俳聖である飯田龍太が生誕100年を迎えた。
それを記念して、いろいろなイベントが開かれる。
句会では、主宰の秀句が載っている本や、
講演内容が載っている新聞のコピーが配られた。
今月は句会の良さを実感したこと…
絶滅季語について…
温石(おんじゃく)を知っている人はどれくらいいるだろうか…
句会でその温石の俳句が出て来て、みんなざわついた。
高冷地に棲んでいる作者は、その昔
「子どもが登校する時に、温石をハンカチに包んで持たせた」
という俳句を作ったのだ。
『温石とは、石を温めて真綿や布でくるみ懐中に入れて暖を取ったもの」
要するに、今の懐炉のようなものらしい。
平安や江戸の時代というから、
それがずっと伝えられていた地域なのだろう。
みんな静かに、作者の話に耳を傾けた。
一生懸命子育てをしていたその頃の姿が想像され、
Umeさんは、ささやかな感動を覚えた。
句会の良さというのはこう言う所にあるのだろうナ。
句の背景を語る作者はとても嬉々としている。
umeさんはその話を聞くのがとても好きだ。
既に使わなくなったこの温石は絶滅季語になりつつある。
こうして話を聞いてみると、とても惜しいことだ。
小生後期高齢者直前です。小学校低学年の冬、母が朝の食事時の竈の火で温石を作ってくれて、それを持たせてくれました。
小生はしもやけが酷い子だったので、少しでも良くなればと持たせたのだと思います。
学校まで2km近く、友達と交替で手を温めていました。もちろん学校に着くころにはすっかり冷めていました。
その母もその後数年で亡くなり、この歳になって焚火などをするとふと思い出されます。
因みに、寒い地方ではなくて暖かいところですが、田舎だったので温石は比較的普通に使われていた記憶があります。