梅さんのかわら版.umelog

笛吹市 シャインマスカット

金秋戦~2024決勝

2024-10-05 15:31:27 | プレバト俳句

三日月や真朱の隠岐に藍の波  的場浩司

題:自分で撮った写真

1位 的場浩司(3級) 三日月や真朱の隠岐に藍の波
2位 千賀健永 (名人9段) 灯台の周期星月夜の無辺
 添削 灯台の周期星月夜の深閑
3位 村上健志 (永世名人) 長き夜や絵本の丸き角を拭く
4位 藤本敏史 (永世名人) 銀杏の実剥き終へ自由になる十指
 添削 銀杏を剥き終へ自由なる十指
5位 横尾渉(Kis-My-Ft2) (永世名人) 外苑はさやか孤食のカチョエペペ
 添削 外苑はさやか一人のカチョエペペ
6位 立川志らく (名人7段) 師が逝きひぐらし号泣しております
 添削 しづかなる号泣ひぐらしに逝きぬ
7位 森迫永依 (1級) 待宵のジャングル細切れのラジオ
 添削 待宵のジャングル瀕死なるラジオ
 添削 待宵のジャングル盗品のラジオ
8位 千原ジュニア (永世名人) 稲穂波合掌屋根を登りけり
添削 合掌の屋根を登らむ稲穂波
9位 梅沢富美男 (特別永世名人) 芝居小屋奈落の闇を虫時雨
 添削 芝居果てし奈落の土間や虫の闇
10位 森口瑤子 (名人8段) 方向音痴ぐるぐるぐるぐる秋思
 添削 行く方を失いぐるぐるぐる秋思

2024年度の金秋戦を制したのは的場浩司だった
「自分で撮った写真」というお題は、一律に同じだった従来とは違い、
それぞれが違うテーマで作っていて、その人となりが見えて楽しかった。

1位の的場浩司の句について見てみよう
 三日月や真朱の隠岐に藍の波  的場浩司
「真朱(まそほ)」は朱い色だろうとは分かるが、くすんだ朱色だそうだ
隠岐は後鳥羽上皇・後醍醐天皇の流刑地で、伝統的な色の美意識がここに入っている
一言一句選び抜かれた言葉が置かれている…夏井先生選評
内容はそんなに難しくないが、「真朱と隠岐」ことばの選び方が抜群だった

6位の志らくの句についても見てみよう
 師が逝きひぐらし号泣しております  立川志らく

これを見た時にこんな短歌が思い浮かんだ
一度だけ本当の恋がありまして南天の実が知っております  山崎方代

山崎方代は山梨県東八代郡右左口村生まれの歌人で、この歌は結構有名だ
志らくがこの歌を知っていたのか分からないが、俳句と言うより短歌っぽいナと思う
夏井先生が定型に添削しているが、やはり冒険だったのかと思う

千賀健永は2位と健闘したがあと少しだった
最後の詰めが甘かったのかな
俳句は上位も下位も無い、無記名で投稿する下克上の世界
結果は本当に開けてみないと分からないのだ
こうして揉まれてみんな上手くなる!