[1月8日08時00分 天候:晴 東京都墨田区菊川2丁目 愛原家3階ダイニング]
出発前に朝食を取る。
愛原「片道は新幹線で行くから、ゆっくり目に出れていいな」
高橋「いいんですかね?こんなゆっくりで……」
愛原「申し訳ないが、観光はあくまでも表向きだ。本来の目的を忘れてはいかん」
パール「お仕事ですものね、仕方がありません」
リサ「先生の命令は絶対。……はむっ!」
今朝の朝食は洋食。
トーストにベーコンエッグ、ウィンナーにサラダとスープというオーソドックスなものだ。
明日の朝食は、民宿で取ることになる。
洋風のペンションなら、朝食も洋食になるだろうが、和風の民宿なら、朝食も和食になるだろう。
なるべく被らないように、今朝は洋食にしてもらった。
愛原「11時台の“こだま”に乗るから、10時半くらいにはタクシーに乗りたい」
高橋「俺が予約しておきますよ」
愛原「頼む」
[同日10時30分 天候:晴 愛原家→タクシー車内]
私はメールで、善場主任に出発の連絡を送った。
主任からはすぐに返信が来て、『かしこまりました。どうか、お気をつけて』とのことだった。
リサ「タクシー、来たよ」
愛原「ああ。それじゃ、行こう」
私達は事務所を後にした。
ガレージのシャッターは硬く閉ざされており、あとはその横にあるガラス戸を施錠すれば良い。
ガラス戸側にはシャッターは無いが、防弾ガラスになっているとのことで、かつてはどこかの暴力団の組事務所だったのではないかと高橋は見ている。
トヨタ・ジャパンタクシーのリアシートに乗り込む。
パールには、助手席に座ってもらった。
パール「東京駅の八重洲口までお願いします」
運転手「はい、東京駅の八重洲側ですね。ありがとうございます」
私達が乗り込むと、電動スライドタイプのリアドアが閉まる。
パールが行先を告げて、タクシーは出発した。
このタイプの車種にも乗務員側、利用客側で賛否両論の意見があるようだが、私は肯定的に見ている。
私は真ん中に座っているが、旧来のセダンタイプと違って床の出っ張りが無く、足の置き場に苦労することがない。
あと、やっぱり足が伸ばせるのが良い。
更には基本的にリアドアの窓は、薄めながらスモークタイプとなっており、リサを移動させるのに外から見えにくいのは好都合だった。
善場「日本では今のところ水際対策ができていますが、リサを狙うバイオテロ組織は存在するのです」
と。
うちのリサほどほぼ完璧なBOWは、世界中どこを探しても片手で数えられるほどしかおらず、とても貴重なのだとか。
非核三原則のせいで抑止力を持てない日本は、こういう所に抑止力を見出そうとしているのだとか。
愛原「!」
そこまで考えて、私はあることを考えてしまった。
白井の本当の目的。
まさかとは思うが、白井もまた日本では強い妖怪の部類に入る鬼を人工的に造り出し、核兵器に変わる抑止力として活用するつもりだったのでは?
それだと、他のバイオテロ組織と同じになってしまうが……。
違うのかな?
[同日10時50分 天候:晴 東京都千代田区丸の内 JR東京駅]
タクシーが八重洲中央口の降車場に到着する。
高橋がアプリで予約していたので、支払いもアプリの決済で済ませる。
この場合、紙の領収証は発行されないので注意。
不慣れな客はもちろん、運転手でさえ間違うことがあるそうだ。
領収書の管理がアプリ内でできるので、紙の領収証だと紛失とか、後でどこからどこまで乗った物なのかが分からなくなる心配は無い。
ただ、車内で一切決済のやり取りが無いので、まるで無賃乗車している気になってしまう。
愛原「久しぶりの東京駅だなぁ……」
高橋「最近は車での移動とか、あとは成田空港とかでしたからね」
愛原「うん」
タクシーを降りて、私達は駅構内へと入って行った。
愛原「先に新幹線のキップを買わないとな」
八重洲中央口辺りは、JR東日本や東海の権利が複雑に絡み合っている所である。
もちろん、新幹線のキップはJR東日本の券売機でも買えるのだが、東海道新幹線に乗るのだから、JR東海の券売機で購入した。
JR東日本で言う“みどりの窓口”に相当する『JR全線きっぷ売り場』は、有人窓口以外にも券売機がある。
有人窓口の方は旅行客で賑わっていたが、券売機の方は空いていた。
そこで、新富士駅までのキップを買う。
現金は使わず、私のカードで支払う。
すると、キップ以外にクレカの利用証が出て来る。
これも、デイライトに請求する。
交通費と宿泊費は、別途支給してもらえる契約になっているからだ。
愛原「キップは1人ずつ持とう」
パール「ありがとうございます」
リサ「わたし、先生の隣!」
愛原「いや、自由席だから」
東京駅始発の“こだま”なら、余裕で座れるだろう。
キップを手に、東海道新幹線乗り場に向かう。
JR東日本の緑色の改札口とは違い、青色が目立つから違いが分かる。
