とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

「半沢直樹」の最終回視聴率は、40%超え

2013-09-25 23:12:47 | ドラマ
22日夜に放送されたドラマ「半沢直樹」最終回の平均視聴率が関東地区で42.2%、関西地区で45.5%だったそうだ。最終回は40%超えが予想されていたが、当然のごとくクリアしたのだから凄いものだ。初回からは、見ていなかったのだが、反響の凄さから中盤から見るようになり、最終回もしっかり見てしまった。

後半の大和田常務(香川照之)に「100倍返し」をして、土下座を迫るシーンはかなり迫力があった。半沢直樹(堺雅人)の眼光の鋭さと、大和田常務(香川照之)がヒクヒク体を震わせながら土下座していく状況は、まさに息を飲むシーンだ。この二人の役者の迫真の演技は、このドラマがヒットした最大の要因だろう。そして、悪役はとにかく憎らしいほど悪い奴らで、半沢がその仕打ちを「倍返し」で返す様が爽快なことから多くの男性に受けたという。先日の同窓会でも、男性陣はみんな見ていたようで、このドラマの話で盛り上がっていたし、現役銀行員の同級生は、共感する内容が多いと言っていた。

このドラマは、池井戸潤の「オレたちバブル入行組」「オレたち花のバブル組」が原作である。池井戸潤は、「空飛ぶタイヤ」「下町ロケット」など読み応えのある作品が多く、好きな作家ではあったが、「オレたちバブル入行組」「オレたち花のバブル組」というタイトルが軽めの小説のように思えて、読んでなかった。「ロスジェネの逆襲」はドラマが始まる前に読んでいたのだが、半沢直樹シリーズの3作目とは思ってもみなかった。ここまでヒットする作品と判っていれば、シリーズ第1作から読んでおけばよかったと今思っている。

さて、ドラマの最終回では、今までの功績とは裏腹に半沢は、中野渡頭取(北大路欣也)から子会社である東京セントラル証券への出向を言い渡されて終わる。一見すると左遷としか思えない人事だが、これは次に繋がる伏線だ。間違いなく続編が作られるであろう。原作も第3作の「ロスジェネの逆襲」に続いている。そして、第4作も現在雑誌に連載中というから、このシリーズは当分続くこと間違いなしだ。

半沢直樹が、何故子会社への出向を言い渡されたかについては、いろんな憶測が飛び交っているそうだ。悪い風にとらえると、出る杭は打たれるという考え方と、上司に対する土下座強要などの振る舞いに問題があるという指摘。いいようにとらえると、半沢直樹を出世させて出向させることで頭取のお目付け役としての目的を与えているという指摘がある。はたしてどれが真相かは、次回シリーズで明らかになるのではないかと思っている。

話は変わるが、今日の「あまちゃん」では、ついに鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)が「潮騒のメモリー」を歌った。音痴でどうしようもないという設定だったが、さすが大女優と思わせる歌声でホッとした。やっぱり、薬師丸ひろ子の声はいい。最終回間近になって、彼女の生歌を聞けたのが一番良かった。

“あまロス”にならないか心配

2013-09-18 22:00:19 | ドラマ
NHK朝の連ドラ『あまちゃん』が、いよいよ来週末で最終回を迎える。ずっと朝ドラを見続けてきてはいるが、『あまちゃん』ほど嵌った朝ドラはない。このところ、ツイッターや週刊誌上では、ドラマ終了後を不安視する視聴者の声が殺到しているそうだ。『あまちゃん』を毎朝見る楽しみがなくなった時の喪失感を“あまちゃんロス症候群”と呼び、略して“あまロス”とか、「あまちゃん後ストレス障害」(Post Ama-Chan Stress Disorder)で、略して「PASD」と呼び、これらの言葉が巷では飛び交っているらしい。

そんな言葉があるとは思ってもいなかったが、そんな話を聞いたら自分もそんな喪失感に陥りそうな気がする。いろんな人の『あまちゃん』の視聴状況を聞くと、結構1日2回は見ている人が多いようだ。ある大学の教授は、朝8時の放送を見て、夜に夫婦で録画を再び見るというが、私もほぼ同じ状況だ。驚いた時には「じぇじぇじぇ」と声が出てしまうし、鼻歌は「潮騒のメモリー」や「地元に帰ろう」のフレーズがやたらに出てきてしまう。

