[7月16日15:30.天候:雨 東京都墨田区菊川 愛原学探偵事務所]
私の名前は愛原学。
都内で小さな探偵事務所を経営している。
しかし、こう連日雨続きで気分も憂鬱になりそうだ。
愛原:「善場さん達、やっと帰ったな」
高橋:「役人共はしつこいですねぇ……」
愛原:「バイオハザード絡みとなると、しょうがないさ。ましてや俺達は手下のモールデッド達は倒しても、肝心のボスを逃がしてしまったんだからさ」
高橋:「そんなのBSAAの仕事でしょう?」
愛原:「か、もしくは新生アンブレラかな?」
高橋:「霧生市のバイオハザードを引き起こしたのも新生アンブレラですよ?何だか信じられませんねぇ……」
愛原:「おいおい、別の『新生』だぞ?霧生市にバイオハザードを起こしたのは、『アンブレラ・コーポレーション・ジャパン』だ。それに対してBSAAに協力しているのは、『民間軍事会社アンブレラ』なんだよ」
前者はバイオハザードの懲りない面々が運営していたが、後者は懺悔団体である。
つまり、悪の製薬会社アンブレラの悪事を反省し、自らばら撒いた種を回収するのが目的で設立されたという。
もちろん、いくら口では反省懺悔したと言っているとはいえ、そこはアンブレラのOB達。
BSAAの中には、懐疑的な者もいるという。
いくら口では「正義に目覚めた」からと言って、安易に宗門に入れるとトンデモない事態を招き起こす“あっつぁブログ”の面々みたいだよ。
高橋:「ですけどねぇ……」
愛原:「まあ、気持ちは分かる。しかし今後、俺達はまたバイオハザード絡みの仕事を受ける日が来るだろう。それはしょうがない」
高橋:「それはいいですけど、あのアンブレラに協力するのは嫌ですねぇ」
愛原:「だからそれはBSAAの仕事であって、俺達の仕事じゃないさ」
何しろ霧生市のバイオハザードを生き抜き、それも上手く避難したのではなく、ゾンビなどのクリーチャーを倒しつつ、更にリサ・トレヴァーという名のBOW(バイオ・オーガニック・ウェポン)を手懐けた探偵なんて世界中探しても私だけということから、バイオハザード絡みの仕事を引き受けることが多くなってしまった。
高橋:「俺は先生に付いて行きます。地獄までも」
愛原:「勝手に俺を地獄界行きに認定するな」
え?正法帰伏?何それ?美味しいの?
高野:「あら?リサちゃんが帰って来たみたいですよ?」
高橋:「あいつはまた家に帰らないで、事務所を何だと思ってるんだ!」
愛原:「俺の個人事務所なんだから、似たようなものだよ」
しかもリサ1人だけではなかった。
リサ:「ただいま」
斉藤絵恋:「お邪魔しまーす」
リサの唯一の親友、斉藤絵恋さんも一緒である。
リサにとっては『いずれ食べる獲物』認定であり、斉藤さんにとっては『(色々な意味で)食べられちゃいたい人』なんだそうである。
まあ、その、何だ。
そろそろこの2人、危ない関係になりつつあるということだ。
高野:「いらっしゃい。ちょうど応接室が空いたところよ」
斉藤:「はい!ありがとうございます!」
高橋:「アネゴ、さらっとクライアントでもねぇこいつらを応接室に通すなよ」
高野:「いいじゃない。その方が埃が溜まらなくて済むわ」
愛原:「ほんと、すいません!」
高野:「給湯室の冷蔵庫にジュースがあるからね」
リサ:「うん」
斉藤:「ありがとうございます!一緒に宿題やらせてもらいまーす!」
愛原:「ああ、頑張って。因みに、因みにだよ?テストとかは無いの?」
リサ:「期末テストならもう終わった。私が学年3位。サイトーは30位」
斉藤:「うう……ごめんなさい。次はもっと頑張りまーす……」(´;ω;`)
愛原:「いや、ちょっと待て。東京中央学園墨田中学校は、一学年数百人はいるだろ?その中で30位って凄いと思うのに、リサは3位だ!?」
高橋:「テメ、コラ!カンニングしただろ!?先生!ここは1つ、探偵としてリサのカンニング暴きを!!」
愛原:「高橋。ちょっと厳しいこと言わせてもらうが、いいか?」
高橋:「な、何でしょう?」
愛原:「カンニングすらできずに10代の大半を少年院と少年刑務所で過ごしたヤツが、ちゃんと学校生活送れてるコのカンニングを非難する権利は無いからな?」