『何だあ?JR東海なんだから、オレンジだろうが』と、首都圏の人間はツッコむだろう。
しかし、在来線もJR東海のエリアの人間はそんなツッコミはしない。
何故なら、在来線の改札口はオレンジだからである。
リサ「駅弁、買おうかな……」
愛原「おい、朝ガッツリ食っただろ」
リサ「お昼はどうするの?」
愛原「富士宮市内で食べようかと思ってるよ。せっかくだから、富士宮焼きそばでも食べようかと思ってるけど……」
リサ「なるほど。じゃあ、おやつくらいにしておく」
愛原「結局、食べ物は買うんかいw」
まあ、いつものことだ。
[同日11時12分 天候:晴 JR東京駅・東海道新幹線ホーム]

ホームにも売店があるので、混雑しているコンコース内の売店よりは、そこで買うようにリサに言った。
冬休み最後の連休ということもあり、新幹線乗り場は混雑している。
“のぞみ”や“ひかり”は多くの利用者がホームに列を作り、或いは殆ど席が埋まっている状態であったが、これからやってくる“こだま”のホームはそれほどでもなかった。
〔ピン♪ポン♪パン♪ポーン♪ 新幹線をご利用頂きまして、ありがとうございます。まもなく17番線に、“ひかり”642号が到着致します。安全柵の内側まで、お下がりください。この後、11時27分発、“こだま”721号、名古屋行きとなります。車内の整備が終わるまで、お待ちください〕
売店でリサはスナック菓子やジュースを買い、私達も一応、自販機でペットボトルのお茶やジュースなどを買っておいた。
新幹線への乗車時間は1時間くらいだが、まあ、水分は確保しておくに越したことはないだろう。
愛原「コーヒーも買っておくか」
パール「先生はコーヒーがお好きですね」
愛原「まあな」
上りの“ひかり”がやってくる。
“のぞみ”よりかは遅い列車だが、それでも普通車はほぼ席が埋まるほどであった。
〔東京、東京です。東京、東京です。ご乗車、ありがとうございました。……〕
私達は先頭の1号車に向かって歩いた。
出発前に朝食を取る。
愛原「片道は新幹線で行くから、ゆっくり目に出れていいな」
高橋「いいんですかね?こんなゆっくりで……」
愛原「申し訳ないが、観光はあくまでも表向きだ。本来の目的を忘れてはいかん」
パール「お仕事ですものね、仕方がありません」
リサ「先生の命令は絶対。……はむっ!」
今朝の朝食は洋食。
トーストにベーコンエッグ、ウィンナーにサラダとスープというオーソドックスなものだ。
明日の朝食は、民宿で取ることになる。
洋風のペンションなら、朝食も洋食になるだろうが、和風の民宿なら、朝食も和食になるだろう。
なるべく被らないように、今朝は洋食にしてもらった。
愛原「11時台の“こだま”に乗るから、10時半くらいにはタクシーに乗りたい」
高橋「俺が予約しておきますよ」
愛原「頼む」
[同日10時30分 天候:晴 愛原家→タクシー車内]
私はメールで、善場主任に出発の連絡を送った。
主任からはすぐに返信が来て、『かしこまりました。どうか、お気をつけて』とのことだった。
リサ「タクシー、来たよ」
愛原「ああ。それじゃ、行こう」
私達は事務所を後にした。
ガレージのシャッターは硬く閉ざされており、あとはその横にあるガラス戸を施錠すれば良い。
ガラス戸側にはシャッターは無いが、防弾ガラスになっているとのことで、かつてはどこかの暴力団の組事務所だったのではないかと高橋は見ている。
トヨタ・ジャパンタクシーのリアシートに乗り込む。
パールには、助手席に座ってもらった。
パール「東京駅の八重洲口までお願いします」
運転手「はい、東京駅の八重洲側ですね。ありがとうございます」
私達が乗り込むと、電動スライドタイプのリアドアが閉まる。
パールが行先を告げて、タクシーは出発した。
このタイプの車種にも乗務員側、利用客側で賛否両論の意見があるようだが、私は肯定的に見ている。
私は真ん中に座っているが、旧来のセダンタイプと違って床の出っ張りが無く、足の置き場に苦労することがない。
あと、やっぱり足が伸ばせるのが良い。
更には基本的にリアドアの窓は、薄めながらスモークタイプとなっており、リサを移動させるのに外から見えにくいのは好都合だった。
善場「日本では今のところ水際対策ができていますが、リサを狙うバイオテロ組織は存在するのです」
と。
うちのリサほどほぼ完璧なBOWは、世界中どこを探しても片手で数えられるほどしかおらず、とても貴重なのだとか。
非核三原則のせいで抑止力を持てない日本は、こういう所に抑止力を見出そうとしているのだとか。
愛原「!」
そこまで考えて、私はあることを考えてしまった。
白井の本当の目的。
まさかとは思うが、白井もまた日本では強い妖怪の部類に入る鬼を人工的に造り出し、核兵器に変わる抑止力として活用するつもりだったのでは?