そんな状況の中、来週末の最終回を迎えたら、どんな気分になるか大いに心配になってきた。しかも次の朝ドラのヒロインは、『妖怪人間ベム』で妖怪、『×××HOLiC』で魔女を演じた杏である。個性的で演技力がある女優ではあるが、アキを演じた能年玲奈とは全く違うキャラクターである。どうしても『あまちゃん』と比べてしまい、物足りなさを感じてしまう気がする。“あまロス”になって落ち込まないよう、気持ちを切り替えねばと思っている。

またまた「あまちゃん」の話題

2013-07-19 20:33:17 | ドラマ

    (NHK 公式HPより)

今日の放送では、80年代に大人気だった「ザ・ベストテン」をそっくり真似たシーンが一番の見どころだった。
アキの母親・春子の回想シーンで登場するシーンだが、鈴鹿ひろ美のデビュー曲「潮騒のメモリー」が
歌番組のヒットチャート第1位になったという設定の場面だ。
「ザ・ベストテン」では、久米宏と黒柳徹子が司会だったが、
その二人をそっくりそのまま真似た糸井重里と清水ミチコが司会者役である。
もう清水ミチコなんか黒柳徹子と全く同じ玉ねぎ頭である。
また、2位以下の曲名と歌手名も、誰かのパロディなのかなと気になった。

以前の「大改造!!劇的ビフォーアフター」のパロディと全く同じパターンだが、もうテレビを見ながらニヤニヤと笑いが出てしまう。
しかも、曲名の出方も「ザ・ベストテン」と同じように、曲名がペラペラと回転して止まる。
あの番組のファンだった者にとっては、懐かしくもあり楽しい場面だった。
このドラマ、細部まで細かく伏線が貼ってあり、突っ込みどころ満載なのが本当に面白い。
最近どの週刊誌にも、かならず「あまちゃん」の特集が組まれているほどだ。

それにしても、今回明かされた重大な秘密には驚いた。
鈴鹿ひろ美のデビュー曲「潮騒のメモリー」を歌っていたのは、アキの母親・春子だったというのは、予想もしない展開だった。
これこそ、最大の「じぇ!じぇ!じぇ!」だ。
しかも、鈴鹿ひろ美があれほどまでに音痴だったという設定にも笑える。
そして、春子こと小泉今日子の歌う「潮騒のメモリー」がますますいい歌に思えてきた。
やっぱりキョンキョンの「潮騒のメモリー」は最高だ。

「あまちゃん」の劇中に登場する、80年代のヒット曲を集めたアルバム「春子の部屋~あまちゃん80’s HITS」が
8月に発売されるそうだが、残念ながら「潮騒のメモリー」は入っていない。
やはり、テーマソングをはじめ、「潮騒のメモリー」の潮騒のメモリーズ版とキョンキョン版や
アメ女「暦の上ではディセンバー」などの劇中のオリジナル曲を収録したCDをぜひとも発売してほしいものだ。

さすが、クドカンこと宮藤官九郎の脚本は冴えに冴えている。
これから9月末の最終回に向けて、ますます目が離せないドラマになってきた。

『ダブルフェイス 潜入捜査編&偽装警察編』

2013-01-30 22:51:16 | ドラマ


TBS・WOWOWの共同制作で2局同時期に放送されたスペシャルドラマ『ダブルフェイス』をやっと見ることができた。
このドラマは、2002年公開の香港映画『インファナル・アフェア』のリメイク作品である。
ずっと前から録画してあったのだが、なかなか見る時間がなく、見だしたらドキドキする展開に目が離せなくなり一気に見てしまった。
TBS版『潜入捜査編』(主演・西島秀俊)とWOWOW版『偽装警察編』(主演・香川照之)の2作品で完結だ。
キャッチコピーは「ヤクザの幹部、実は潜入捜査官。」、「エリート警察官、実はヤクザの潜入員。」である。