高橋:「!!! も、申し訳ありませんでしたーっ!!」orz
高野:「2人とも、なにリサちゃんがカンニングした前提で話を進めてるのよ?」
リサ:「かんにんぐ?」
高野:「何でも無いのよ。リサちゃん、頭いいものね」
斉藤:「そうなんですよ!私なんか学習塾に通ってても、30位を超えられないんです」
高野:「一学年数百人もいる中で30位って凄いと思うけどね。苦手な教科があって、それが足を引っ張っちゃってるのかな?」
斉藤:「うう……実はそうなんですぅ……。ちょっと数学が……」
高野:「あー、分かる分かる」
斉藤:「今回も数学の宿題が多く出て、リサさんに教えてもらおうと思いましてぇ……」
高野:「いいよ。そこの応接室使って。あ、それともそっちの談話コーナーの方がいいかな?」
リサ:「応接室だとテーブルが低いから、ちょっと前屈みになって勉強しにくいかも……」
高野:「それもそうね。それじゃ、そっちの給湯室の方の談話コーナーを使うといいよ」
リサ:「ありがとう。サイトー、行こ」
斉藤:「うん」
リサと斉藤さんは給湯室に隣接する談話コーナーに向かった。
そこにはダイニングセットを利用したテーブルと椅子がある。
で、私の方は……。
愛原:「いいか?俺が1番腹が立つのは、『昔、ちょいワルでした〜』とか言ってるヤツだ。つまり、それを武勇伝にしてるヤツだな。武勇伝にするのは勝手だと思うだろうが、その武勇伝の被害者達にちゃんと謝罪してから言ってるのかと言いたい。特に、『小っちゃな頃から悪ガキで、15で不良と呼ばれた』ヤツが武勇伝を語ることについては……おい、聞いてるのか!」
高橋:「はい、サーセン……あ、いや、すいません」
私の高橋に対する説教は小一時間ほど続いた。
愛原:「不良どものせいで真面目に学校生活を送っているのが迷惑してるんだ!ちゃんと謝罪するべきだ!武勇伝を自慢するんだったら、先に謝罪しろ!」
高橋:「は、はい。前向きに善処します。はい。可及的速やかに対応します。はい」
私の名前は愛原学。
都内で小さな探偵事務所を経営している。
しかし、こう連日雨続きで気分も憂鬱になりそうだ。
愛原:「善場さん達、やっと帰ったな」
高橋:「役人共はしつこいですねぇ……」
愛原:「バイオハザード絡みとなると、しょうがないさ。ましてや俺達は手下のモールデッド達は倒しても、肝心のボスを逃がしてしまったんだからさ」
高橋:「そんなのBSAAの仕事でしょう?」
愛原:「か、もしくは新生アンブレラかな?」
高橋:「霧生市のバイオハザードを引き起こしたのも新生アンブレラですよ?何だか信じられませんねぇ……」
愛原:「おいおい、別の『新生』だぞ?霧生市にバイオハザードを起こしたのは、『アンブレラ・コーポレーション・ジャパン』だ。それに対してBSAAに協力しているのは、『民間軍事会社アンブレラ』なんだよ」
前者はバイオハザードの懲りない面々が運営していたが、後者は懺悔団体である。
つまり、悪の製薬会社アンブレラの悪事を反省し、自らばら撒いた種を回収するのが目的で設立されたという。
もちろん、いくら口では反省懺悔したと言っているとはいえ、そこはアンブレラのOB達。
BSAAの中には、懐疑的な者もいるという。
高橋:「ですけどねぇ……」
愛原:「まあ、気持ちは分かる。しかし今後、俺達はまたバイオハザード絡みの仕事を受ける日が来るだろう。それはしょうがない」
高橋:「それはいいですけど、あのアンブレラに協力するのは嫌ですねぇ」
愛原:「だからそれはBSAAの仕事であって、俺達の仕事じゃないさ」
何しろ霧生市のバイオハザードを生き抜き、それも上手く避難したのではなく、ゾンビなどのクリーチャーを倒しつつ、更にリサ・トレヴァーという名のBOW(バイオ・オーガニック・ウェポン)を手懐けた探偵なんて世界中探しても私だけということから、バイオハザード絡みの仕事を引き受けることが多くなってしまった。
高橋:「俺は先生に付いて行きます。地獄までも」
愛原:「勝手に俺を地獄界行きに認定するな」
え?正法帰伏?何それ?美味しいの?
