梅さんのかわら版.umelog

甲州市~甘草屋敷

プレバト俳句~2人の思い出

2024-12-14 13:52:00 | 俳句&短歌

冬落暉駱駝は星に膝を折り 安藤和津

題:2人の思い出
1位才能アリ73点 安藤和津&池畑慎之介
   冬落暉駱駝は星に膝を折り
2位才能アリ72点 藤本敏史&金田哲
   カクテキを摘む寒夜のメッキ箸
添削 逆鱗や冷麺喉を通らない
3位 才能アリ70点 玉森裕太&宮田俊哉
   カウコン後の弾丸登山初霞
4位 凡人60点 近藤千尋&高橋ユウ
   カフェモカを飲むきみの睫毛冬日和 
添削 カフェモカや君の睫毛へ冬日差
5位凡人50点 ゆうちゃみ&ゆいちゃみ
   初旅は白浜初のギャルメイク
添削 初旅の妹初のギャルメイク

特別永世名人ガッカリ ◆梅沢富美男
   花嫁の父となる日や冬薔薇
添削 父としていま祝婚の冬薔薇

今回は二人で一つの作品を作るという趣向
旅行やエピソードなどを題材にして作るという、これまでにないやり方だ

思い出が良いと、句も良いものが生まれるというのが一位の句
「駱駝は星に膝を折り」この中七と下五が素晴らしい
膝を折っている姿が祈りに見えてくる
この思い出は、後々までも大切にすると良いと思う

良い句を作るには言葉を多く知ることが必要だ
冬日和が冬日差し
結婚式は祝婚
想いを的確に表す言葉が無数にあり、
長い言葉を省略する言葉もたくさんある
夏井先生の添削を見ていると、それがよく分かる
そんな回だった


吟行~根津記念館

2024-11-22 14:54:54 | 俳句&短歌
小春日よりの暖かな日にある句会主催の吟行に行って来た
鐡道王と呼ばれた初代根津嘉一郎の実家「根津邸」である

何と言ってもここに行ったら真っ先に目に入るのはこの黒松だ
「大磯の松」と呼ばれる立派な松だ
umeさん他、三人がこの松を詠んでいる


邸内にある茶室「燕子花」躙り口から入ることが出来る
茶室の前の蹲には水が満満と湛えられていた


「西山荘」で句会が開かれた
根津邸は現在、無料で入館が出来る
誰でも訪れることが出来るが、茶室やこの西山荘は有料である

敷地を流れる川は「笛吹川」と呼ばれ、鴨や鯉がゆったりと泳いでいる
又、山野草があちらこちらに植えられていて、まだ秋の花が咲いていたが、
この日はホトトギスが見られた
又、ガマズミの朱い実がなんとも郷愁を誘う

この日は三句出したうちの二句が特選を頂き、一句は最高得点だった
久しぶりの吟行だったが、嬉しい句会となった

プレバト俳句~うっかりミス

2024-11-20 14:13:48 | 俳句&短歌


題:うっかりミス

1位 才能アリ72点 矢柴俊博
   網棚に置きし卒論冬の朝

2位 才能アリ71点 IKKO
   帯留に選ぶ翡翠や返り花

3位 才能アリ70点 川島如恵留
   ズレているマークシートや虎落笛
添削 マークシートずれてる虎落笛の窓

4位 凡人60点 水田信二
   ごみ捨て場両手見つめる冬の朝
添削 ゴミ袋手になく冬のゴミ置き場

5位 才能ナシ37点 大友花恋
   裸木や露天にマスクつけ浸かる
添削 冬温しマスクのままで露天風呂

名人1ランク昇格 ◆森口瑤子
   おでんは玉子逞しき口内炎

永世名人掲載ボツ ◆村上健志
   雑巾にガラス破片と今朝の冬
添削 雑巾にガラスの破片冬来る

今回は才能アリが3人いた
1位の「網棚に置きし卒論冬の朝」は、1位ではあるが類句は多い
永世名人の横尾渉が以前にこんな句を作って才能アリだった
  夏帽子夜行列車の網棚に 横尾渉
俳句としては成り立っているが、あるある俳句である

3位の「ズレているマークシートや虎落笛」も才能アリだが、
これもよく見る俳句だ
umeさんの友人もある試験でこれをやらかして失格したことがある
又、ズレたマークシートと虎落笛はどうだろうか…