<ストーリー>
「潜入捜査編」
森屋純は、暴力団織田組に長年潜入捜査をしている神奈川県警の捜査官。そのことを知るのは、直属の上司・小野寺警視正のみ。森屋はヤクザと警官という二重生活に苦しみ、任を解かれる事を切望していたが、小野寺は組を壊滅させられればと約束する。森屋は麻薬取引の情報を漏洩させるが、県警内部にも組長の織田が高山亮介を刑事として潜入させており情報戦が展開される。結果、麻薬取引はつぶすが、組員は証拠不十分で全員釈放され、両者痛み分けになった。このことで双方の内部に犬(内通者)の存在が明らかになった。 小野寺は森屋に、織田は高山に犬の正体を探らせる。 森屋は知り合った精神科医の西田奈緒子に自分の身分を明かし、元に戻ったら乾杯しようと約束するが…。 森屋は織田の決定的な犯罪証拠を掴み、あるビルの屋上で小野寺と密会するが、そのことを察知した高山が組に伝え、組員たちが差し向けられた。森屋に絶体絶命の危機が訪れる。

「偽装警察編 」
少年の頃に織田大成に拾われ、ヤクザの身でありながら刑事になった高山は、小野寺警視正の殉職後、織田から新たな命令を受ける。それは厚生労働省の代議士の娘・末永万里に接近し関係を持つことだった。偶然もあって万里と同居を開始した高山だったが、織田からはさらに万里を薬漬けにするよう命令される。高山もヤクザと警官の二重生活に揺れていたが、父親に抗う生き方をする万里と接した高山はある決断をする。 小野寺の遺品のパソコンや携帯電話が高山に預けられた。潜入捜査官の情報が入ったパソコンだったが、高山はパスワードがわからずログインできない。 一方、小野寺と弟分のヒロシを亡くした森屋は、奈緒子にも連絡を取らず抜け殻のような日々を過ごしていたが、ある日小野寺からの電話を受ける。それは高山がかけたものだった。高山は小野寺の後継者として森屋と手を組み、織田に罠をかけるが-。

<キャスト>
•森屋 純(織田組幹部、裏の顔は神奈川県警潜入捜査官) - 西島秀俊
•高山 亮介(神奈川県警警部、裏の顔は織田組の潜入員) - 香川照之
•織田 大成(織田組組長) - 小日向文世
•麗子(織田の妻) - 伊藤かずえ
•ヒロシ(森屋の弟分) - 伊藤淳史/偽装警察編は回想のみ
•小野寺 力(警視正) - 角野卓造/偽装警察編は回想のみ
•菅原(警備部部長) - 平田満
•岡崎(組織犯罪対策課刑事) - 堀部圭亮
•堺 俊彦(情報解析係刑事) - 高橋光臣
•西田 奈緒子(精神科医) - 和久井映見
•末永 万里(代議士の娘、フリーター) - 蒼井優/偽装警察編のみ

「潜入捜査編」では、警察の潜入捜査官として暴力団組織の中で生きる森屋純(西島英俊)が主人公で、森屋と弟分のヒロシ(伊藤淳史)との友情を中心に描かれている。「偽装警察編 」では、エリート警察官でありながら、裏の顔は暴力団の構成員という高山亮介(香川照之)が主人公で、高山と有力政治家の娘(蒼井優)とのふれあいが見どころである。どちらも、身分を隠してそれぞれの組織に属しているので、いつその正体が見破られないかという不安で精神的に追い詰められている状況が、ドラマの中ではひしひしと伝わってくる。いろんな場面でちらっと出てくる仕草や小道具が様々な伏線として後の展開につながっているのが面白く、うまく作られたドラマだなあと感心した。

とにかく、西島英俊と香川照之という二人の素晴らしい俳優の丁々発止のやり取りと息づまる対決シーンには目が離せなかった。それぞれ1時間半もあるドラマだが、どうなっていくのか気になってついつい最後まで見てしまった。結局、ハッピーエンドで終わるはずもなく、全編にわたる冷たく寂しい空気感と登場人物たちの孤独感が増幅されて終わる。原作映画「インファナル・アフェア」には「無間道」(一度踏み入れたが最後、二度と抜け出せず苦しみを繰り返す地獄)というタイトルが付いており、この物語の全てを表しているといえる。ラストの落ちていくエレベーターの映像は、「無間道」を表すかのように、登場人物たちの生末を暗示しているようだった。とにかく、凄いドラマだったというしかない。

WOWOW連続ドラマW「プラチナタウン」

2012-08-23 23:31:56 | ドラマ


WOWOWで19日から連続ドラマW「プラチナタウン」がスタートした。
ドラマは楡周平の小説「プラチナタウン」が原作である。
高齢化社会と地方の過疎化をテーマとした作品で、
エリート商社マンが財政危機となった故郷の町長に転身、奮闘する話だ。

