おたま「うんこ姉ちゃん、いつもコレ持ってるね?」
うんこ「これはね、うんちゃんの大事なねずみさんよ」
おはようございます、うんちゃんよ。
うんちゃんはね、昔は、独りぼっちだったのよ。
あやが来るまでは、母さんがくれたねずみさんが
うんちゃんの、唯一のお友達だったの。
まだ、うんと小さい頃、うんちゃんは病気ばっかりで、
ネコの姉ちゃん達とは、あんまり遊べなかった。
母さんとばっかり遊んでた。
うんちゃんの母さんは、人間でしょ?
だからかな?うんちゃんは、ネコの流儀が全く身に付かなかったの。
しかも、うんちゃんはね、
ほんとは、すごく強いのよ。
だから、そのせいで、
姉ちゃん達に、怖がられて嫌われちゃった。
今思えば、あの頃のうんちゃんは、
そうね、無礼な暴れん坊将軍。
想像してみて。無礼なマツケンなんて、がっかりよね。
そんな吉宗、観たくない~って視聴率ガタ落ちよ。
打ち切り決定だわ、まったくもう、いいかげんにして。
あっ、それでね、
大人しいよね姉ちゃんでさえ、うんちゃんを本気で怒ったわ。
そりゃ怒るわなぁっていう事、いっぱいしたから当然よね。
うっかりよ、うっかり八兵衛。
あっ、おたま、分かる?
高橋元太郎さんのはまり役よ。聞いてるの?
きく姉ちゃんは、うめ婆ちゃん以外のネコを嫌うでしょ?
あれもね、うんちゃんがきっかけなのよ。
ネコ嫌いになった決定打を打ったのは、うんちゃんよ。
全盛期のクロマティーを彷彿とさせる程のパフォーマンス。
ここでも、またまた、オウ、ノー、うっかりエイトメン!
クロマティーだけに、英語なわけよ。
おたま、分かる?聞いてる?
うんちゃんの連日ナイター営業で、きく姉ちゃんの口が悪くなったの。
あの頃からよ、母さんの事をメス豚って呼ぶようになったのは。
うんちゃんの事は、メス豚の鼻くそって呼んでたっけ? うふふ。
うめ婆ちゃんはね、優しかったなぁ。
たまに叱られちゃったりしたけど、それでも優しく守ってくれたのよ。
一生懸命、いろいろ教えてくれようとしていたけど、
うんちゃん、上手く出来なかった。
それで、うんちゃんは決めたの。
独りで居ようって。
母さんがくれた、ねずみさんと居れば淋しくなんてないって。
なるべく、皆と離れて隅っこに居れば、
母さんやうめ婆ちゃんを、困らせなくて済むものね。
だから、遊びたい時は、うんちゃん独りで、
せっせと母さんの真似っこをして遊んでいたの。
引き出しだって、扉だって、
母さんみたいに開けられるようになったのよ。
凄いでしょ?
でも、叱られちゃった・・・。
そんなある日、
母さんが、小さなネコを連れてきたの。
それが、あやちゃんよ。
そして母さんが、うんちゃんにこう言ったの。
「これは、大事。うんこ、頼むぞ。」って。
母さんが、うんちゃんにお手伝いしてって言ったのよ。
嬉しかった。
だからね、あそぼって言ってあげてね。
それで、うんちゃんお得意のガブーっをしたの。
そしたら、あやちゃんがギャッて泣いちゃって、
うんちゃん、びっくりして、母さんを見たの。
また叱られちゃうと思って。
でも母さんは、
「うんこ、もっと優しくね。大丈夫よ。」って。
しかも、笑顔で言ったのよ。
鬼か!あんたは鬼か!ってぐらい怒ってばっかだった母さんが、
うんちゃんを、笑顔で応援してくれたの。
すごく気持ち悪かったわ。
だからね、うんちゃん頑張ったのよ。
すごいの、あの子。容赦ないんだからぁ。
後ろからは、やめれって言ってるのにさ、
こうよ?どうよ?
でね、そろそろお昼寝よって言うと、
暑い!火照った体には、きつい!
で、起きたらすぐ、
また、こうなる訳よ。
だから、暑いって!
そんな、おたまだって、笑ってる場合じゃないわよ。
お前も、いっつも、
乗ってきたのよ。暑い!
暑いんだってばさぁ!!
やれやれと思っていたらね、
あらやだ、今度は3匹なの、母さん?って呆れちゃったわ。
うんちゃん、忙しすぎて、ガリガリになっちゃう~ってか!
お転婆な子猫が、我が家にやって来て、
擦り傷をいっぱい作りながら、懸命に世話をしたうんこは、
どうやら、ネコの流儀を覚えたようだ。
そして、今は、
うんこの側には、いつもあやとおたまが居る。
よねも、うんこを恐れなくなり、側で寛ぐようになった。
筋金入りのネコ嫌いになったきくは、
うんこの変化とともに、少しだけ改善したように見える。
「悪ささえしなけりゃ、居てもいいぞ。鼻くそどもめ!」と。
心配していたうめも、その姿を見て安心して極楽へ旅立った。
うんこは、独りぼっちではなくなったのだ。
うんちゃん、偉いでしょ?
そんなうんこは、
今でも、ちゃんと、ねずみさんも大事にしている。
偉いんだな、うんこは。