それだと、他のバイオテロ組織と同じになってしまうが……。
違うのかな?
[同日10時50分 天候:晴 東京都千代田区丸の内 JR東京駅]
タクシーが八重洲中央口の降車場に到着する。
高橋がアプリで予約していたので、支払いもアプリの決済で済ませる。
この場合、紙の領収証は発行されないので注意。
不慣れな客はもちろん、運転手でさえ間違うことがあるそうだ。
領収書の管理がアプリ内でできるので、紙の領収証だと紛失とか、後でどこからどこまで乗った物なのかが分からなくなる心配は無い。
ただ、車内で一切決済のやり取りが無いので、まるで無賃乗車している気になってしまう。
愛原「久しぶりの東京駅だなぁ……」
高橋「最近は車での移動とか、あとは成田空港とかでしたからね」
愛原「うん」
タクシーを降りて、私達は駅構内へと入って行った。
愛原「先に新幹線のキップを買わないとな」
八重洲中央口辺りは、JR東日本や東海の権利が複雑に絡み合っている所である。
もちろん、新幹線のキップはJR東日本の券売機でも買えるのだが、東海道新幹線に乗るのだから、JR東海の券売機で購入した。
JR東日本で言う“みどりの窓口”に相当する『JR全線きっぷ売り場』は、有人窓口以外にも券売機がある。
有人窓口の方は旅行客で賑わっていたが、券売機の方は空いていた。
そこで、新富士駅までのキップを買う。
現金は使わず、私のカードで支払う。
すると、キップ以外にクレカの利用証が出て来る。
これも、デイライトに請求する。
交通費と宿泊費は、別途支給してもらえる契約になっているからだ。
愛原「キップは1人ずつ持とう」
パール「ありがとうございます」
リサ「わたし、先生の隣!」
愛原「いや、自由席だから」
東京駅始発の“こだま”なら、余裕で座れるだろう。
キップを手に、東海道新幹線乗り場に向かう。
JR東日本の緑色の改札口とは違い、青色が目立つから違いが分かる。
『何だあ?JR東海なんだから、オレンジだろうが』と、首都圏の人間はツッコむだろう。
しかし、在来線もJR東海のエリアの人間はそんなツッコミはしない。
何故なら、在来線の改札口はオレンジだからである。
リサ「駅弁、買おうかな……」
愛原「おい、朝ガッツリ食っただろ」
リサ「お昼はどうするの?」
愛原「富士宮市内で食べようかと思ってるよ。せっかくだから、富士宮焼きそばでも食べようかと思ってるけど……」
リサ「なるほど。じゃあ、おやつくらいにしておく」
愛原「結局、食べ物は買うんかいw」
まあ、いつものことだ。
[同日11時12分 天候:晴 JR東京駅・東海道新幹線ホーム]

ホームにも売店があるので、混雑しているコンコース内の売店よりは、そこで買うようにリサに言った。
冬休み最後の連休ということもあり、新幹線乗り場は混雑している。
“のぞみ”や“ひかり”は多くの利用者がホームに列を作り、或いは殆ど席が埋まっている状態であったが、これからやってくる“こだま”のホームはそれほどでもなかった。
〔ピン♪ポン♪パン♪ポーン♪ 新幹線をご利用頂きまして、ありがとうございます。まもなく17番線に、“ひかり”642号が到着致します。安全柵の内側まで、お下がりください。この後、11時27分発、“こだま”721号、名古屋行きとなります。車内の整備が終わるまで、お待ちください〕
売店でリサはスナック菓子やジュースを買い、私達も一応、自販機でペットボトルのお茶やジュースなどを買っておいた。
新幹線への乗車時間は1時間くらいだが、まあ、水分は確保しておくに越したことはないだろう。
愛原「コーヒーも買っておくか」
パール「先生はコーヒーがお好きですね」
愛原「まあな」
上りの“ひかり”がやってくる。
“のぞみ”よりかは遅い列車だが、それでも普通車はほぼ席が埋まるほどであった。
〔東京、東京です。東京、東京です。ご乗車、ありがとうございました。……〕
私達は先頭の1号車に向かって歩いた。