報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

意外と静かなクリスマスイブ

2013-12-24 22:00:26 | 日記
 ポテンヒットさんよりコメントを頂戴した。
 私は今日は仕事であった。
 オフィス街たる大手町だからなのか、特にクリスマスイブだという、それらしいものは無かった。
 帰り際、通勤に使用している東京駅。ここに入れば、確かにカップルの姿は見られた。しかしそれ以上にサラリーマンの姿が多く、カップル達も、見ているとクリスマスイブだから何か特別なことをするというわけでも無さそうだった。イブだからいるというよりは、たまたまいるといった感じだ。
 “なすの”号もガラガラで、新幹線定期で利用しているサラリーマンの利用が9割といったところだ。
 新幹線の後は家までタクシーに乗ったが、そこから街中の景色を見ていても、「本当にクリスマスイブ???」というくらい、大宮の街は情緒が見当たらない。というか、いつもより人が少ないような気がする。東口はそうだったのか?私は東口からタクシーに乗ったのだが。

 まあ、“クリスマス中止運動”を展開している運動家の皆さん方にとっては、してやったりといったところであろうか。

 そもそも20代から30代前半の男女で、彼氏・彼女無しが7割を占めているというのだから、バブルの頃のような話も夢の跡なのだろうと思う。

 さて、明日は休みだ。寝正月の予行演習でもやるか。
 元旦は泊り勤務明けなので、勤務先からそのまま所属寺院へ初詣に行けそうだ。
コメント (3)
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有馬記念 強者(つわもの)どもが 夢のあと

2013-12-24 00:24:38 | 日記
 “ユタと愉快な仲間たち”より。

[12月23日11:00.日蓮正宗、大化山・正証寺 稲生ユウタ、藤谷春人、栗原江蓮、蓬莱山鬼之助]

「はー、昨日の有馬記念の予想、ヒドい釣りだったなぁ……」
 ユタはボヤきながら、所属寺院の三門を潜った。
「おー、稲生君」
 本堂に入ろうとした時、藤谷に声を掛けられた。
「あっ、班長。こんにちは」
「うっス。昨日の有馬はどうだった?」
「ダメでした」
 ユタは、ばつの悪そうな顔をした。
「そうか。奇遇だな。俺も大赤字だよ」
「おとなしく折伏してろってことですね」
「そうだな……。そうそう。折伏と言えばさ、昨日、銀座の場外に顕正会員が来てたみたいだぜ」
「本当ですか?」
「ああ。知ってたら折伏したのに、残念だったなぁ……」
 藤谷は苦笑して言った。
「よく顕正会員って分かりましたね?」
「何かさ、レース直後にブッ倒れてさ、救急車呼んだんだよ。で、ああいうお祭りの時は警備員だけじゃなく、警察官も来るから、倒れたヤツの所に来たわけ。そしたら、『ケンショー・ブルーだ』なんて言いやがった」
「ケンショーって……」
「ほら、前に御山や仙台で大暴れしやがった奴らだよ。そのうちの1人だったんだ」
「へえ……」
「病院には運ばれたが、その後どうなったのかは、お察しくださいってとこだな」
「そんなヤツが……って、確か、ケンショー・ブルーも、表の顔は顕正会の幹部ですよね?」
「らしいな」
「日曜日だってのに、自分は競馬ですか。下には折伏押しつけて」
「そうだなぁ……。だから、俺は下を煽らない」
 キリッと藤谷は言い放った。
「そうでしょうとも」
 ユタは半分呆れた。
「おーおーおー。栄光の仏教徒様がギャンブルですかい?結構な身分ですな」
「キノ!」
 そこへ鬼族のキノこと、蓬莱山鬼之助と女子高生講員の栗原江蓮がやってきた。
「ギャンブルっつーより、異流儀団体の破折について話していただけだ」
 思いっきりキノにイヤミを言われた藤谷は言い返した。
「あのー、キノさん。鬼族が、あまりお寺に入らない方が……」
 ユタは言いにくそうに、遠慮がちに言った。威吹は遠慮してか、三門の外で待っているのが定例だ。
「ところがどっこい。今日はちょっと事情があってよ」
 いつも着物姿の威吹と違い、人間形態の時はジーンズにジャンパー姿のキノは牙を剥き出しにしてニヤついた。
「事情?」
 すると江蓮も笑みを浮かべた。
 たった30年前に死亡したスケバンの転生であることを知っているのは、威吹とここにいる面々のみ。
「昨日の有馬で大儲けしてね、今日の御供養は大金だよ?」
 江蓮はコートの下に着ている制服のブレザーの内ポケットを見せた。女子高生が持つには不釣り合いな分厚い封筒が見えた。
「す、凄いね」
 ユタと藤谷は目を丸くした。どうやら予想して買ったのはキノであったらしく、得意げに自分の頭を指差す。
「ここが違うんだよ、ここが」
(頭の良し悪しは関係あるのか?)
 ユタは心の中で突っ込んだ。
「で、ゲットしたレンガ1個は江蓮に御供養だ。な?オレの“獲物”になって良かったろ?」
 そう言って、キノは江蓮の肩を抱いた。
「ああ、そうだな」
 さしもの江蓮も、この時は素直に抱かれていたという。
 先に本堂に入って行った異種族カップルを見送ったユタは、その2人を指差して言った。
「どうします?来年の金杯の予想は、キノから買いますか?」
「うーむ……」
 藤谷はユタの質問に、しばし考え込んだが、
「いや、今はやめておこう」
 と、答えた。
「そうですか」
 やはり大聖人の信徒として、地獄界の獄卒からは買えないというプライドか。ユタがそう解釈しようとした時だった、
「来年の話をすると鬼が笑うというからな、年が明けてから聞こう」
「そっち!?」
 ユタがズッコケたのは、言うまでも無い。
コメント (2)
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