伊藤とし子のひとりごと

佐倉市議会議員4期目
議会、市民ネットワーク千葉県、さくら・市民ネットワークの活動あれこれ、お知らせします

議会質問から「いじめ・体罰から子どもの人権を守る取り組みについて」

2013-03-08 11:14:19 | 議会
やっと議会質問が終わった。
今議会は議会質問と予算委員と総務常任委員会とフル出場予定。
プラス神田かおりさんの「チェルノブイリの祈り」の成功に向けて動いていたため、ブログをご無沙汰していた。

さて、議会質問は人権というテーマで政策提案を中心に構成した。
答弁はまだ入れていないが、すんなりと決まるわけはないので、検討か研究かできませんかのいずれかです。

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1.いじめ、体罰等から子どもの人権を守る取り組みについて
 スウェーデンでは33年前、1979年に子どもへのあらゆる暴力、精神的虐待を禁止する法律を制定しました。
その中で「子どもは世話と、安全と、質の良いしつけを享受する権利を有する。
子どもはその人格と個性を尊重しながら扱われなければならず、体罰にも、その他のいかなる屈辱的な扱いにも、遭わされてはならない」と謳っています。
学校で「生徒をたたく」以外に秩序を保つ方法を知らなかった当時は70%の人がその法律に反対しましたが、今日では10%が反対しているにすぎません。
法律制定から約30年の間に、体罰をする習慣と体罰を認める意識をなくすことに成功しました。
そして、多くの国がスウェーデンにならい、現在31か国で虐待を禁止する法律が制定されています。
 日本では学校での体罰は学校基本法で禁止されています。
しかし、家庭での体罰を禁止する法律はなく、民法では親の懲戒権を認めているので、家庭での体罰、虐待が起こりやすいと考えられています。
自分の思い通りにならないと怒りやストレスが生じます。
たたいた後はそんな自分に嫌悪感を抱きます。
それが子どもを嫌がる事へとつながっていきます。これが虐待への入り口となり、一般の家庭でも起こっています。
子どもが悪いことをしたとき、なぜ悪いのかということを、根気強く子どもに説明することが「しつけ」です。
昨今、いじめ問題による中学生の自殺、部活での教師の体罰による高校生の自殺と痛ましい事件が後を絶ちません。
子どもの人権を認めない社会からは暴力の連鎖は断ち切れません。

① いじめ、体罰等の相談支援体制について
 文部科学省の集計によると平成23年度のいじめ認知件数は約7万件もあるということです。
佐倉市の全校調査結果について、月例報告をもとに把握しているということですが、昨年度と1月現在までの件数について伺います。

教育長 23年度 131件、24年度1月までで138件

 増加していますが、どのように分析していますか。

教育長 2割増加しているが、本人、家族からの届けが増えた。
 社会問題として取り上げられている。


 特に対処が困難なケースについては指導主事が直接学校訪問を行い、実態把握や分析を行い解消に向け取り組んでいるということですが、現在進行中の件数はどれくらいありますか。

教育長 3件

 体罰については今のところ報告がないということで、現在児童、生徒にアンケートをとっているということですが、いじめや体罰についての相談体制について伺います。

 スクールソーシャルワーカーについてです。
スクールソーシャルワーカーは社会福祉の専門的知識、技術を活用し、問題を抱えた児童生徒を取り巻く環境に働きかけ、家庭、学校、地域の関係機関をつなぎ、児童生徒の悩みや抱えている問題の解決に向けて支援する専門家です。
学校では担任、養護教諭、児童・生徒指導、スクールカウンセラーとともに連携しながら問題解決に取り組んでいきます。
平成20年度より文科省がスクールソーシャルワーカー活用事業を推進していますが、県により取り組みはまちまちで、千葉県は遅れていて3人しか配置されていません。
大阪の寝屋川市は先進的な取り組みで有名で、不登校対策でも成果を上げています。
国も予算を増やして取り組んでいくという事ですが、佐倉市としても積極的な活用を図っていただきたいと思います。
ご見解を伺います。

教育長 印旛管内に一人配置されているが、一度も相談していない。

(積極的な取り組みを要望。)

② 人権教育としてCAPの導入について
 CAPは米国発祥の子どもへの暴力防止プログラムです。
子どもたちがいじめ、痴漢、誘拐、虐待、性暴力といった様々な暴力から、自分の大切な心や体を守るため何ができるかを教え、自尊心を育む人権教育プログラムです。
人間には安心、自信、自由の3つの権利があること。
その権利を奪われそうになったとき、やめてと自分の意思を表明し、逃げる、誰かに相談することが大事であること。
子どもの力を最大限に引出し、自分で判断して危険から逃れるにはどうしたらいいかをロールプレイで行います。
そして、終わってからトークタイムとして相談を受け付けます。
 小学1,2年生の子たちが不審者に声をかけられ、自分たちの判断で逃げてそれを大人にすぐに報告した、という報告があります。
子どもたちの報告を受けた大人は、そのことをたくさんほめたそうです。
子どもたちにきちんと向き合い、相手の言葉を受け止める方法は保護者、教職員へのプログラムで行いますが、人間関係を築く上でとても大事なことをCAPを通して大人も学んだ、と報告されていました。
 また、大人ワークショップを受けた感想では、
「自分が小学生の時にこのCAPを受けられたらよかったのに、と思いました。
恐い思いをしても親に告げられず、苦しみました。
たぶん、当時親に相談しても、親も適切な対処法や知識がなかったと思います。」
とありましたが、長年心の傷が癒されずにいたことが伝わってきます。
 昨年5月に北総教育事務所主催の人権担当の先生方の研修でCAP教職員ワークショップが行なわれました。
その中の感想では、
「深刻な被害に遭っている子どもにとって、CAPは大変有効な手段であると思った。
CAPプログラムを予算化して、どの学校にも入れるべきだと思います。
学校〔教師〕だけでDVや児童虐待を発見し解決することはなかなか難しいです。」とあります。
 予算が100万円あれば千人から2千人の子どもたちがワークショップを受けることができます。
子どもが自尊心を育むCAPの導入について、ご見解を伺います。

(教育長からは、できない理由が縷々答弁でのべられた。)

 兵庫県芦屋市、東京都品川区では教育委員会として取り組んでいます。
品川区では平成17年頃から始まり、全小学校5年生とその保護者、教職員がプログラムを受けています。
その成果を受けて来年度からは中学校で試験的に始めるそうです。
 佐倉市のめざす「選ばれるまちづくり」にも子どもの人権教育としてCAPプログラムを取り入れることは、ピッタリではないでしょうか。再度の検討を求めます。

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子どもの人権を守るという事は、子どもの人権を認めることから始まる。
しかし言葉でいう事は簡単でも、なかなかそれを実践することは難しい。
CAP保護者ワークショップ、教職員ワークショップではそれを実際にロールプレイでやってみる。

私も平成21年8月議会で初めてCAPを取り上げたとき、議場で実際に襲われた時発する叫び声を実演したことがあった。
今回も、周りからは再演を期待されていたが、躊躇してしまった。
残念!!
子どもの自尊心をはぐくむCAPプログラムが芦屋市と品川区の教育委員会で実際に取り入れられていたことは、心強い。

2/28 毎日新聞「記者の目:部活動の体罰=林田七恵(大阪社会部)」
http://mainichi.jp/select/news/20130228ddm004070141000c.html


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