第1回では、無投票当選で町長になった主人公が議会で演説するところで終わった。
今後の展開では、議会とのぶつかりあいがさらに厳しさを増しそうな雰囲気である。
前途多難なスタートを主人公がどんなふうに乗り越えていくのか興味津々だ。
放送回数は、全5回だが主人公がどんな町に再建して行くのか大いに楽しみである。

主演は、商社マンから町長に立候補した山崎鉄郎をドラマW初出演の大泉洋が演じる。
他には、WOWOWではお馴染みの檀れい、渡部篤郎、柄本明、石橋蓮司、谷村美月らが出演している。

WOWOW連続ドラマW「マグマ」

2012-07-10 22:47:43 | ドラマ


《解説》 WOWOWより
3.11東日本大震災以降、日本のエネルギーのあり方は変貌した。以降、大きな期待とともに注目されているのが“自然エネルギー”。中でも地球の中心にあるマグマの熱を利用する 「地熱発電」は、安全性が高く二酸化炭素の排出も少ない。日本は地熱資源量世界第3位にも関わらず、充分に活用できていないのが現状だ。そんな地熱発電は、今後のエネルギー問題を大きく解決しうるひとつの手段として期待が寄せられている。未来を担うエネルギーを開発しようと地熱発電に魂を懸ける人々を軸に、彼らの情熱に打たれ葛藤する外資系ファンドのエリート女性社員、さらには権益を狙うファンド社長や政治家らのスリリングな人間模様を描いたのが、連続ドラマW「マグマ」だ。原作は「ハゲタカ」を大ヒットさせた真山仁。主演には、NHK連続テレビ小説「カーネーション」の好演が話題となったばかりの尾野真千子を迎える。停滞する日本の中、未来への夢に挑む人々の熱い思いが湧き上がる!

《あらすじ》 WOWOWより
外資系ファンドに勤める妙子(尾野真千子)は、社長の待田(津田寛治)に、買収したばかりの不振企業の再建を任される。その企業は、地熱エネルギーを供給・開発している「日本地熱開発」という地方の小さな会社だった。左遷ではないかと不満に思いながらも、事業を立て直すべく乗り込んだ妙子は、現社長の安藤(谷原章介)に経営状況を厳しく追及。社員リストラと赤字部門閉鎖による合理化を発表し、長年研究に命を燃やしてきた所長の御室(長塚京三)らの猛反発を受ける。収益性を確保し、企業を立て直すという信念のもと突き進む妙子。しかしやがて「日本の未来を担うエネルギーを開発する」という御室らの思いと、地熱発電の可能性を知るにつれ、自分の果たす役割を見つめ直すようになる。そんな中、日本地熱開発の前には、利権を狙うやり手政治家の龍崎(石黒賢)や、原子力発電を推進する大学教授・宇田川(大杉漣)らが立ちふさがる。


毎回良質な作品を放送しているWOWOWの連続ドラマシリーズの「マグマ」が先日最終回を迎えた。原作は、既に2006年に出版されているという事で、まさに時代の先端を行っていた作品であり、今回のドラマ化は、まさにピッタリのタイムリーな作品となった。プロデューサーは「東日本大震災後、電気はあって当たり前のものではなくなった。どのエネルギーを選ぶのか、視聴者に選択肢を広げて欲しいという思いでつくった」という。リアリティーを重視する上で、震災前に書かれた原作を、現状に合わせて書き直した部分もあったという。ドラマ中では、原子力発電を推進する大学教授がやけに嫌なイメージに描かれていたり、原発再稼動に疑問を呈するような台詞が出てきたりして、ここまでやっていいのと思うくらいの演出だった。もちろん、これを批判するつもりはない。地上波放送では、スポンサーのご意向で内容が捻じ曲げられるドラマが多い中、さすがWOWOWは違うぞと思わせる意欲的な作品に仕上がっていたと思う。

このドラマを見て、改めて日本のエネルギーをどうやって確保したらいいかというテーマを真剣に考えなくてはならないと思った。火力、水力、原子力を中心とした現状の発電以外に、太陽光や風力、地熱といった自然エネルギーがどれぐらい代替できるか大いに議論、研究を進めていかなければならない。このドラマでは地熱発電が取り上げられ、いままで日の目を見なかった古くて新しいエネルギーを見直す機会になったともいえる。

