられるアイデアが必要で、それを生むためには日頃の興味・好奇心がものをいう。
などなど、いろんなメッセージがありました。いいお話でした。
でも、私はすべてに逆方向に行っていて、言いたいことを言わず、意志というものはなく、何となくボンヤリと日々を過ごしていて、公のことよりも自分の小さい世界に埋没していて、ビジョンを持たずその日暮らしで、ひ弱なオッサンでよしとしている。若さもアイデアも特になく、何かをしようという気持ちもなくて、とりあえずどこかへ行きたいと漠然と思っていて、特に何かに努力するわけでもない。
ああ、見事に正反対でした。だから、安藤さんの話を聞いて、発憤するのかというと、たぶんしないでしょうから、あまり意味がなかったのかもしれません。
ものすごい人気で、即日予約でいっぱいになった講演にたまたま参加できたというのに、安藤さんとの違いを確認しただけじゃないですか。はーあですね。
★ そうです。たまにはいいけど、たぶん、安藤さんから見たら、私なんかムダそのもので、全く話にならない存在だと思います。それに、私はコンクリート打ちっ放しの家はいいと思うのだけれど、うちの奥さんは大反対で、安藤さんに依頼することもできません。
ああ、客にもなれないのだから、全く相手にされない存在なのです。だから、安藤さんの話も、1年経っても、全く身についていないし、すべて忘れてしまっています。講演会に行かなくても良かったのに、誘われて行ったんだったかな。……何をやってんだかですね。