季節はすっかり冬へと向かっている
鳥や虫たちはもう冬ごもりに余念がない
今週の毎日歌壇の加藤治郎先生(選者)が選んだ一席に、
こんな歌が載っていた
「廃校の茂みの中に立ちすくむ肌の爛れたつめたいこども」 世田夏雪
皆はこの歌をどのように解釈というか、読み取っただろうか…
umeさんは、それほど深く考えないで、どこか廃校になった校庭の情景かなと思った
だが、加藤先生の解釈は、想像だにしなかった深い深い読みだった
「その肌は大惨事があったことを想像させる。」
「永遠にたちすくむのだ。」<評>抜粋
これを読んだ時、鳥肌が立ったのだ
爛れた=大惨事
福島か、或いは世界で起きている戦地の風景か…
そこに立ち尽くしている冷たいこどものブロンズが立ち上がってくる
そこまで、読み取れることに歌人の凄さを知った
umeさんの俳句の句会では、毎回毎回良いと思った句を選び、
どこが良かったのかなどの感想を言う
だから、読みには慣れているが、そこまでは読み取れなかった
この歌の凄さは、ただそこにあるがままのことを詠っただけだ
だが、その「肌の爛れた」「つめたいこども」と言うこの表現は、
なかなか出てこないだろう