報恩坊の怪しい偽作家!

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“私立探偵 愛原学” 「出張の準備」

2025-01-01 16:20:52 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[6月18日12時20分 天候:曇 東京都千代田区外神田 JR秋葉原駅前→秋葉原駅みどりの窓口]

 私は善場係長のコペンに乗って、秋葉原駅に向かった。
 初めて乗るオープンカーであったが、夏は暑いとのことで幌が付けられ、クーラーが点けられた。

 善場「冬はむしろオープンにしても、ヒーターを強めにすれば暖かいのですが」
 愛原「それにしても、係長がこういう車にお乗りだとは知りませんでした」

 しかもこのコペン、マニュアル車である。

 愛原「高橋と、いい勝負ができるんじゃないですか?」
 善場「どうでしょうねぇ……。ただ、高橋被告が勝負を掛けてきた時点で、私は道路交通法違反の現行犯で逮捕しますが」
 愛原「それはそう」

 私が思いっ切り納得すると、係長は仕事の話に戻った。

 善場「今回の費用についても、後ほど請求して頂ければ、精算させて頂きます。場所柄、またレンタカーを借りて向かうことになるでしょうから」
 愛原「ありがとうございます」
 善場「急な宿泊に関しましても、費用は後ほど請求してください」
 愛原「かしこまりました」
 善場「一応、BSAAにも応援を依頼しておきます。武装集団たる彼らのことですから、現地集合になるかとは思いますが」
 愛原「承知致しました」

 こうして私は、休日で賑わう秋葉原の駅前で車を降りた。
 善場係長は軽自動車ながら、マニュアル車ならではの吹かし方をして去って行ったが、もしかして、乗ろうと思えばもっと大きな車に乗れるのではないだろうか。
 私は再び蒸し暑い屋外に出されると、そこから逃げるように、同じく多くの人で賑わう秋葉原駅の中に入った。
 そして、その中にある“みどりの窓口”に並んでいると……。

 リサ「せーんせっ!」
 愛原「!」

 後ろからリサに声を掛けられた。
 振り向くと、そこにいたのはリサだけではなかった。

 淀橋「ホントだ!愛原先生だ!」
 小島「よく遠くから分かったね!?」
 レイチェル「ハンター、ですね」
 リサ「匂いで分かるんだよ!エッヘン!」(`・∀・´)
 愛原「……犬かな?」
 リサ「鬼だよ!……それより、何してるの!?」
 愛原「新幹線のキップ買ってるんだよ。明日から出張だから」
 リサ「ええっ!?じゃあ、私も行く!」
 一同「学校は!?」
 リサ「えっ?」
 愛原「お前は学校があるだろ。俺1人で行くことになったから」
 リサ「ええっ!?」

 私の順番が回ってきたので、私は窓口に向かった。

 愛原「“レール&レンタカー”で予約した者ですが……」
 駅員「かしこまりました。……」
 リサ「ここは涼しいね!」
 淀橋「なにちゃっかり涼んでるのw」
 小島「いや、それ、うちらもヒトのこと言えないからw」
 レイチェル「Gee...」

 あのコ達は、もうアキバでの用事は済んだのだろうか。
 よく見ると、ドンキの袋とか色々と持っているが……。

 駅員「……それではお会計が……」
 愛原「はい」

 私は支払いを終えた。

 淀橋「そういえば先生って、運転できるんですか?」
 愛原「できるよw」
 リサ「八丈島に行った時は、先生が運転してた」
 淀橋「あっ、これは失礼しましたw」
 愛原「1人で仕事してた時は、車も自分で運転してたものさ」

