fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

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松島は笑ふが如く、象潟はうらむがごとし(『奥の細道』)

2012年06月26日 | 俳句

 小学校の遠足以来、象潟に行ってきました。

 

象潟や雨に西施が合歓の花   芭蕉

 象潟は、文化元年(1804年)6月4日(陽暦7月10日、推定マグニチュード7、1の地震が襲い、南北60キロに渡る被害を受け、記録に残るだけで366人の死者が出ています。それまでは上の写真のような99の島が浮かぶ潟だったのが、地質の隆起により陸地となってしまったのです。今では水田や草地の中に島の名残が点在しているのを認めることができるだけです。それでも、まわりののどかな景色は十分に美しく、プラス江戸時代以前の情景を思い浮かべることで、意識のタイムスリップができます。

 芭蕉が『奥の細道』で訪れた当時は、ここはまだ潟だったわけで、当然船で島に渡っています。

 松島は笑ふがごとく、象潟はうらむがごとし  『奥の細道』

 この一節は、太平洋と日本海の違いをよく言い当てたものだと思います。東日本大震災では、松島は島が防波堤となり他の地域より被害が少なくてすみました。長い歴史の中で、地形の変化というのは自然の摂理でもあるのでしょうが、松島が残ってくれてよかったです。

 小学校のときもきっと先生はそういうことも教えてくださったのでしょうが、お寺と瀧を見たという記憶しかありません。まあ、子供に江戸時代の情景を思い浮かべろというのも無理というもの? でもだからといって、そういう遠足をムダだとは思っているわけではありません。子供に媚びてばかでかい遊園地に行くよりは、(おもしろくもなんともない)と思われても、歴史のあるところに行ってほしいです。

 象潟は、他にも見所がたくさんあります。海は真っ青で、鳥海山は雲で姿は見えませんでしたが、5合目までは行ってきました。山から見下ろす水平線が、やけに高い位置にあったのが、不思議でした。

  九十九島(くじゅうくしま)のひとつ駒止島の前を歩いていた螻蛄(けら)。初めて実物を見ました。かえるだ~って、おけらだ~って、あめんぼだ~って♪(←オンチ)