[1月6日11時30分 天候:曇 栃木県日光市某所 某民泊施設地下]
再び地下室へ戻った私達。
先ほどと比べれば、薄暗いものの、だいぶ明るくなっていた。
愛原「ん?何か聞こえないか?」
高橋「そう言えば……」
リサは尖った耳を澄ましてみた。
リサ「音楽?」
愛原「音楽か。何だろう?」
リサ「多分、わたしのテーマ曲だと思う」
https://www.youtube.com/watch?v=BayW7aXI0zI(原曲“終焉の始まり”、当作品では愛原リサのテーマ)
愛原「事務室の中から聞こえるな」
リサのテーマがループして流れてきている。
愛原「開けてみてくれ」
リサ「うん」
リサは自分のカードキーで、事務室の鍵を開けた。
愛原「中に敵が潜んでるかもしれん。油断するな」
高橋「はい」
私はショットガンを構え、高橋はマグナムを構えた。
リサ「わたしが開けるよ」
リサはドアノブを掛けた。
そして、向こう側にドアを開ける。
私と高橋は銃を構えたまま、事務室内に入った。
室内は真っ暗だった。
だが、リサがドア横のスイッチを入れて照明を点ける。
愛原「これは……!」
確かに事務机とかが置かれているが、書類などが散乱していた。
それだけではない。
ミイラ化したり、白骨化した職員らしき死体が累々と転がっていた。
リサ「ゾンビの臭いがする。多分、このミイラは元ゾンビだったんだ」
愛原「そうなのか」
そして、白骨死体の方は、そんなゾンビに食い殺された人間であろうとリサは言う。
人間の血肉を食い散らかしたゾンビだが、その後、新たな食料の供給が無くなってしまい、餓死したのだろうとリサは言う。
愛原「うえー……。こんな惨劇の真上で俺達、寝泊まりしたのかよ……」
高橋「今思うとおぞましいっスねぇ……」
さすがに、もう起き上がって襲ってくることはなさそうだ。
問題は、何故バイオハザードが起きたのかだ。
私達は事務室内を探索することにした。
愛原「業務日誌……」
パラパラと捲ってみると、白井のことが出てきた。
愛原「『天長会より素材を提供』『教祖様の為とすれば、洗脳信者を実験に使うことなど容易い』か……考えたな」
とはいえ、白井自身も天長会の信者だったはずだ。
自分が信者だったからこそ、逆に他の信者を使いやすかったのだろうか。
愛原「……ああ、なるほどな」
高橋「何スか?」
愛原「日本版リサ・トレヴァーの男を作ろうとしていたらしいぞ。もちろん、『10番』に男はいたけどな」
高橋「そうなんですか」
リサ「先生、ここに指示書が」
愛原「んー?」
それは恐らくWordで作成された赤文字の指示書だった。
愛原「『警告 少年Aは処遇が決まるまで、B2倉庫に監禁しておくこと。世話係の選定は追って行う』だって?」
高橋「何スか、このB2倉庫って……」
その時、ループして流れていたリサのテーマが止まった。
そういえば、音楽がどこから流れていたのかをまだ調べていなかった。
それは、アンティークな蓄音機を模したオーディオ装置から流れていた。
カセットテープから流れているのだが、それが8トラック式と呼ばれるテープだった。
いわゆる、エンドレステープというヤツである。
取り外すと、手書きでタイトルが書かれていた。
愛原「『2番』のテーマか。やっぱり、リサのテーマらしいな」
リサ「何度も聴かされたよ」
オーディオの下には、他にもカセットテープが置かれている。
愛原「色々あるな」
その時、1つのテープに目が留まった。
愛原「何だこれ?『新堂誠』?」
というか、そもそもどうしてここにこんなオーディオ装置があるのだろうか。
いや、まあ、作業用BGMのつもりなのだろうが、それにしてもこんな不気味な音楽を流しておくとは……。
高橋「先生!」
愛原「何だ?」
高橋「このキャビネット、何か動きそうっス」
愛原「なにィ?リサ、手伝ってやれ!」
リサ「分かった!」
高橋とリサはキャビネットを動かした。
すると、キャビネットの向こう側には鉄扉があった。
愛原「何だ、このドアは?こんなもの図面に……あるな」
どうやら、これが非常口の入口らしい。
内鍵になっていて、こちら側からでないと鍵が開かない仕組みになっていたようだ。
良かった。
中庭側から下りようとすると、結局は行き止まりだったというわけか。
