報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“ユタと愉快な仲間たち”より、「ユタの支部登山」続き

2013-12-08 20:19:38 | 日記
[08:50.JR新富士駅北口]

「ほらっ、特盛、さっさと乗って」
「ふぇえい……って、タクシー!?」
「何ビックリしてんの?」
 寝ぼけまなこの特盛くんは、エリちゃんによってタクシーに乗せられそうになり、やっと我に返った。
「だってぇ、ここから大石寺までタクシーで行ったら、5000円以上掛かるよぉ……」
「アタシが半分出すから。バスが出てないんじゃ、しょうがないでしょ」
「でもぉ、あと1時間待てば出るよぉ?」
「何だかね、一刻も早く行きたいってカンジなの」
「凄いな、エリちゃん。でも、ケンショーでお金が……」
「んっふっふっふ〜。心配ご無用。実はね、アタシ、やっと仕事が決まったの。それも正社員採用だよ?」
「ええっ!?うそっ!?マジでぇ!?」
「そ。来週には初任給も出るから、もうお金に困ることはないよ。これぞ、モノホンの『初心の功徳』?」
「そうだねぇ……。“ベタなとなりの沖田くんの法則”だぁ」
「何それ?ま、いいから、早く行こ」
 2人はタクシーに乗って、新富士駅をあとにした。

 その後にロータリーに出たユタと威吹。
「うちのお寺、結構デカいから臨時バスとか出てるかなって思ったけど、甘かったな……」
「どうするの?」
「しょうがないから、タクシーで行くか。都合良く、同じお寺の別の地区の人とかち合わないかな……」
 ユタがキョロキョロしていると、威吹は長い髪の毛の中から、妖刀を取り出した。そして、刀を抜いてユタの前に出る。
「!!!」
 ユタが声を上げる間も無く驚いていると、威吹と刀を合わせた者がいた。
「……落ちこぼれの威吹邪甲ッ!」
「いちいち枕詞付けんじゃねぇ……!」
 それは威吹と同じ風体の者だった。けんけんごつごつといった感じで、仲が悪いのだろうか。
「あ、あの、どちら様で?」
 ユタが声を掛ける。威吹より数㎝ほど背が高く、しかし髪は威吹より短い男は間違いなく妖狐であろう。
「何だコイツは?」
 威吹に攻撃を仕掛けてきた男は、切れ長の目を値踏みをするようなする感じでユタに向けた。
「オレの“獲物”だ。ジロジロ見るんじゃねぇ」
「なに?女にダマされた班長さん、今度の相手はオトコですか。随分と無節操ですな」
「ダマされたって言うなっ!」
(いや、でも当たってはいる)
 ユタはその言葉を飲み込んだ。
「僕は稲生ユウタって言います。威吹の“獲物”になった者です」
「それはどうも御愁傷様。オレは玉衛(たまえ)、字は完璽(かんじ)だ。人間共の伝説でも有名な玉藻前(たまものまえ)の血族で、只今好評売り出し中。どうぞよろしく」
「はあ、どうもです。“獲物”は1人につき、1人と決まっているはずですが……」
「無論」
 すると、
「お待たせー」
 駅構内から、1人の若い女性が出てきた。
「男の妖狐なら、“獲物”は女と決まってる。非モテの威吹クンは男で我慢してな」
(威吹非モテなの!?)
 ユタは目を丸くした。
「あの、もしかして、大石寺に行かれます?」
 ユタは恐る恐る声を掛けた。
「いいえ。浅間神社です」
「あそこ!」
 ユタは“やきそばエクスプレス”で、浅間大社の横を通ったのを思い出した。
「なに?巫女にダマされた威吹クン、懲りて今度は仏教徒ですか。無節操ですなぁ。すると次はクリスチャンですかな?」
「黙れ!」
「じゃ、そういうことで」
 玉衛はピッと軽く敬礼のサインをすると、若い女性の肩を抱いてタクシーに乗り込んだ。
「うーん……。何か、僕だけ功徳が無いなぁ……」
 ユタは苦笑いして首を傾げた。
「くくく……!」
 威吹はギリギリと歯ぎしりをしていた。

