アニメ映画『グスコーブドリの伝記』が公開になっています。科学者でもある賢治ならではの自然の厳しさと家族愛、そして自己犠牲の物語。3.11以後の日本人がこの物語に接することで思うことってきっとたくさんあるだろうし、映画化は嬉しいです。このブログの「fromイーハトーヴ」のイーハトーヴは、賢治が作り出した言葉で、理想郷とした岩手のことなのですが、賢治の作品ではどれに書かれていたんだったかあやふやでした。でも、そうでした、この『グスコーブドリの伝記』の中にあるんでした。ブドリはイーハトーヴの森に住んでいるんでした。
グスコーブドリは、イーハトーヴの大きな森のなかに生まれました。おとうさんは、グスコーナドリという名高い木こりで、どんな大きな木でも、まるで赤ん坊を寝かしつけるようにわけなく切ってしまう人でした。(『グスコーブドリの伝記』冒頭部分)
こんな身近な世界の話だったという認識も、3.11以後ならではですね。
でも観にはいかないかな……。猫が賢治の作品として動くのって、実はピンときていないんです。ごめんなさい。でも、賢治も、ますむらひろしさんのマンガも特別な存在です。とくにこの『アタゴオル物語』。
どうですか! 箱入り豪華版ですよ。私の蔵書です。猫のヒデヨシが好きで好きで好きで。このアタゴオルの世界が好きで好きで。これこそ賢治のオマージュだなって思います。映画化にもなったんでしたっけ? 発行は朝日ソノラマ、もうない出版社。
箱に入っていると色褪せなくて、昭和53年刊なのに、しっかりしています。なんと30年前! 一冊2500円。よく買ったなあ。どこへ引っ越しするときもちゃんと持ってきてます。