自分の言いたいことを俳句にすると、散文的になるし
俳句的に作ると違った句意になるし
上手く出来たと思ったら以前にも似たような句があったり

今回勉強になったのは、村上の句の添削で
「今朝の冬」を「冬来る」に変えただけで数段よくなった
しっくりいかなかったら、
季語を入れ変えて見る、これも一つ方法だと思う

吊るし雲

2024-10-16 02:41:35 | 俳句&短歌


 吊るし雲ぽかりと浮かぶ葉月空  ume

秋は空気が澄んで空が綺麗だ
青い空、そして白い雲
この雲は先日上空に出現した吊るし雲
幾重にも渦巻いている

吊るし雲は以前にもブログアップしているが、
何かが起きそうでちょっと不気味なような、
だが、自然の神秘を感じる…

~~つるし雲はレンズ雲の仲間で、山から少し離れたところにできる
山を越えて大きく波打った風が上昇しているところに、
さらに山を回り込んだ風がぶつかると現れる~~~

天才俳人

2024-06-17 14:42:14 | 俳句&短歌

路地の桃~花嫁

こんな真っ赤な食べごろの桃が届いた
ハウスではなく路地ものだという
ちょっと小ぶりで、花嫁と言う種類だそうだ
凄く甘い~~ 
これを食べ過ぎると主治医に、果物はほどほどにと注意されることになる

毎日俳壇の元選者だった鷹羽狩行さんが5月に逝去したが、
今日、その毎日俳壇に「悼む」と言う記事が載っていた
筆者は俳人の片山由美子さん
同じ結社で子弟の関係であったようだ

この記事の中で注目したのが以下の点である
「俳句史上、天才と呼ぶべき俳人が何人かいるが、間違いなくその一人である」

こう言い切っているのである
一番身近で本人をよく知っている片山さんがこう言い切っているのだから、
間違いなくそうなんだろうナと思った

umeさんの、知っている鷹羽さんの句は
  摩天楼より新緑がパセリほど  鷹羽狩行

片山由美子さんは、天才たる所以の句をいくつか載せているが、
それを見ると、なるほどなあと納得する
ここに紹介したいが、又又著作権の問題があるからなぁ
実を言うと何処迄がいいのか、何処までが悪いのかよく分かっていない

とにかく、この機会に句集など手に取って見てみるのもいいかも知れない…

林檎の花~俳句の話

2024-04-24 16:00:56 | 俳句&短歌

植えて3年目~林檎の花が咲いた

我が家には林檎の木が三本ある
林檎は授粉の関係で、一本ではなく複数植えないと実がならない
それで、二本は隣接して植えた
この、鉢植えはまだ居場所が定まらずに、鉢植えとして鎮座している
他は咲いていないのにこれだけ咲いたので、今年は初成りが期待される

そうそう、今日は俳句の話だった
4月から句会の先生が代わるという話を書いたが
その一回目が先日開かれた
でっ、どうなんだと言うと、凄く新鮮だ
師系が同じなので、先生の指導も大体似ているのかと思うのだが…
今までとは違う切り口で、眠っていた脳細胞を刺激してくれる
曖昧というか、そこはどうでもいいやとやり過ごしていたことは、
やっぱりちゃんとしなければ駄目なんだと、見透かされたようだ

何かいいかというと、ボツ句の解説だ
何がダメなのか、物凄く納得する
納得すると次は…と意欲も沸くものだ

さっき、NHKプラスで俳句を見ていたら、
陶芸と俳句をプラスしたような俳人が出ていた
創作した器に季語を盛るという斬新なアイデア
やっぱり俳句も進化している
何か自分らしいテーマは無いかな…なんて考えてしまうのだ



