梅さんのかわら版.umelog

笛吹川フルーツ公園の紅葉

吟行~根津記念館

2024-11-22 14:54:54 | 俳句&短歌
小春日よりの暖かな日にある句会主催の吟行に行って来た
鐡道王と呼ばれた初代根津嘉一郎の実家「根津邸」である

何と言ってもここに行ったら真っ先に目に入るのはこの黒松だ
「大磯の松」と呼ばれる立派な松だ
umeさん他、三人がこの松を詠んでいる


邸内にある茶室「燕子花」躙り口から入ることが出来る
茶室の前の蹲には水が満満と湛えられていた


「西山荘」で句会が開かれた
根津邸は現在、無料で入館が出来る
誰でも訪れることが出来るが、茶室やこの西山荘は有料である

敷地を流れる川は「笛吹川」と呼ばれ、鴨や鯉がゆったりと泳いでいる
又、山野草があちらこちらに植えられていて、まだ秋の花が咲いていたが、
この日はホトトギスが見られた
又、ガマズミの朱い実がなんとも郷愁を誘う

この日は三句出したうちの二句が特選を頂き、一句は最高得点だった
久しぶりの吟行だったが、嬉しい句会となった

プレバト俳句~うっかりミス

2024-11-20 14:13:48 | 俳句&短歌


題:うっかりミス

1位 才能アリ72点 矢柴俊博
   網棚に置きし卒論冬の朝

2位 才能アリ71点 IKKO
   帯留に選ぶ翡翠や返り花

3位 才能アリ70点 川島如恵留
   ズレているマークシートや虎落笛
添削 マークシートずれてる虎落笛の窓

4位 凡人60点 水田信二
   ごみ捨て場両手見つめる冬の朝
添削 ゴミ袋手になく冬のゴミ置き場

5位 才能ナシ37点 大友花恋
   裸木や露天にマスクつけ浸かる
添削 冬温しマスクのままで露天風呂

名人1ランク昇格 ◆森口瑤子
   おでんは玉子逞しき口内炎

永世名人掲載ボツ ◆村上健志
   雑巾にガラス破片と今朝の冬
添削 雑巾にガラスの破片冬来る

今回は才能アリが3人いた
1位の「網棚に置きし卒論冬の朝」は、1位ではあるが類句は多い
永世名人の横尾渉が以前にこんな句を作って才能アリだった
  夏帽子夜行列車の網棚に 横尾渉
俳句としては成り立っているが、あるある俳句である

3位の「ズレているマークシートや虎落笛」も才能アリだが、
これもよく見る俳句だ
umeさんの友人もある試験でこれをやらかして失格したことがある
又、ズレたマークシートと虎落笛はどうだろうか…

自分の言いたいことを俳句にすると、散文的になるし
俳句的に作ると違った句意になるし
上手く出来たと思ったら以前にも似たような句があったり

今回勉強になったのは、村上の句の添削で
「今朝の冬」を「冬来る」に変えただけで数段よくなった
しっくりいかなかったら、
季語を入れ変えて見る、これも一つ方法だと思う

プレバト俳句~大観衆

2024-11-08 14:47:50 | プレバト俳句


題:大観衆

1位才能アリ70点 清春
   良夜なりフロアを包むアルペジオ

2位凡人60点 MINMI
   万人の歌声ひとつ名残の月
添削 万人の歌は一つに月のぼる

3位才能ナシ35点 黒沢薫
   秋風や歓び舞台へ運びゆく
添削 歓びを舞台へ金風の歌を

4位才能ナシ30点 山口智充
   ゆれすすきいつかはフェスと夢見る日
添削 いつか我が歌を大観衆へ秋

5位才能ナシ25点 水森かおり
   ペンライト振れども散らぬ照紅葉
添削 ペンライトのごと夜を照らさるる紅葉

永世名人28句目に掲載決定 ◆横尾渉
   星月夜六万人の大合唱

永世名人38句で掲載ボツ ◆村上健志
   靴音にライブの余韻月の坂
添削 靴音に余韻ライブの月の坂

今回は散文的について書いてみよう
散文的とは、文章のように作る事だ
今回は、村上がこれで先生に痛烈に批判された

 靴音にライブの余韻月の坂
これは、靴音にライブの余韻が残っていますよがないだけの文章だ
いろいろ分かっている村上にしては、どうした?というような初心者的ミス
他の3位以下の句もこれで才能無しとなっている