高野:「あら?リサちゃんが帰って来たみたいですよ?」
高橋:「あいつはまた家に帰らないで、事務所を何だと思ってるんだ!」
愛原:「俺の個人事務所なんだから、似たようなものだよ」
しかもリサ1人だけではなかった。
リサ:「ただいま」
斉藤絵恋:「お邪魔しまーす」
リサの唯一の親友、斉藤絵恋さんも一緒である。
リサにとっては『いずれ食べる獲物』認定であり、斉藤さんにとっては『(色々な意味で)食べられちゃいたい人』なんだそうである。
まあ、その、何だ。
そろそろこの2人、危ない関係になりつつあるということだ。
高野:「いらっしゃい。ちょうど応接室が空いたところよ」
斉藤:「はい!ありがとうございます!」
高橋:「アネゴ、さらっとクライアントでもねぇこいつらを応接室に通すなよ」
高野:「いいじゃない。その方が埃が溜まらなくて済むわ」
愛原:「ほんと、すいません!」
高野:「給湯室の冷蔵庫にジュースがあるからね」
リサ:「うん」
斉藤:「ありがとうございます!一緒に宿題やらせてもらいまーす!」
愛原:「ああ、頑張って。因みに、因みにだよ?テストとかは無いの?」
リサ:「期末テストならもう終わった。私が学年3位。サイトーは30位」
斉藤:「うう……ごめんなさい。次はもっと頑張りまーす……」(´;ω;`)
愛原:「いや、ちょっと待て。東京中央学園墨田中学校は、一学年数百人はいるだろ?その中で30位って凄いと思うのに、リサは3位だ!?」
高橋:「テメ、コラ!カンニングしただろ!?先生!ここは1つ、探偵としてリサのカンニング暴きを!!」
愛原:「高橋。ちょっと厳しいこと言わせてもらうが、いいか?」
高橋:「な、何でしょう?」
愛原:「カンニングすらできずに10代の大半を少年院と少年刑務所で過ごしたヤツが、ちゃんと学校生活送れてるコのカンニングを非難する権利は無いからな?」
高橋:「!!! も、申し訳ありませんでしたーっ!!」orz
高野:「2人とも、なにリサちゃんがカンニングした前提で話を進めてるのよ?」
リサ:「かんにんぐ?」
高野:「何でも無いのよ。リサちゃん、頭いいものね」
斉藤:「そうなんですよ!私なんか学習塾に通ってても、30位を超えられないんです」
高野:「一学年数百人もいる中で30位って凄いと思うけどね。苦手な教科があって、それが足を引っ張っちゃってるのかな?」
斉藤:「うう……実はそうなんですぅ……。ちょっと数学が……」
高野:「あー、分かる分かる」
斉藤:「今回も数学の宿題が多く出て、リサさんに教えてもらおうと思いましてぇ……」
高野:「いいよ。そこの応接室使って。あ、それともそっちの談話コーナーの方がいいかな?」
リサ:「応接室だとテーブルが低いから、ちょっと前屈みになって勉強しにくいかも……」
高野:「それもそうね。それじゃ、そっちの給湯室の方の談話コーナーを使うといいよ」
リサ:「ありがとう。サイトー、行こ」
斉藤:「うん」
リサと斉藤さんは給湯室に隣接する談話コーナーに向かった。
そこにはダイニングセットを利用したテーブルと椅子がある。
で、私の方は……。
愛原:「いいか?俺が1番腹が立つのは、『昔、ちょいワルでした〜』とか言ってるヤツだ。つまり、それを武勇伝にしてるヤツだな。武勇伝にするのは勝手だと思うだろうが、その武勇伝の被害者達にちゃんと謝罪してから言ってるのかと言いたい。特に、『小っちゃな頃から悪ガキで、15で不良と呼ばれた』ヤツが武勇伝を語ることについては……おい、聞いてるのか!」
高橋:「はい、サーセン……あ、いや、すいません」
私の高橋に対する説教は小一時間ほど続いた。
愛原:「不良どものせいで真面目に学校生活を送っているのが迷惑してるんだ!ちゃんと謝罪するべきだ!武勇伝を自慢するんだったら、先に謝罪しろ!」
高橋:「は、はい。前向きに善処します。はい。可及的速やかに対応します。はい」