そこから下りなくて良かった。
一応、脱出路を確保する為に鍵を開けて、向こう側を確認しておこうと思った。
愛原「うー、寒い」
非常口のドアを開けると、寒風が吹き込んで来た。
そういえば、この地下室は比較的温かい。
通電したことで、暖房も入るようになったのだろうか。
鬼の男「この下どうなってんだ?……あ?」
愛原「…………」
高橋「…………」
リサ「…………」
上から鬼の男が飛び降りて来て、私の目の前に着地した。
まさかの鉢合わせに、一瞬互いに固まる。
鬼の男「て、テメェら!!」
愛原「わーっ!」
高橋が咄嗟に鬼の男にマグナムを放つ。
それは見事に命中した。
だが、リサとは互角以上の強さを持つ男だ。
それ1発だけで倒せるわけがない。
私は鬼の男が怯んだ隙に、鉄扉を閉めて鍵を掛けた。
愛原「早く、キャビネットを!!」
高橋「は、はい!リサ、手伝え!!」
リサ「う、うん!」
高橋とリサは、再びキャビネットをドアの前に置いた。
しかし、向こうから激しくドアを叩いたり蹴ったりする音が聞こえる。
鬼の男「テメェ!コラ!開けやがれ!!」
愛原「このままじゃ、脱出困難になるぞ!」
私は踵を返した。
と、何かを踏んづける。
それは、ゾンビのミイラだった。
もう1匹潜んでいたのだった。
愛原「ったく、邪魔だ!」
私がミイラを退かすと、その下に1枚の書類が隠れていた。
取り出すと、もう1枚の指示書だった。
『B2に行くには、トイレのテーマをピアノに轢かせろ』
愛原「何だこれ?」
しかも手書きで、『細田だろ!』とも書かれていた。
愛原「ピアノって何だよ!?」
少なくとも、事務室には無い。
高橋「先生、取りあえずこっちへ!」
まずは事務室を脱出する必要があった。
何と、ドアを閉めると、自動でロックが掛かり、再びカードキーを使わないと開かないようである。
もしかしたら、ここの職員達はカードキーを紛失して出られなくなったのだろうか?
もちろん、リサのカードキーで脱出した。
愛原「外へ逃げますか!?」
愛原「そうだな……」
①地上へ逃げる。
②地下室の奥へ向かう。
➂電話で救助を求める。
再び地下室へ戻った私達。
先ほどと比べれば、薄暗いものの、だいぶ明るくなっていた。
愛原「ん?何か聞こえないか?」
高橋「そう言えば……」
リサは尖った耳を澄ましてみた。
リサ「音楽?」
愛原「音楽か。何だろう?」
リサ「多分、わたしのテーマ曲だと思う」
https://www.youtube.com/watch?v=BayW7aXI0zI(原曲“終焉の始まり”、当作品では愛原リサのテーマ)
愛原「事務室の中から聞こえるな」
リサのテーマがループして流れてきている。
愛原「開けてみてくれ」
リサ「うん」
リサは自分のカードキーで、事務室の鍵を開けた。
愛原「中に敵が潜んでるかもしれん。油断するな」
高橋「はい」
私はショットガンを構え、高橋はマグナムを構えた。
リサ「わたしが開けるよ」
リサはドアノブを掛けた。
そして、向こう側にドアを開ける。
私と高橋は銃を構えたまま、事務室内に入った。
室内は真っ暗だった。
だが、リサがドア横のスイッチを入れて照明を点ける。
愛原「これは……!」
確かに事務机とかが置かれているが、書類などが散乱していた。
それだけではない。
ミイラ化したり、白骨化した職員らしき死体が累々と転がっていた。
リサ「ゾンビの臭いがする。多分、このミイラは元ゾンビだったんだ」
愛原「そうなのか」
そして、白骨死体の方は、そんなゾンビに食い殺された人間であろうとリサは言う。
人間の血肉を食い散らかしたゾンビだが、その後、新たな食料の供給が無くなってしまい、餓死したのだろうとリサは言う。
愛原「うえー……。こんな惨劇の真上で俺達、寝泊まりしたのかよ……」
高橋「今思うとおぞましいっスねぇ……」
さすがに、もう起き上がって襲ってくることはなさそうだ。
問題は、何故バイオハザードが起きたのかだ。
私達は事務室内を探索することにした。
愛原「業務日誌……」
パラパラと捲ってみると、白井のことが出てきた。
愛原「『天長会より素材を提供』『教祖様の為とすれば、洗脳信者を実験に使うことなど容易い』か……考えたな」
