報恩坊の怪しい偽作家!

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“私立探偵 愛原学” 「出張の準備」 2

2025-01-01 20:23:57 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[6月18日12時59分 天候:曇 東京都墨田区江東橋 JR錦糸町駅→デニーズ錦糸町駅前店]

 

〔きんしちょう、錦糸町。ご乗車、ありがとうございます。次は、亀戸に、停車します〕

 私達を乗せた総武線各駅停車は、錦糸町駅に到着した。
 ここで電車を降りる。

 愛原「ファミレスでいいかな?」
 淀橋「いいと思います」
 愛原「すると、南口だな……」
 小島「南口だと、ヨドバシがあるか……」
 淀橋「ヨドバシならここにいるけど?」
 小島「いや、違うw そうじゃないw」

 南口の改札口を出て、駅の外に出る。
 錦糸町に戻って来るくらいなら、最初からここでも良かったな。
 ここにも“みどりの窓口”はある。

 リサ「先生、大丈夫なの?頭……」
 愛原「ああ、大丈夫だよ」
 リサ「この前、手術したのに……。その後遺症?」
 愛原「いや、そんなことは無いと思うけど……」

 後遺症か……。
 まさかとは思うがな。
 しかし、あの症状は頭の中に入っていたチップを取り出す前とそっくりだ。
 ただ、フラッシュバックの内容が変わっていたな……。
 まさか、また別のチップが入ってるとか?
 いや、そんなことはない。
 もしそうなら検査で見つかっているし、そこをすり抜けたとしても、手術の時に見つかっているはずだ。
 とはいうものの、一応、善場係長に後で報告しておこう。
 歩道橋を渡って国道14号線を渡り、商業ビルに向かう。
 そこにデニーズがあるので、そこに入って昼食を取ることにした。

 リサ「ステーキがあるねぇ……!」
 淀橋「リサ、さすがに今日は先生の奢りなんだから遠慮した方がいいよ」
 小島「昼デニセットから選べばいいんだよ」
 愛原「確かにハンバーグはあるな。ま、遠慮しないで好きなの頼んでいいよ。まあ、俺は昼デニセットのてりたまチーズハンバーグのセットするけど」
 淀橋「はい、先生基準」
 リサ「じゃあ、わたしもハンバーグにしとく」
 小島「私はパスタで」
 レイチェル「ハンバーグランチの中から選んでいいですか?」
 愛原「構わんよ。好きなの頼んで」

 秋葉原駅で変な頭の症状は出たが、それ以降は特に出ることもなく、食欲が落ちることもなかった。

[同日14時00分 天候:曇 デニーズ錦糸町駅前店→錦糸町駅前バス停]

 昼食が終わって会計を済ませる。
 今日はカードで払った。
 これなら、後でポイントが付く。
 付いたポイントは、後で有効活用させて頂くとしよう。
 私はこのまま帰るつもりだった。
 恐らくリサ達は、今度は買い物や遊ぶ場所を錦糸町に移して続行するものだと思っていたが……。

 愛原「えっ、リサも帰るのか?」
 リサ「うん、何か先生が心配だから」
 愛原「アキバのことは何かの間違いだよ。軽い熱中症みたいなものだったんだろう。水分や塩分も補給したし、あれから何の症状も出てないから大丈夫だと思うよ」
 リサ「でも……本当は病院に行った方がいいと思う。頭の事だから」
 愛原「そう言われると……」
 小島「私達のことなら、心配しなくていいよ。ちょっとヨドバシで買い損ねた物があるだけだから」
 淀橋「あと、ドンキね」
 小島「買う物は決まってるから、それが終わったら私達も帰りますよ。空模様も怪しいし」

 確かに、空は午前中よりも更に暑い雲が出て来た。
 天気予報によると、夕方から雨が降るらしい。
 しかし、この曇り方からして、予報よりも早めに降ってくるのではないだろうか。
 そんな気がした。

 淀橋「レイチェルはどうする?」
 レイチェル「それなら私も、リサ達に同行します。確か、バスで途中の駅まで行けたはずです」
 愛原「そうだな。俺はこれから築地駅行きのバスに乗るが、築地駅からなら日比谷線に乗り換えできる」
 リサ「じゃ、決まりだね。それじゃ、ヨドバシとコジマ、また明日」
 淀橋「うん。それじゃ」
 小島「また明日」
 レイチェル「See you!」

 私はリサやレイチェルと共に横断歩道を渡り、バス停に向かった。

 愛原「本当にいいのか?せっかくの日曜日なのに。ヘタすりゃ、来週も休みは日曜日だけになるというのにだぞ?」
 リサ「わたしはもう欲しい物はアキバで買っちゃったし」
 レイチェル「私もです。それに、今回はリサの監視が目的です」
 愛原「なるほど。まあ、そこまで言うのなら……」

[同日14時19分 天候:曇 錦糸町駅前バス停→都営バス錦11系統車内]

 菊川方面に向かうバスに乗り込む。
 今度はこのバス停が始発の為、やってきたバスに先客が乗っていることは無かった。
 乗り込んで1番後ろの席に座る。

 愛原「レイチェルは終点まで乗って行けばいいよ」
 レイチェル「そうします」
 リサ「先生、頭痛は?」
 愛原「だから無いって」
 リサ「そう……」

 とは言ったが、バスを待っている間、善場係長にはメールで報告した。
 だが、日曜日ということもあり、今のところまだ返信は来ない。
 そうしているうちに発車の時間になり、バスは前扉を閉めて発車した。

〔発車致します。お掴まり下さい〕
〔ピンポーン♪ 毎度、都営バスをご利用頂き、ありがとうございます。このバスは、浜町中の橋、八丁堀二丁目経由、築地駅前行きでございます。次は錦糸堀、錦糸堀でございます。警備会社の全日警、東京中央支社へは菊川一丁目でお降りになると便利です。次は、錦糸堀でございます〕

 愛原「……BSAAはどうなんだ?」
 レイチェル「Huh?どうとは?」
 愛原「いや、偽情報に踊らされて混乱しただろう?もう収束したのか?」
 レイチェル「問題無いですよ。センセイ達の疑いは晴れました」
 愛原「そうか……」

 いや、そうじゃなく、偽情報を掴んで混乱させた者の責任問題とか、今後の対策は大丈夫なのか聞きたかったのだが、多分教えてくれないだろうと思い、これ以上の質問はやめた。

 愛原「明日、俺の出張先でBSAAが護衛に当たってくれるという話は?」
 レイチェル「……聞いてはいますが、私は呼ばれていません。まあ、私もリサと同様、学校があるからでしょうね」

 か、もしくは訓練兵を訓練目的で連れて行けるほど簡単な現場ではないかもしれないってこともあり得る。

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