[09:20.タクシー車内 稲生ユウタ、威吹邪甲]

「あの野郎……絶対コロす。殺してやる……!」
 威吹は殺気を発しながら、両手に拳を作っていた。
「妖狐でも皆が皆、仲がいいわけじゃないんだね」
 ユタはホッとした感じになった。
「逆に少し安心したよ」
「……え?」
「いや、怒らないでよ。何かその……人間臭さって言うかさ、そういう面もあるところに」
「そう、見てくれるか。まあ、ボク達だって生きてるわけだから、喜怒哀楽あるさ」
「でも本当に殺しちゃっていいの?妖狐族の法律的にOK?」
「……御法度だ。いかなる理由があれ、同族同士殺し合えば斬首という掟がある」
「人間界でも殺人罪の最高刑は死刑だからね。また1つ人間との共通点があったな」
 ユタのにこやかな顔に、威吹は大きく息を吐いた。
「まあ、ユタの前でこんなことを言うのも何だけど、あの“獲物”が仏教徒じゃなくて良かったよ。ましてや同じ宗派ともなれば、また顔を合わせることになる」
「浅間大社って言ってたな。向こうさんも、何か行事があるのかな?」
 ユタは首を捻った。スマホで検索してみたが、それらしい物は見当たらなかった。

 タクシーは一路、国道を北に向かって走る。(公開ここまで?)
コメント (2)
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東方宴行紀 〜The Company Trip for Hakone〜 2

2013-12-08 18:28:19 | 日記
 無事に旅行を終えて、今しがたに帰ってきたところである。感想を一言で言うと、慰安旅行のはずが却って疲れたという印象だ(笑)
 土日なので観光地は混んでいたが、意外と高速は渋滞にハマらなくて功徳であるといったところである。
 大涌谷がメチャ込みで、そこに行くのが大変だったってところかな。

「無礼講 それでもゴマすり 酌をする」
 なんてサラリーマン川柳が、いつだったかの夕刊フジに掲載されていたが、幸いにして私が参加した班は穏健派(?)の上司達ばかりだったので、そんなに気を使わずに済んだ。
 観光案内をしてくれるバスガイドはその職務上、そんなにバスから離れられないし、鉄道知識など皆無に等しい。オプショナルツアーで箱根登山鉄道に乗ろうツアーでは、私が観光案内するハメになってしまった(私は社内でも鉄ヲタで通っている)。鉄ヲタの私は常識だと思っていたのだが、小田原駅から出ている私鉄は小田急と箱根登山鉄道の他、伊豆箱根鉄道大雄山線があるのだが、意外と箱根登山といずっぱこの違いは分からないようだ。小田急傘下で第3新東京市に向かうのが箱根登山、西武傘下でそこには行かないのが伊豆箱根ってところかな。
 ま、どちらも今のJR北海道よりは安心であろう。……そう思う今日この頃であります。

 宿泊先は“ベタな温泉ホテルの法則”通りであり、特筆するべきものは無い。と言いたいところだが、何でも“日本のホテル百選”だかに入っているものなのだそうだ。
 弊社では必ず宴会を実施し、コンパニオンを数名付ける。コンパニオンの服装は派遣元の事務所(置屋か)によって違うようだが、今回は着物で来てくれた。私は撮影係。普段はカタい既婚上司が、酔った勢いでコンパニオンに抱き付いたところを撮影してやり、
「じゃあ、これはインクジェットにして年賀状で送ります」(にこやかに)
 って言うと、次の日から優しくしてくれる。なるほど。利権というのは、こうして作り上げるものなのか。