いまの所、再生可能エネルギーとしては太陽光や風力が脚光を浴びているが、火山大国日本は地熱資源量で世界三位であるという。この地熱という隠れたエネルギーは、高い安全性を誇り、環境にも優しく実用化されれば最も安定した電力を得ることが出来るという事も初めて知った。それなのに、何故今まで地熱発電が普及しなかったかというと「電力会社が原発という神の火を手に入れ、後戻りできなくなったこと」そして「有力な地熱エリアが国立公園内にあることと温泉街との利害関係という二つの大きな障害が大型地熱発電所建設を阻んでいる」と原作では解説している。結局は「環境省、温泉組合、電力会社」が地熱発電を阻害している三悪であるというのである。ドラマでは、こういった諸々の問題を乗り越え、高温岩体発電という世界初の地熱発電の方法でタービンを回すことが出来たところで終わる。恋愛みたいな話は一切なくリアルで社会性のある骨太なドラマであった。

主演はNHKテレビ小説「カーネーション」の尾野真千子。最近いろんなドラマで見かけるようになったが、このドラマでは地熱発電に夢をかける技術者の熱意にうたれ会社を立て直そうとする熱き女性社長を演じている。キャリアがある女優さんだけに、感情を抑えたいい演技であった。その他の出演者も、WOWOWではお馴染みの長塚京三、石黒賢、大杉漣などの個性的な俳優が揃っている。また、他のドラマでは気障な役が多い谷原章介が、やけに真面目でカッコいい青年実業家で登場しているのも注目だ。そして、ちょい役だがこれまたWOWOWではお馴染みの上川隆也が友情出演しているのも面白い。まったく美味しい役で、ほんの数カットの登場であった。

おまけとして、通常の地熱発電と高温岩体発電の違いをWOWOWのHPから転載する。これで、地熱発電とはどんなものかがわかるであろう。



水力発電は、水が流れる落差で、水車と繋がっている発電機を回す。火力や原発は、水を蒸気にして、その勢いでタービンと繋がっている発電機を回す。つまり、水を沸騰させるコンロの役割をするのが火力なのか原子力なのかという違い。
地熱発電の場合は、地球の中にある天然のコンロ(=マグマ)を使う。地下にはマグマによって高温になった地下水が溜まっている。そこに、深い井戸を掘ってパイプを通してやると、地下から熱水が噴き上がって、地表に出た時には蒸気になる。地熱発電は、その水蒸気でタービンを回して電気を起こす。
ドラマの中に登場する高温岩体発電は、地熱発電の発電方式のひとつ。地上から水を勢いよく流し込み、その水圧によって高温の岩盤に亀裂を入れて人工的な水溜りをつくる。その水溜りがマグマに熱せられて熱水になる。
例えると、マグマが火で、岩盤がフライパンのようなイメージだ。その熱いフライパンに水を入れると蒸気があがって、タービンを回すことができる。化石燃料を一切使わないからCO2の排出もほぼゼロ。天候にも左右されず24時間365日安定供給できる。しかも、日本は世界第三位の地熱資源国で、原発約20基分にあたる資源量が眠っているといわれている。




WOWOW連続ドラマW 東野圭吾「分身」

2012-02-29 22:50:02 | ドラマ


映画並みのつくりで、見ごたえのあるドラマが定評のWOWOWの連続ドラマWでは、またもや東野圭吾作品が選ばれている。今回は、サイエンス系のサスペンス「分身」である。このところ、東野圭吾作品を映画やドラマにすると、圧倒的に注目度が高くなるといわれている。それだけ多くのファンを擁しているという証明であり、最近、東野作品を読み漁っている私としても、今回の放送も大いに注目していた。

原作となるのは、1993年に発表された「分身」である。北海道と東京で互いの存在を知らずに生きてきた容姿がまったく同じの二人の女性が、出生の秘密を探るうち、いつしかその軌跡が重なり、驚くべき真相が明らかにされるストーリーである。東野圭吾の得意な理系、医学系の題材を扱っているのが興味深い。原作は、大分前に読んでいたのでストーリーはわかっている。ドラマは、原作の雰囲気をいかに表現できているかを確認したくて見る事にした。