 ライトバン借りて、山奥の屋敷に行った話とか……。

 愛原「うっ……!」
 リサ「先生!?」

 突然、私の頭に激しい頭痛と眩暈が起きた。
 危うく倒れそうになったが、レイチェルとリサが支えてくれた。

 レイチェル「愛原センセイ、Are you OK?」
 愛原「あ、ああ……」

 それはすぐに治まった。
 だが、フラッシュバックも起きた。
 その時に見えた光景は……。

 愛原「今日は蒸し暑いから、軽く熱中症になったのかもな……」
 リサ「ええっ!?」
 レイチェル「No.愛原センセイ、今のふらつきは……。!」

 レイチェルが何か言い掛けたのを、小島さんが止めた。

 小島「先生、どこかで休んだ方が……」
 愛原「い、いや、大丈夫だ。ちょっと水分補給したら、帰るつもりだよ。それより、キミ達こそ、買い物はいいの?」
 淀橋「アキバでの買い物は終わりました。お昼どうするか悩んでたら、魔王様が鋭い嗅覚で駅の中に走って行ったというわけです」
 愛原「そうだったのか。錦糸町で良かったら、昼食奢るよ」
 リサ「マジ!?」
 小島「いいんですか!?」
 淀橋「どうして錦糸町?」
 愛原「いや、ここは人が多くて落ち着かないし……」
 レイチェル「それもそうですね。インバウンドも多いです」

 レイチェルは立場上は留学生であり、旅行客(インバウンド)ではない。

 淀橋「錦糸町も賑わってないですか?」
 小島「アキバよりはマシってことでしょ?奢ってもらえるんだから、錦糸町行こうよ」

 私達は改札口に向かった。
 因みに錦糸町の店に関してだが、アキバをコンパクトにした感じだと思ってもらっていい。
 例えばヨドバシカメラは錦糸町にもあるが、アキバよりはコンパクト。
 ドン・キホーテもあるが、やはりアキバよりはコンパクトである。
 また、飲食店も、チェーン店ならアキバにある店はだいたい錦糸町にもある。
 だが、混雑度で言うなら、小島さんの言う通り、錦糸町の方がまだマシだということだ。

 小島「アキバじゃ、混んでてゆっくり見れなかったお店あるじゃない?錦糸町の方がマシかもよ?」
 淀橋「でも錦糸町の方が小さいから、ある確率は落ちるよね?」
 小島「大丈夫でしょ。結構メジャーなヤツだし」

 どうやら、秋葉原で買い損ねた商品とかもあるようだ。

[同日12時53分 天候:曇 JR秋葉原駅・総武線ホーム→総武緩行線1224B電車・先頭車内]

〔まもなく、6番線に、各駅停車、津田沼行きが、参ります。危ないですから、黄色い点字ブロックまで、お下がりください。次は、浅草橋に、停車します〕

 改札の中に入り、自販機で飲み物を買って水分を補給する。
 それから、ホームに向かった。
 十字型の秋葉原駅は、最上層に中央・総武線ホームがある。

〔「6番線、ご注意ください。各駅停車の津田沼行き、到着致します」〕

 ラインカラーのカナリアイエローを巻いた電車がやってきたが、明らかに、かつて山手線で走っていた車両である。
 山手線に新型車両が入った現在、そこでの運用を離脱し、中央・総武線各駅停車の運用に移っている。

〔あきはばら~、秋葉原~。ご乗車、ありがとうございます。次は、浅草橋に、停車します〕

 ここでの乗降は多い。
 リサがいる都合で、私達は先頭車に乗り込んだ。

 リサ「先生は座って」
 愛原「あ、ああ」

 降りる乗客の方が多かったが、乗り込んでみると、そんなに混んでいなかった。
 今は千葉方面よりも、新宿方面の方が賑わっているのかもしれない。
 私の1つ隣も空いたので、そこにはリサが座った。
 案の定、リサは密着してくる。
 ホームから、発車メロディが鳴り響いた。

〔6番線の、中央・総武線、ドアが閉まります。ご注意ください。次の電車を、ご利用ください〕

 ドアチャイムと共に電車のドアが閉まる。
 中央・総武線ホームには、ホームドアが無い。
 各駅停車の車両はほぼ規格が統一されているのだが、ここには特急車両も発着することがあるので、そのせいで設置できないのだろう。
 電車はドアが閉まると、すぐに発車した。

〔次は浅草橋、浅草橋。お出口は、左側です。都営地下鉄浅草線は、お乗り換えです〕

 リサ「先生、何を奢ってくれるの?」
 愛原「何が食べたい?」
 リサ「焼肉」
 愛原「この前食ったろ?」
 リサ「ステーキ」
 愛原「重くないか?」
 リサ「全然」

 そりゃ、リサには普通の食事だろうけどさぁ……。

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