報恩坊の怪しい偽作家!

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 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「夕方の帰宅」

2024-12-26 20:32:51 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[6月17日16時20分 天候:曇 東京都墨田区菊川2丁目 都営地下鉄菊川駅→愛原学探偵事務所]

〔2番線の、電車は、各駅停車、本八幡行きです。きくかわ~、菊川~〕

 私とリサを乗せた電車は、無事に菊川駅に到着した。
 電車を降りると、すぐに発車メロディが鳴る。

〔2番線、ドアが閉まります〕

 私達が改札口に向かうまでの間、電車はホームドアと車両のドアを閉めて発車して行った。

 愛原「学校、どうだった?」
 リサ「復帰できて良かった」
 愛原「『停学女』とか、イジメられなかった?」
 リサ「全然!てか、そんなのがいたら、『授業中お漏らしの刑』か『朝礼中お漏らしの刑』か『通学中お漏らしの刑』に処すけどね」
 愛原「何でお漏らしの刑しか無いんだよw」
 リサ「んん?先生、『JKお漏らし(教室編)』『JKの朝礼中にお漏らしプレイ』『もう我慢できない……ッ!通学中にお漏らししちゃった女子校生』っていうエロ動画が……」
 愛原「また人のパソコンのパスワード勝手に解析して!!」
 リサ「てへてへ……w」

 ふざけるリサを軽く小突くと、私達は家路を急いだ。

 愛原「いずれはお前がお漏らしさせられるぞ?」
 リサ「先生になら、浣腸されてもいいかも……」
 愛原「何言ってんだw」

 それから同じ地区内にある事務所兼住宅に到着する。
 郵便受けを覗いてみたが、チラシなどが入っているだけで、郵便物は入っていなかった。
 シャッターは閉まっていたので、玄関のドアを開けて入る。
 2階の事務所は電気が点いていたので、そのまま階段を上がって事務所に向かった。
 急な階段をリサが先に昇る。
 短いスカートの中にある緑色のブルマが見え隠れした。

 リサ「ただいまー!」
 愛原「ただいまァ」
 パール「先生、リサさん、お帰りなさい」
 愛原「遅くなって悪かったな。あとは俺に任せてくれ」
 パール「ありがとうございます。例の諸経費精算書ですが、このようになりました。領収証等は書類に添付しております」
 愛原「ありがとう」

 私は自分の机に座ると、パールの書類を確認した。

 愛原「あとは私が確認しておくから、パールは上がっていいよ」
 パール「かしこまりました。私は夕食の準備をさせて頂きます」
 愛原「ああ、宜しく頼む」
 リサ「パールさん、ゆうパックは来た?」
 パール「ゆうパックですか?まだ来てないですねぇ……」
 リサ「そうかぁ……」
 愛原「夕方に出したんだから、夕方以降に届くんじゃないのか?」
 リサ「そうかぁ……」
 パール「それでは、私はこれで失礼致します」
 愛原「ああ。お疲れー」
 リサ「先生、わたしがコーヒー淹れてあげる!」
 愛原「ありがとう。……変な物入れるなよ?」
 リサ「ギクッ!」
 愛原「何だよ、『ギクッ』って!」
 リサ「何でもないっス!隊長!」
 愛原「誰が隊長だ!」

 私は自分のパソコンを立ち上げると、事務作業を開始した。
 給湯室からは、ネスカフェ・バリスタを淹れる音が聞こえてくる。
 3階のダイニングにあるのは普通のドリップコーヒーメーカーだが、こちらにあるのはネスカフェ・バリスタ。
 急な来客でも、美味しいコーヒーが出せるようにと導入した。
 今ではあれで抹茶ラテまで淹れられるのだから凄い。

 リサ「はい、コーヒー!」
 愛原「ありがとう」

 私はコーヒーの皿に載せられたスティックシュガーを入れようとした。

 寄生虫「オイ、キタロー!」
 愛原「……おい、リサ」
 リサ「な、なぁに?先生……」
 愛原「この、目玉の付いたサナダムシみたいなのは何だ?ああ!?」
 リサ「う、ウィンナーコーヒーだよ」
 愛原「ウソつけぇ!やり直し!!」
 リサ「チッ、もう少しでわたしの配下になるところだったのに……」
 愛原「誰が配下だ、このやろ!!」
 リサ「うーむ……。わたしに楯突いたアホギャルは引っ掛かったのに……」

 リサの寄生虫は撲滅したと思っていたのだが、また復活しやがった。
 この場合、逆に電撃とかが使えなくなっていることがある。
 とはいえ、電撃を出せるかどうか確認はしたくなかった。
 私が感電してしまう。

 リサ「こ、今度は大丈夫だよ」
 愛原「天丼すんじゃねーぞ」
 リサ「はーい」

 試しにスプーンを入れてかき混ぜてみたり、掬ってみたりしたが、寄生虫の類が出てくることはなかった。

 愛原「卵チェック」

 とはいえ、寄生虫の卵までは、なかなか目視では確認しにくいので。
 私はBSAAのアプリを使ってスキャンしてみた。
 すると、『検出されず』と出た。
 どうやら、今度は本当にちゃんと淹れたらしい。

 愛原「オッケーだ」
 リサ「天丼はしないよー」
 愛原「そうか?」
 リサ「天丼よりも牛丼とかつ丼が好き」
 愛原「今日の夕飯は、丼じゃなくて、定食だと思うぞ?今しがた、パールが買い出しに行ったようだ」
 リサ「また肉だといいなぁ……」
 愛原「俺的には、そろそろ魚食いたいよ」
 リサ「それもそうか」

[同日17時00分 天候:雨 愛原学探偵事務所2階]

 私がコーヒーを飲みながら事務作業をやっていると、インターホンが鳴った。

 愛原「あっ、誰か来た」
 リサ「はーい!」

 リサが出た。

 配達員「こんにちはー!郵便局のゆうパックですー!着払いのお荷物です!」
 リサ「おー、やっと来たー!取りに行って来るね!」
 愛原「ああ。着払いだから、お金持ってけ!」

 リサはハンコと現金を持って、階段を駆け下りて行った。
 それから、少しして戻って来る

 愛原「確かに金棒が入っていそうだ」

 細長い長方形のダンボール箱が届いた。
 リサが早速開けてみると……。

 リサ「本当に金棒だ!」

 

 愛原「マジか……」

 リサは早速、金棒を手に取ってみた。

 リサ「重ッ!さすがは本物の鬼が持つ金棒は重いねぇ……」
 愛原「人間形態だからじゃないのか?鬼形態になったらどうだ?」
 リサ「それもそうか」

 リサは変化を解いて、鬼の姿に戻った。
 頭から2本角が生え、両耳は尖り、爪も長く鋭くなる。
 牙は人間形態でも隠せず、生えたままである。

 リサ「おおっ!ちょうどいい重さ!わたしの電撃を込めて、電気金棒の出来上がり!」
 愛原「チートアイテムだな。まあ、敵のクリーチャーやBOWが攻めて来たら、応戦よろしく」
 リサ「りょーかい!」

 そのまんま、『鬼に金棒』だな。

 愛原「美樹に届いたって連絡しとけよ。ちゃんと御礼も言っておくんだ」
 リサ「分かったー!」

 リサは一旦金棒を置くと、自分のスマホに手を伸ばした。

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