主演は連続ドラマW初登場の長澤まさみだ。映画『モテキ』や『岳』でいい味出していたのも記憶に新しい。今回は一人二役に挑戦、ほかには勝地涼、臼田あさ美、鈴木砂羽、手塚理美、伊武雅刀、佐野史郎などの豪華共演者がそろっている。そして、監督には女優を美しく撮ることにおいて非常に高く評価されているという永田琴が起用されている。

ストーリーを簡単に紹介する。

<ストーリー>
 札幌に住む女子大生・鞠子(長澤まさみ)は、母からなぜかあまり愛された記憶がなく、さらには、その母が火事で不審死した過去を持つ。ある日、出生の秘密を探り始めた鞠子は、自分とまったく同じ顔、姿形をした女性・双葉(長澤まさみ[二役])の存在を知った。彼女は、単なる「双子」という範疇を越え、まさに自分そのものであった。
 鞠子は、その謎を解き明かすことを決意、行く先々に立ちはだかるさまざまな人々の思惑を乗り越えながら真相に近づいていく。一方、東京では、双葉も自分の存在に疑問を持ち始めていた。そして、ついに鞠子と双葉が出会った時、生命工学の禁断の領域が姿を現わし始める…。


このドラマの見所は、主演の長澤まさみの一人二役である。鞠子は、髪は黒く、控えめで真面目な性格。双葉は、髪を茶色に染め、バンドのボーカルをやるなど活動的な性格だ。このタイプの違う二役を演じる長澤まさみの演技に注目である。また、劇中実際に歌う長澤まさみの歌がなかなかいい。ただ、一人二役という事もあり、実際二人が同じ場面に登場することはまだない。今の所、僅かな差ですれ違う場面ばかりだ。最後には、二人が対面する場面も出るだろうが、その時はCGになるのだろう。今の所、3回が終りあと2回で終わってしまう。5回で終了というのは、ちょっと早すぎる。過去のドラマのように、8回くらい放送して欲しいものだ。

このドラマのキーワードは、体外受精、クローン等である。こういった生命科学のテーマを小説の題材にするところが東野圭吾の得意なところだ。作品が発表されたのが1993年だが、クローン羊が誕生したのが1996年となっている。これだけ見ても、東野圭吾がこういったテーマを選んで小説を書いていたというのが凄い。まさに未来を予言して書かれた作品でもある。こんな事も頭に入れてドラマを見るとさらに面白くなるだろう。

NHK連続テレビ小説『カーネーション』

2012-01-27 23:16:06 | ドラマ


NHKの朝ドラだけは、毎回欠かさず見ている。ほぼ、習慣みたいなもので良くも悪くもただ見続けていたことも多い。しかし、ここ最近の朝ドラは、良作に恵まれているといってもいい。「ゲゲゲの女房」「ひまわり」など大好きな朝ドラだった。そして、現在放送されているのが「カーネーション」だ。始まった頃は、ヒロインの尾野真千子のアクのある感じが何か馴染めなさそうに感じていた。また、椎名林檎が歌う主題歌も、超スローテンポでピンと来なかった。ところが、ずっと見ているうちに、登場人物たちの掛け合いが面白くなってきて話にどんどん引きずり込まれていた。

このドラマは、ファッションデザイナーで世界的に有名なコシノ三姉妹(コシノヒロコ、コシノジュンコ、コシノミチコ)を育てた日本のファッションデザイナーの草分け、小篠綾子さんの生涯を描いた物語である。まさに実在の人物がモデルであり、コシノ三姉妹を育てた母の物語は波乱万丈ではあるが、何事にも前向きにひたすら突き進んでいく姿は小気味がいいくらいスカッとしている。とにかく、ドラマの展開がスピーディであり、無駄な回がない。1回でも見逃すと、繋がりが判らなくなってしまうから絶対に見逃すことは出来ない。

呉服屋の長女として生まれた娘が、着物の時代にドレスと出会い、洋裁に興味を持ち、19にして洋裁店を経営していく様子が、生き生きと描かれている。やがて、結婚、出産、、父の死、夫の戦死等いろんな出来事に会いながらも、好きな洋服を作ることを生きる糧にしていく様に、どんどん引き込まれていく。失敗しても絶対あきらめることなく、斬新なアイデアでモノにしていくのがとにかく面白い。また、脇役たちの登場も多彩で、隣近所の付き合いや幼馴染の友人への思いやりの様子も見ていて気持ちがいい。