 私の特技は駅員や車掌のモノマネ。宴会や二次会のカラオケで『あずさ2号』、『大いなる旅路』、『千本桜』を歌ったのだが、前奏や間奏に駅構内放送をアドリブで入れてやると、大ウケした。しかし上には上がいるもので、福山雅治の歌を松山千春風や千昌夫風、更には和田アキ子風に歌う先輩がいたりした。意外と警備員ってのは、一芸に秀でている者が多いようだ。
 手前味噌だが、私も館内放送を駅構内放送風にして評判を得ているのだが、けしてフザけているのではない。通る声で館内にいる人達にハッキリ聞こえるように喋っていたら、そうなっただけのことだ。松山千春のモノマネが上手い先輩は、まさかそれで広報している……ワケないような。因みに当現場の後輩は、コミケの場内放送風にマイクで喋っているヤツがいる。まあ、聞き取りやすいけどね(笑)
 こういう業界なんです。
 私はワケあって途中退席したが、さすがにコンパニオンを部屋までお持ち帰りしたグループはいなかったようだ。因みに部屋まで持ち帰った場合、別料金が発生するのは当然だが、部屋単位で請求されるので注意。つまり、連れ込んだ本人だけでなく、その部屋に宿泊しているメンバー全員から徴収されるので、お金を払いたくない場合は部屋からとっとと退出すべし。
 私はアイドルマスターにハマっていることもあって、コンパニオン派遣元を「事務所」と呼んでいるが、彼女達は「置屋」と呼んでいる。ま、好きなように呼んでもらって構わないとのこと。

 翌朝になったが、幸いにして“事故”は発生せずに済んだようだ。目が覚めたら隣に女が寝ていて、お互いに「ぱんつはいていない」というベタな法則だ。
 朝食はこれまたベタな法則で、バイキングである。この方がホテル側の効率がいいのだろう。
 ところで何度も私は箱根を「第3新東京市」と呼んでいる。無論その趣味の人や、パチスロをやっている人ならお分かりかと。ネタバレすると、“新世紀エヴァンゲリオン”の舞台なのである。その為か、ホテルの売店にそれ系のお土産を売っていた。ええ、側臥位即買いしましたよ。別名、大人買いとも言います。誰ですか?衝動買いなんて言ってるの?これは職場への土産にしよう。

 その後、色々と連れ回されたのだが、最後に横浜のカップヌードル・ミュージアムに立ち寄った。安藤百福氏の功績が顕彰されているわけだが、ふと顕正会が宗門や創価学会に打ち勝ったら、顕正会の肝煎りで浅井会長を称える何かが建てられるのだろうか。そんなことを考えてしまった。いや、このミュージアムは、決してそんな低レベルなものではない。
 この横浜にも思いがある。アニメ“アイドルマスター”第8話で、三浦あずささんが【字数の都合によりカット致します】。

 社員の中にはこういった旅行を嫌って参加しない者が多々いるが、私はよく楽しめている方なので、入社以来の皆勤賞である。だからだろう。顕正会に夏合宿があった頃、トラウマになったアンチが多々いる中で、私はむしろ初めて東武スペーシアに乗れたとか、温泉入れた(私はゆっくり入ったが、何か?)とかで結構楽しんだクチだがな。長野の男子部大会も、私にとっては日帰り旅行みたいなものだったし。もう1日休みを取って、湯田中温泉に一泊しても良かったな。
 今では旅行気分というよりは、いかに小説のネタを出すかのそれになっている。そんなことより功徳を出せよって感じですね、すいません。

 来週は御影堂落慶記念法要が控えている。今月は忙しいスケジュールである。……ところで、うちの稲生ユウタにその模様をリポートさせちゃっていいのだろうか?……まあ、紹介者に聞いてみよう。因みに奉安堂内での御開扉については、完全に部外秘になっているので、いかにフィクションでも小説で公開することはできない。知りたかったら、御受誡しなさい。勧誡でも構わんよ?
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