1位の句と横尾の句を参考にすれば良い
横尾はいつもの破調ではなく、定型句で成功した
こなれて来たと言う感じだ




プレバト俳句~外食

2024-11-03 16:42:08 | プレバト俳句



題:外食

1位才能アリ70点 山﨑ケイ
   良夜なりすっぴんママのワイン会

2位凡人67点 三倉茉奈
   吾子抱えつまむ秋刀魚は骨多し
添削 吾子抱きつ食むや秋刀魚は小骨ごと

3位凡人60点 すみれ
   秋の宵ビブとあなたと白ワイン
添削 ビブの子と夫と秋夜の白ワイン

4位才能ナシ30点 菊地亜美
   ランチ寿司ひとりで頬を赤く染め
添削 寿司つまむ一人の昼や一献す

5位才能ナシ15点 松丸友紀
   ママ友会エンドレスなる夜もみじ
添削 夜の紅葉ママ友会はエンドレス

永世名人38句目に掲載決定 ◆村上健志
   秋爽の皿やオリーブオイルの黄

永世名人39句目に掲載決定 ◆千原ジュニア
   二軒目へ行く汝帰る吾薄月夜

今日は文化の日
あちらこちらで、文化祭が行われた
umeさんも会場に足を運で、ぐるり一回り
俳句を見る機会があった
笛吹市は何と言っても飯田蛇笏・龍太の故郷なので、
どの会場にも俳句が展示されている

皆さんベテランで、才能アリ70点以上の句ばかりだ
だが、よく見ると無難な句が多く新しさが見られない

村上の句はどうだろうか
オリジナリティーがあり、おしゃれで新しい
千原ジュニアについても、工夫がある

これからはこういった句にも挑戦したいものだ


明野村散策~林檎と蕎麦

2024-10-27 17:02:38 | 日記・エッセイ・コラム


明野村にリンゴ狩りに出かけて

昨日はkiiちゃんの運動会だった
総勢8人が応援に出かけ、kiiちゃんも張り切っていた
終わった後は恒例となっているkiiちゃん家での食事会
オードブルに寿司に…ワイワイガヤガヤ、ドジャースも勝ったので、
更にお祝い感が増す
で今日は明野村にリンゴ狩りに行って来た

「ふじ」が出盛りで、鈴生りの林檎の木が山の奥までずっと続く
素晴らしい景観だ
王林などもあったが、やっぱりリンゴは「ふじ」が大好きだ

その後は、明野と言ったらお蕎麦だろう


お蕎麦屋さんをナビで探して辿り着いたところがこのお蕎麦屋さんだ
一度通り過ぎてしまったくらい、当たりの景色と一体になっていて分かりずらい

古民家をお店にしたということで、中は本当に大正、昭和にタイムスリップしたようだ
全てのおもてなしが一つ一つ驚きがある
家の周りの草花や、古い食器、そのあしらい…久しぶりに感動した
メニューは一つだけ
天ぷらと二八蕎麦
天ぷらは、季節のものだけを使い、しかも自家栽培のような気がする
ここだけでしか味わえないというものばかり
最初に出されたお茶は、ドクダミ入りの薬草茶だ
Mさんは感動して何度もおかわりをしていた

おしぼりにミントがはさんであったり
箸置きに、紫苑と菊の花があしらわれていたり
お通しに出された田楽は柚子味噌で、蒟蒻も手作り
勿論、お蕎麦は最高だった

色々な所に行くけど、今日は本当に滅多に無い出会いだった






オカリナ・チェロ・琴・ピアノの共演

2024-10-21 15:40:58 | オカリナ

大沢先生のコンサートの祝花を頂いた

昨日は大沢聡20周年記念オカリナコンサートだった
主宰しているサークルの仲間も非常に楽しみにこの日を迎えた
と言うのも、今回はご子息との共演があるからだ
地元で知り合いも多い