もう後半に入ってきているが、三人の娘たちがドラマの中で重要なポジションになり面白くなっている。実在のコシノ三姉妹がこのような子供だったのかと思いながら見るとさらに面白いだろう。今日の放送では、母である糸子が、近所親戚一同から、妻子のある男性との関係を叱責されていたところに、三姉妹が出てきて母の好きなようにさせてくださいと一同に頭を下げる様子が描かれていた。どんなに人から非難されようが、自分の道を行く糸子の姿には元気付けられるが、その母の背中をずっと見ていた娘たちも微笑ましい。そんな訳で、このところ泣かされる場面も数多い。

「ゲゲゲの女房」が、最近では一番かなと思っていたが、「カーネーション」もそれに負けじ劣らずいいドラマであることが判ってきた。あと、2ヶ月ほどで終わってしまうが、まだまだ面白く見逃せない話が続きそうだ。毎回ビデオに録って見ているのだが、その後に放送される「あさイチ」の井ノ原くん、有働アナ、柳澤解説員の冒頭の感想を聞くのも楽しい。彼らも、朝ドラを見ているので一般視聴者の感想を代弁しているかのようで、ついつい続けて見てしまう。どうもNHKの術中に嵌ってしまっているようだ。

「家政婦のミタ」最終回スペシャルをミタ

2011-12-23 22:44:18 | ドラマ


地上波放送のドラマはNHKの朝ドラしか見たことなかったのだが、最近「家政婦のミタ」(日本テレビ系)というドラマがやけに人気があるらしいと聞いて、気になっていた。一昨日の水曜日、新聞のテレビ欄を見たら、「家政婦のミタ」最終回スペシャルという文字が目に入り、ためらうことなくブルーレイディスクレコーダーへの予約を入れてしまった。

そして、昨日と今日の二回に分けて、このドラマを初めてミタ(見た)。このドラマは、昔、市原悦子の主演で放送された人気ドラマシリーズ「家政婦は見た!」を意識して作ったのは間違いない。女優の松嶋菜々子が無表情な家政婦役を演じ、仕事だけは完璧にこなすロボットのような演技でインパクトのあるドラマだった。

家政婦ミタの「承知しました」や「それはあなたが決めることです」「それは業務命令ですか」といったセリフは、何度も聞いていると日常生活でもつい口に出てしまいそうだ。巷では、小学生がミタのまねをして「承知しました」というのが流行っているという話も聞く。最終回でも、この場面で必ず言うと判るシーンがいくつもあった。テレビ見ながら、つい先走って自分からセリフが出てしまったくらいだ。

そして、今日の新聞にはこのドラマの最終回の視聴率が関東地区で40.0%、関西地区で36.4%を記録、歴代3位の異例の大ヒットとなり、瞬間最高は午後11時~11時3分で42.8%(関東地区)だったと出ていた。とにかく40%というのは、昨今のテレビ離れといわれている中では驚異的な数字である。サッカーのワールドカップの視聴率をも上回っていたのだから凄いものだ。最終回だけとはいえ、人気のドラマを見ることが出来て良かった。

ドラマのストーリー自体は、特別面白いというわけでもなかったが、「松嶋菜々子が今までに無い役をやってる」「謎めいたミタの正体について視聴者が知りたがった」「ストーリーがシンプルで明快。それぞれのキャラがしっかり役割分担されていて解りやすい」「脚本は案外しっかりしてる。家族それぞれを主役にした回を作って逆算して最終回に向かっている」といった事が高視聴率の要因だと分析されているようだ。

最終回後半で派遣先の家族とミタが一緒に食事をするシーンでは、主人から業務命令で「笑ってほしい」といわれ、無表情な顔から、初めてやさしい笑みを家族に向けていく様が凄く良かった。どこがどう違うのか上手く言い表せないが、見ていていつの間にか優しいいい顔になったというのが良く判った。まさに、松嶋菜々子の演技力の賜物である。しかし、翌日には、もとのような無表情な家政婦のミタに戻ってしまう。このあたりも脚本の上手いところだ。

このドラマの続編や映画化の予定はないというが、これだけヒットするとなると何らかの形で続編が作られそうな気がする。最後のラストシーンは、次の勤務先を訪ねるシーンで終わったから…。

