今回は、箱根の秋の景色で一句、紅葉が綺麗だ。
1位才能アリ 小手伸也 黒たまごほのめく硫黄冬の風
添削 冬の風 硫黄ほのめく 黒たまご
2位凡人 髙橋ひかる 離れた手秋の夕焼け影映す
添削 離れたる 手と手 秋夕焼の影
3位凡人 清水ミチコ 箱根路や車窓に忘れきし紅葉
添削 箱根路の 紅葉置き忘れし車窓
4位才能ナシ 二階堂高嗣 莢蒾の実行きつけスナック愚痴る
添削 莢蒾の実や スナックに こぼす愚痴
5位才能ナシ 橋本直(銀シャリ) 谿紅葉窓寄り気づき色個性
添削 車窓過ぐ 濃きも薄きも 谿紅葉
プレバトもこれだけ長く続いていると、途中息抜きのような回がある。
今回はそのような回だ。
才能アリ以外はまだ俳句ともなっていない…
俳句の才能発掘番組でもあるので、たまにはいいか…
昇級試験は二人 志らくは現状維持、梅沢はボツ
★立川志らく 強羅のもみぢ宙に浮くマリア像
添削 マリア像うかべ 強羅の谷紅葉
★梅沢富美男 真珠婚妻の手の染み冬紅葉
添削 手の染みも 愛し紅葉の 真珠婚
志らくは今回も破調だ。箱根のマリア像を詠んだものだが、
ただ、映像を二つのフレーズでつないだだけという印象だ。
次回は5・7・5に挑戦するという。期待したい。
梅沢はスランプのようだ。今回もボツ…
一生懸命作ろうとしていることはひしひしと伝わってくる。
だが、あまりに真面目に作ろうとして発想が飛んでいない。
映像に忠実過ぎるのだ。
もし、紅葉→妻の手の染み→妻への労りと繋がったのなら、
手の染みを直接入れないで、妻への労り、感謝を入れればよかったと思う。
ではどのように作ればいいのか…
子どもや、父母を詠んだ句は多いが妻の句は少ない。
探していたところ、妻を詠んだ有名な俳人がいることが分かった。
”君在りて我ある日々やまたの秋” 折笠美秋
『折笠美秋(1934-1990)は新聞記者だった時に筋萎縮性側索硬化症にかかり、
全身の筋肉が不随になり、人工呼吸器で命を保つようになる。
目と口は動かせるが声は出せない状態で病院生活を送り、
わずかに動く口と目だけで夫人に意志を読み取ってもらい句作を続けた。』
折笠は、現代俳句協会賞、俳句評論賞を受賞等を受賞している。
55歳と言う若さで亡くなっているが、
その作品は魂の俳句と言ってもいいだろう。
梅沢の句作の参考にならないだろうか…