日本全国各地4カ所での開催だが、今回は地元ということで。
山梨バージョンだったようだ
前半は、オカリナ・チェロ・ピアノで全てclassicの曲
後半は、琴との共演
琴との共演は今までもあったが、今回は別格だった
筝曲演奏家の原野学さんの演奏は琴が持っている可能性を見せてくれた
二つの琴を使い分けて、琴の魅力を十分に聞かせてくれた

そして最後は、又オカリナ・チェロ・ピアノに戻り…
〆の曲は、山田耕筰の「赤とんぼ」
夫と一緒に行ったのだが、彼も感動していた

アンコールは、
サプライズで西田敏行の「もしもピアノが弾けたなら」の歌だった
その歌声も、西田敏行さんを偲ぶのに十分だった
これを聞けただけでも、来た甲斐があったと思う

ご子息の倭人くんがどのように成長するかというのも、
楽しみなコンサートだった



プレバト俳句~100点満点

2024-10-19 23:46:00 | プレバト俳句


題:100点満点
1位才能アリ70点 望月理恵
   山粧う三面鏡に百の母
添削 星流る三面鏡に百の母

2位凡人60点 ニシダ
   数式にエナドリの染み降り月
添削 数式にエナドリの染み星流る

3位凡人50点 薮宏太
   誤字減点泣きべそ帰路に色葉散る
添削 誤字減点泣きべその帰路鰯雲

4位才能ナシ25点 青山祐子
   焼けた顔赤土で歓喜秋実る
添削 赤土のコート歓喜の秋高し

5位才能ナシ20点 笠松将
   まつりの後満点の月懐く風
添削 満点の月や祭の後の風

 2級へ1ランク昇格 ◆こがけん
   枝豆を買うダイハード放映日

 ガッカリ… ◆梅沢富美男
   百点に二重線あり豊の秋
添削 豊の秋闌け百点に二重線

~~~~~~~~~~~~~~~~
元々才能無しで、得点が最低だった人の汚名挽回の企画

今回は「季語が近い」ということについて書いてみよう
俳句では、これを「季語がつき過ぎる」と言う
1位と2位・3位ともこのことを指摘されている

「三面鏡」と「山装う」を取り合わせと言うが、
両方とも装うということで意味が近くて、説明的になっている
3位も又、「泣きべそ」と「色葉散る」の取り合わせが、
両方とも悲しい、淋しいという意味で、これ又近い

俳句を始めた当初は、兼題が出されるとその季語を一生懸命勉強した
そして、先ずその季語に近い句を作っていた
それが、良いと思っていた
衝撃を受けたのは、そういう句は駄目な句だったのだ
よくよく俳誌などを見ると、まったく違う取り合わせの句ばかり
季語を説明するような句は作ってはいけないのだと悟った

では、どこまで離すかと言うことは、夏井先生が以前NHK俳句でやっていたが、
「風が吹けば桶屋が儲かる」という諺があるが、そんな微妙な離し方なのだ
これで成功したのが、
  枝豆を買うダイハード放映日  こがけん

夏井先生は、「季語「枝豆」と「ダイ・ハード」を取り合わせた効果の是非」
と言うことで、「取り合わせの感覚が掴めてきた」と大絶賛した
この感覚が大事なのだ
これを参考にすると良いだろう




吊るし雲

2024-10-16 02:41:35 | 俳句&短歌


 吊るし雲ぽかりと浮かぶ葉月空  ume

秋は空気が澄んで空が綺麗だ
青い空、そして白い雲
この雲は先日上空に出現した吊るし雲
幾重にも渦巻いている

吊るし雲は以前にもブログアップしているが、
何かが起きそうでちょっと不気味なような、
だが、自然の神秘を感じる…

~~つるし雲はレンズ雲の仲間で、山から少し離れたところにできる
山を越えて大きく波打った風が上昇しているところに、
さらに山を回り込んだ風がぶつかると現れる~~~

プレバト俳句~乗り物のドリンク

2024-10-14 17:38:19 | プレバト俳句

タラップを降りてバスまで歩く秋  藤本敏史
題:乗り物のドリンク

1位才能アリ71点 小宮山雄飛
   缶酎ハイプシュッ車窓に鰯雲