WOWOW連続ドラマW「造花の蜜」

2011-12-19 23:05:39 | ドラマ


毎回楽しみにしているWOWOWの連続ドラマWの新シリーズ「造花の蜜」が終わった。このドラマは「恋文」で第91回直木賞を受賞した連城三紀彦の同名小説を原作にしたものだ。全4回とドラマWシリーズとしては、やや短く、多彩な登場人物の関係がたった4回で説明できるのか心配だったが、最後にしてやられたという気分になった。

以下、WOWOWの番組紹介を引用する。

身代金目的と思われる幼児誘拐事件が発生。だが、それは幾重にも重なる巨大な事件の一部だった。犯罪の裏にいる美しい女性の真意とは…?謎が謎を呼ぶサスペンス。

<概要>
 世の中には、美しく潔白な犯罪というものが存在するのか…。ミステリー界の巨匠、連城三紀彦が送るサスペンスの最高傑作「造花の蜜」を連続ドラマ化する。事件は、ある幼児誘拐から始まる。正体不明の美しい女性、胡蝶蘭の造花、事件の鍵を握る血の赤。目に浮かぶ美しい情景の中で、見事なまでに計算し尽くされた誘拐劇が繰り広げられる。その驚愕のからくり、そして、見えそうで見えない、美しき犯人の真意―。二転、三転する事件の様相は、想像を絶する結末を導いていく。
 犯罪を繰り広げる謎の女性を演じるのは、ドラマW初登場の檀れい。また、脚本に「おひさま」「ちゅらさん」の岡田惠和、監督に「パンドラ」「アンフェア」の小林義則を迎え、スリリングでスピーディーな傑作サスペンスをお届けする。

<ストーリー>
 事件は、ある幼児誘拐から始まる。身代金目的と思われた誘拐事件だが、犯人は身代金を要求せず「お金を払いたいなら金額をそちらで決めて」と言う。犯人の目的が見えず、翻弄される警察。さらに警察をあざ笑うかのような、白昼の渋谷スクランブル交差点での身代金受け渡し。前代未聞の誘拐事件は、人質の保護により、解決に向かうかのように思われた…。だが、それはこの事件のほんの序章に過ぎなかった。その裏で起きた7億円もの身代金をかけた誘拐事件。そして、すべての謎を解き明かす最後の事件。誘拐事件のスペシャリストである刑事・橋場(田辺誠一)は、蘭と名乗る美しき犯人(檀れい)を追い詰めることができるのか。



第1話では、ごくありきたりの誘拐事件のような出だしだったが、身代金と誘拐された子供は無事帰り、事件は無事解決したかに見えた。ただすっきりしない解決に、犯人の動機が何であったのかがわからず消化不良のまま終わった。だが、それはたしかに犯人の本当の目的に繋がる事件の序章に過ぎなかったというのが、第2話以降で明らかになってくる。このドラマの目玉は、蘭と名乗る謎の美女を檀れいが演じていることだ。また、脇役には、玉山鉄二、国仲涼子、谷村美月、國村隼、そして田辺誠一と個性的なキャストが勢ぞろいしている。これらの出演者の関係がだいたい判るのが第3話辺りだ。それまでは、この豪華キャストの関係がなかなか判らず、二転三転する話に、訳がわからんドラマだなーと勝手に思い込んでいた。

第3話で玉山鉄二、国仲涼子、國村隼の関係がはっきりする。しかも、初回の誘拐事件の裏で起きていた事件が、蘭の本当の目的だったというのはなかなか上手い展開だった。詳しいことはネタバレになるので書かないが、これだけでも作者にヤラレタという気がした。

ところが、第4話では、その事件から1年後にまったく別の誘拐事件が発生する。やはり、この事件にも蘭が絡んでいる。それまでのストーリーで、これも同じような話になるのかなーとも思ったが、前回までにチラッと登場した谷村美月が、どう絡んでくるのか気になっていた。案の定、第4話では、彼女のキャラクターにあった小悪魔的な役で絡んできていたので嬉しかった。その結果、蘭はこの誘拐事件でも3億円という大金を手に入れるのである。しかも、その共犯者は蘭が言う働き蜂だ。女王蜂に群がる働き蜂はオスと決まっている。とにかく最後の最後で予想もしない展開となり、二転三転どころか四転もしたようなトリックに、またもや作者にヤラレタという結末だった。ただ、これほど魅力的な蘭というキャラクターをここで終わらせてしまうのは、まったくもったいない。できれば、続編を作り、檀れいの悪女振りを更に期待したいドラマだ。