報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
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 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「月曜日の夜」

2025-02-11 21:19:32 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[7月2日18時00分 天候:雨 東京都墨田区菊川2丁目 愛原家3階ダイニング]

 

 今日は夕食にステーキ肉が出て来た。
 リサはTシャツの裾を結んでヘソ出ししている。
 リサ曰く、暑いのだそうだ。
 もちろん、室内は冷房を入れている。
 私も自分自身、比較的暑がりな方だと思うし、恐らく冷房は強めに入っているのだと思う。
 しかし、リサはそれでも暑がった。
 今は人間形態ではなく、鬼形態になっている。
 これが今のところ、1番楽な姿。
 人間形態へは、『化けている』だけ。
 早く、人間形態の方が普通の状態になってもらいたいものだ。

 愛原「リサ、飯食ってる時はスマホの操作はやめとけ」
 リサ「はーい……」
 パール「先生、ビールにされます?」
 愛原「それがいい」
 リサ「わたしも」
 愛原「リサは後で、“鬼ころし”飲んでおきなさい。暴走防止の為にも」
 リサ「うへぇ……。あ、そうそう。ミキからLINEがあって、予備校の合宿に行こうって誘われてる」
 愛原「予備校の合宿ぅ?リサは難関大学受けるわけじゃないんだから、別にそこまではしなくていいんじゃないの?」
 リサ「私もそう思ったんだけど、ミキが、『このままの成績じゃ高校卒業できない~!』って泣きながらLINEしてきた」
 愛原「大学受験以前の問題じゃねーか!美樹って不良なのか?」
 リサ「いや、脳筋なだけ」
 愛原「脳筋なの?」
 リサ「秋北学院高校、女子バレー部のキャプテンだってさ」
 愛原「へえ……。でも、それだけで脳筋扱いは……。スポーツ特待生とかは?」
 リサ「ムリ!弱小バレー部だから!」
 愛原「ハッキリ言うなぁ……」
 リサ「多分、東京中央学園のバレー部より弱いよ?うちのバレー部も弱い方だけど」
 愛原「ハッキリ言うなぁ……。でも最近、活躍してるんじゃないの?去年は東京都の大会に出場できたんだろ?さすがに全国大会出場までは行けなかったけど、それでも、手が届きそうな所までは行ってたじゃん」
 リサ「わたしのおかげ」
 愛原「リサ、何かしたか?」

 リサは特定の部活動への所属が禁止されている。
 但し、助っ人として参加することはだけは許されている。
 それでも、リサが女子バレー部に助っ人として参加したという話は聞いたことがない。
 まあ、練習とかの手伝いはしたことがあるようだが。
 女子相撲部や女子レスリング部もだな。
 その縁で、教頭先生のベンツAMGを素手で持ち上げて反転させるという勝負を受けたのだ。

 リサ「先生の為にブルマ復活させたw」
 愛原「えっ?」
 リサ「バレー部も昔はブルマだったからね。見たことない?」

 今の女子バレー選手のユニフォーム、下はスパッツだ。
 学校でブルマが廃止されるのと前後して、女子バレー界でもブルマが廃止された。
 あそこで復活してくれたら、学校の方でも復活できそうな気がするのだが。

 リサ「ほら、証拠w」

 リサは手元に置いたスマホを操作して、私に画像を見せた。
 女子バレー部のユニフォームも、スクールカラーの緑色を基調としたものである。
 スパッツに関しては、学校の体操服のショートパンツと被らないよう、ピッタリしたタイプの物となっているし、体操服が無地なのに対し、バレー用はサイドに太い白いラインが1本入っている。
 それが、リサの画像に映っている女子バレー部員はスパッツではなく、ブルマを穿いていた。
 正面には2本のダーツ線が入り、サイドにはスパッツと同じ白く太いラインが1本入っている。

 愛原「お、オマエなぁ……」
 リサ「でも、ブルマに戻してから強くなったって言われた」
 愛原「そ、そうなのか!?」

 女子陸上部じゃあるまいし……。
 女子陸上選手が露出の高いユニフォームを着ているのは、0.1秒でもタイムを縮める為に、なるべく走りやすく、ユニフォームを軽量化させた結果である。
 また、走り幅跳びや走り高跳び、棒高跳びについても同じ事が言える。
 以前、フェミニストの団体がその露出の高いユニフォームをやめるよう、女子陸上界にクレームを入れたそうだが、先述した通り、実用的な理由でそういうユニフォームを着用しているということもあり、そのクレームを突っぱねたそうだ。
 その為、今でもあのユニフォームを見ることができる。
 しかし、女子バレー界の方はそこまで実用性は無かったらしく、スパッツにしてしまっている。
 あれ?だったら、ビーチバレーの選手は?今や、女子陸上ユニフォームより露出高いで?

 リサ「だからミキの学校でも、ブルマにしてやる」
 愛原「お、おい!他校にまでそれは……」
 リサ「秋北学院のスクールカラーはエンジとか赤みたい。体操服もエンジのジャージとからしくて、昔はエンジのブルマだったらしい」
 愛原「ふーん……」
 リサ「わたしの力で復活てせあげるからね、先生?」
 愛原「い、いや、その……」
 リサ「女子バレー部は赤いスパッツらしい。ということは、昔は赤いブルマだったということ。それに復活させてやる」

 リサはギラリと目を赤く光らせた。

 愛原「お、お手柔らかにしてやれよ?」
 リサ「分かってるよ。ミキのブルマ姿、先生にも見せてあげるねぇ……」

 何だろう?
 リサ本人は私の気を引く為にこんなことをしていると聞いたが、実は本人もノリノリだったりして?

 愛原「それより夏期講習合宿のことだが、ちょっとネットで調べてみたところ、8月の上旬から中旬に掛けて行う所が多いみたいだな」
 リサ「8月かぁ……。じゃあ、7月の間に夏休みの宿題終わらせないとね」
 パール「どのくらいの期間、行われるんですか?」
 愛原「それはもう、塾や予備校によってピンキリだよ。短くて2泊3日、長くて1週間くらいは泊まり込みでやるらしい」
 パール「そうなんですか」
 愛原「そして、塾によっては合宿をやらないところもある。『普段から勉強しているのだから、あえて夏休みだから、冬休みだからといって特別なことをする必要は無い』なんて教育方針の所もあるそうだ」
 パール「なるほど。正論と言えば正論に聞こえますね」
 愛原「リサがそれに当てはまるわけなんだが……」
 パール「興味はあるんだよね……」
 愛原「まあ、善場係長に相談してみるさ。因みに、美樹はどこがいいとか言ってた?」
 リサ「まだ聞いてない。後で聞いとく」
 愛原「そうしてくれ」

 私はそう言ってステーキ肉を頬張ると、ビールで流し込んだ。
コメント
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