2位才能アリ70点 山崎怜奈
   郷の駅コーヒー香る星月夜
添削 星月夜コーヒー香る郷の駅
3位凡人65点 知花くらら
   千筋なる月光伸びて珊瑚礁
添削 千筋なる月光珊瑚礁しづか
4位凡人48点 市川紗椰
   単線のカーブに耐える月見酒
添削 月の単線卓に傾くワンカップ

1級で現状維持 ◆犬山紙子
   車窓のぬるいお茶行けない二学期
添削 行けない二学期水筒のぬるいお茶

永世名人29句目に掲載決定 ◆藤本敏史
   タラップを降りてバスまで歩く秋

永世名人藤本の掲載決定の句は力が抜けていて、とても良い句だ
プレバトでは、みんな結構力んで作りがちだが、
この句は淡々と作っていて良い。
こういう句の良さが分かり、作れるようになるのには数年かかる。
umeさんも、今ようやっと結果が出て来たところだ

さて、今回は、語順につて考えてみよう
山崎怜奈と犬山紙子の句は、語順が入れ代わっただけの添削
これは我が句会でもよくあること
umeさんも何度となく指摘された
季語を先に持って行くとか、
有効的な言葉を先に持って行くとか…
理由は様々だ

作った後、しばらく置いてから見直すとか、
「舌頭に千転する」と言う言葉があるが、何度も繰り返し読んでみるとか…
そうすると見えてくるものがある


金秋戦~2024決勝

2024-10-05 15:31:27 | プレバト俳句

三日月や真朱の隠岐に藍の波  的場浩司

題:自分で撮った写真

1位 的場浩司(3級) 三日月や真朱の隠岐に藍の波
2位 千賀健永 (名人9段) 灯台の周期星月夜の無辺
 添削 灯台の周期星月夜の深閑
3位 村上健志 (永世名人) 長き夜や絵本の丸き角を拭く
4位 藤本敏史 (永世名人) 銀杏の実剥き終へ自由になる十指
 添削 銀杏を剥き終へ自由なる十指
5位 横尾渉(Kis-My-Ft2) (永世名人) 外苑はさやか孤食のカチョエペペ
 添削 外苑はさやか一人のカチョエペペ
6位 立川志らく (名人7段) 師が逝きひぐらし号泣しております
 添削 しづかなる号泣ひぐらしに逝きぬ
7位 森迫永依 (1級) 待宵のジャングル細切れのラジオ
 添削 待宵のジャングル瀕死なるラジオ
 添削 待宵のジャングル盗品のラジオ
8位 千原ジュニア (永世名人) 稲穂波合掌屋根を登りけり
添削 合掌の屋根を登らむ稲穂波
9位 梅沢富美男 (特別永世名人) 芝居小屋奈落の闇を虫時雨
 添削 芝居果てし奈落の土間や虫の闇
10位 森口瑤子 (名人8段) 方向音痴ぐるぐるぐるぐる秋思
 添削 行く方を失いぐるぐるぐる秋思

2024年度の金秋戦を制したのは的場浩司だった
「自分で撮った写真」というお題は、一律に同じだった従来とは違い、
それぞれが違うテーマで作っていて、その人となりが見えて楽しかった。

1位の的場浩司の句について見てみよう
 三日月や真朱の隠岐に藍の波  的場浩司
「真朱(まそほ)」は朱い色だろうとは分かるが、くすんだ朱色だそうだ
隠岐は後鳥羽上皇・後醍醐天皇の流刑地で、伝統的な色の美意識がここに入っている
一言一句選び抜かれた言葉が置かれている…夏井先生選評
内容はそんなに難しくないが、「真朱と隠岐」ことばの選び方が抜群だった

6位の志らくの句についても見てみよう
 師が逝きひぐらし号泣しております  立川志らく

これを見た時にこんな短歌が思い浮かんだ
一度だけ本当の恋がありまして南天の実が知っております  山崎方代

山崎方代は山梨県東八代郡右左口村生まれの歌人で、この歌は結構有名だ
志らくがこの歌を知っていたのか分からないが、俳句と言うより短歌っぽいナと思う
夏井先生が定型に添削しているが、やはり冒険だったのかと思う

千賀健永は2位と健闘したがあと少しだった
最後の詰めが甘かったのかな
俳句は上位も下位も無い、無記名で投稿する下克上の世界
結果は本当に開けてみないと分からないのだ
こうして揉まれてみんな上手くなる!