とはいえ、白井自身も天長会の信者だったはずだ。
自分が信者だったからこそ、逆に他の信者を使いやすかったのだろうか。
愛原「……ああ、なるほどな」
高橋「何スか?」
愛原「日本版リサ・トレヴァーの男を作ろうとしていたらしいぞ。もちろん、『10番』に男はいたけどな」
高橋「そうなんですか」
リサ「先生、ここに指示書が」
愛原「んー?」
それは恐らくWordで作成された赤文字の指示書だった。
愛原「『警告 少年Aは処遇が決まるまで、B2倉庫に監禁しておくこと。世話係の選定は追って行う』だって?」
高橋「何スか、このB2倉庫って……」
その時、ループして流れていたリサのテーマが止まった。
そういえば、音楽がどこから流れていたのかをまだ調べていなかった。
それは、アンティークな蓄音機を模したオーディオ装置から流れていた。
カセットテープから流れているのだが、それが8トラック式と呼ばれるテープだった。
いわゆる、エンドレステープというヤツである。
取り外すと、手書きでタイトルが書かれていた。
愛原「『2番』のテーマか。やっぱり、リサのテーマらしいな」
リサ「何度も聴かされたよ」
オーディオの下には、他にもカセットテープが置かれている。
愛原「色々あるな」
その時、1つのテープに目が留まった。
愛原「何だこれ?『新堂誠』?」
というか、そもそもどうしてここにこんなオーディオ装置があるのだろうか。
いや、まあ、作業用BGMのつもりなのだろうが、それにしてもこんな不気味な音楽を流しておくとは……。
高橋「先生!」
愛原「何だ?」
高橋「このキャビネット、何か動きそうっス」
愛原「なにィ?リサ、手伝ってやれ!」
リサ「分かった!」
高橋とリサはキャビネットを動かした。
すると、キャビネットの向こう側には鉄扉があった。
愛原「何だ、このドアは?こんなもの図面に……あるな」
どうやら、これが非常口の入口らしい。
内鍵になっていて、こちら側からでないと鍵が開かない仕組みになっていたようだ。
良かった。
中庭側から下りようとすると、結局は行き止まりだったというわけか。
そこから下りなくて良かった。
一応、脱出路を確保する為に鍵を開けて、向こう側を確認しておこうと思った。
愛原「うー、寒い」
非常口のドアを開けると、寒風が吹き込んで来た。
そういえば、この地下室は比較的温かい。
通電したことで、暖房も入るようになったのだろうか。
鬼の男「この下どうなってんだ?……あ?」
愛原「…………」
高橋「…………」
リサ「…………」
上から鬼の男が飛び降りて来て、私の目の前に着地した。
まさかの鉢合わせに、一瞬互いに固まる。
鬼の男「て、テメェら!!」
愛原「わーっ!」
高橋が咄嗟に鬼の男にマグナムを放つ。
それは見事に命中した。
だが、リサとは互角以上の強さを持つ男だ。
それ1発だけで倒せるわけがない。
私は鬼の男が怯んだ隙に、鉄扉を閉めて鍵を掛けた。
愛原「早く、キャビネットを!!」
高橋「は、はい!リサ、手伝え!!」
リサ「う、うん!」
高橋とリサは、再びキャビネットをドアの前に置いた。
しかし、向こうから激しくドアを叩いたり蹴ったりする音が聞こえる。
鬼の男「テメェ!コラ!開けやがれ!!」
愛原「このままじゃ、脱出困難になるぞ!」
私は踵を返した。
と、何かを踏んづける。
それは、ゾンビのミイラだった。
もう1匹潜んでいたのだった。
愛原「ったく、邪魔だ!」
私がミイラを退かすと、その下に1枚の書類が隠れていた。
取り出すと、もう1枚の指示書だった。
『B2に行くには、トイレのテーマをピアノに轢かせろ』
愛原「何だこれ?」
しかも手書きで、『細田だろ!』とも書かれていた。
愛原「ピアノって何だよ!?」
少なくとも、事務室には無い。
高橋「先生、取りあえずこっちへ!」
まずは事務室を脱出する必要があった。
何と、ドアを閉めると、自動でロックが掛かり、再びカードキーを使わないと開かないようである。
もしかしたら、ここの職員達はカードキーを紛失して出られなくなったのだろうか?
もちろん、リサのカードキーで脱出した。
愛原「外へ逃げますか!?」
愛原「そうだな……」
①地上へ逃げる。
②地下室の奥へ向かう。
➂電話で救助を求める。