うめと愉快な仲間達

うめから始まった、我が家の猫模様。
犬好きな私は、チワワの夢を見ながら、
今日も癖が強めの猫達に振り回される。

あや特集

2016年07月07日 | あやの事

ちょうど4年前の

七夕の翌日に、私はあやと出会いました。

 

 おはようございます。

川から拾った子猫は、びしょ濡れで震えていた。

いくら拭いてやっても、どれだけ温めてやっても、

子猫の震えは止まらなかった。

怯えた子猫だった。

 

その日の夜、川辺で鳴いているネコの声に、

はっと気づいた。

子猫の母親が探しに来たのかもしれない、と。

 

急いで、子猫を抱き上げて

外へ飛び出していくと、

1匹の野良ネコが、私を見て逃げ出そうとしている。

 

「この子、あなたの子じゃないの?」

咄嗟に、そう言いながら子猫を掲げて見せると、

野良ネコの足はピタリと止まった。

 

私は一瞬、躊躇したが、

それでも子猫を、地面に置いてみた。

すると、それまで震えるばかりの子猫が、

野良ネコの元へと駆け寄って行ったのだ。

 

やっぱり母さんだ・・・

 

母ネコは、駆け寄ってきた子猫を

丁寧に毛づくろいしてやり、

そして突然、

子猫を置いてサッと消えた。

 

その数分後、家に連れ戻すと、

 ついさっきまで怯えていた子猫は、一瞬にして変わった。

瞳は強い輝きを宿し、尻尾は真っすぐ天を差して、

大きな声で、鳴き出した。

あやの、お転婆伝説の幕開けだ。

 

眠っている時と食べている時以外、

止まったら死んでしまう海洋生物のごとく、

飛んで跳ねて、ピチピチ動き続ける。

カーテンレールの上に登れば、

てっぺん取ったぞーと雄叫びを上げて、

すぐに、降ろして~と叫ぶ。

遊びたいと思ったら、

何が何でも遊べと喚いて付きまとい、

座っていれば、延々背中に跳び蹴りを喰らわす。

犠牲者は、私だけにはとどまらない。

うんこなんて、サンドバックだ。

他のネコ達だって、

普通に歩いているだけで、

背後から

ダダダっと大きな足音で突進して驚かせるという、

あや、お気に入りの遊びのせいで、

その音に、一家もろとも、心の臓が止まりそうになる。

 

気が済むまでやってやろうじゃねーかと、

半ばヤケになった私は、

右手にジャラシを持って、

日々、暇さえあれば激しく遊ぶ事を続けた結果、

あやは、治まるどころか、

どうやら強靭な肉体を手に入れたらしく、

いくらでも遊べる、不屈のネコに成長した。

あやのバテる姿を、見ることは1度も叶わぬまま、

そんな日々を送る中、ある日気付いた。

私の右腕、太くなってる・・・。

うんこ、ちょっとほっそりしている・・・。

七夕の日、私は必ず思い出す。

あの時あやに、母さんがしてくれた最後の毛づくろいは、

元気に暮らせと願いを込めた、            

まるで魔法のようだったと。

 

 母に魔法を掛けられた、お転婆娘は、

実は、うんこをも大きく変える事となったのだった。

その話は、またの機会に致しましょう。