み~つけたっ…

2024-03-28 14:44:14 | 俳句&短歌


きょうの毎日新聞
坪内稔典さんが毎日、自分の選んだ俳句を載せている
今日はなんとumeさんが指導を受けた先生の句が載っている

「咲きそめし花の一心不乱かな」 廣瀬町子

町子先生はこのブログにもたびたび書いているが、
白露の主宰であった廣瀬直人先生の奥様で、女流俳人である
俳句を作る女性はみんな女流俳人ではないか…と思うかもしれないが
ちょっと違う。
星野立子・橋本多佳子・三橋鷹女・中村汀女の4Tと呼ばれた、昭和を代表する女流俳人がいた
今のように俳句が一般的でない時代の俳句の先駆者である
みんな素晴らしい俳人で、その生き方も素晴らしいのだ

umeさんは、廣瀬町子先生はこの女流俳人の名にふさわしい人だと思っている
凛として、品格があり、それでいてとても優しい…

坪内稔典さんが、町子先生のこの句を今日の句に選んだのは、ちょっとびっくりしたが、
穏やかなたたずまいの内にも、心に秘めた強さもあるのかナと思った
心健やかにお過ごし下さるよう、そして益々の御健吟をお祈りしたい

俳句あれこれ

2024-02-22 13:53:08 | 俳句&短歌

黒田杏子 「八月」「俳句コレクション」

Y句会の3月の兼題は「遍路」と「山笑ふ」
十何年俳句をやっているが、この「遍路」初めてだ
ついに出てきたかと思っている

敢えて、作るわけもなく、一度も作ったことが無い
それに、四国遍路はしてみたいと思っているが、未だにその機会は訪れていない

遍路というと「黒田杏子氏」だ
そうそう、昨年3月に「飯田龍太を語る会」で講演し、
その翌々日、甲府市内の病院で亡くなった
突然の死だった
遍路も道半ばだっただろう…
唯、救いは飯田龍太氏の生地で亡くなったことだ

この「遍路」の俳句を作るため、図書館で二冊本を借りた
二冊とも、杏子氏が亡くなってから発刊されている

3月13日、黒田杏子氏の忌日が来る
氏を偲び、「遍路」の俳句を作ってみたい
~~~~~
「遍路」は三春に分類される春の季語
傍題は遍路宿・遍路道・遍路笠・遍路杖・四国巡・一国巡・島四国

失敗が大きな世界を引き寄せる~短歌

2024-01-23 15:11:35 | 俳句&短歌

今日、テレビを消そうとしてたまたま見つけたしまった番組
それから最後までずっと見てしまった

「間がずれているからそこが面白い」なんて書いたばかりだが、
この番組は「失敗が面白い」といって30分間の番組が成り立っている

進行役は歌人の穂村弘氏
短歌は見るだけの素人なので、この歌人もよく知らないが、
だけど、見ているうちに「何者だ…この人は」と:グングン惹かれていく

要するに失敗したことを短歌に詠む
それが大きな世界を引き寄せ、面白いと言っているのだ

俳句の世界では俳諧味があるという評価の仕方があるが、
この短歌と通じるものがある
umeさんはこの俳諧実のある句を大いに評価する一人だ

とにかく、例をあげて解説するのだが、その深い読みに感動する
人間自体が、からだ丸ごと感情の塊のような人だ
なので、取り上げた短歌はこの歌人の掌の上で、料理され、
素晴らしい美味となる

歌人穂村弘…この人の作品を読んでみようかナ



陽の匂ひ

2023-12-29 13:56:06 | 俳句&短歌

我が家のベランダで、陽に当たって程よい干し柿となった

昨日の毎日新聞に「太陽の匂い」という投稿があった
太陽の匂いってどんな匂いだろか

それは、日に乾された布団の匂いなのだ
今は羽毛布団になったので、干すことが余りないが、
今でも田舎に行くと、ベランダや屋根に、
家族中の布団が干されている光景を見ることができる

あの布団を取り込んだ時の匂いはumeさんも好きだ
俳句では「日(陽)の匂ひ}という句がたくさんある

干蒲団まとふやすらぎ陽の匂ひ  小島正士
蒲団干し子に畳み置く日の匂ひ  阿部悦子
取り込みし蒲団日の香の夜も匂ふ  池田美佐代
干蒲団に日の匂ひあり母逝けり  加藤みき

干された布団は、湿気がなくなりふわっとして倍くらいに膨らみ
何とも言えぬいい匂いがするのだ
だがこの匂い、冬の日差しは匂いが薄いということに気が付いただろうか
ちょっと物足りなく、いつものあの匂いが恋しくなる

大晦日は雨模様なので、明日はしっかり干すこととしよう