クローバーは、私の誕生花だ。
4/2生まれの人も、4/18生まれの人も、
5/26、5/27、6/17、8/31が誕生日の人も、
クローバーが誕生花だ。
おはようございます。
ねぇ、ちょっと多すぎない?
「私の誕生花だわ」という特別感を、持ちづらいです。
しかし、
私にとってクローバーは、特別な植物である事には違いない。
あれは、高校生の頃だった。
ある日、思春期らしい悩みで苦しむ友人から手紙が届いた。
私は、自分も同じように悩んでいるという旨の返事を書いた記憶がある。
すると今度は、その友人から、
「お互い、頑張ろうね」と書かれた便せんと共に、
四つ葉のクローバーの押し花が同封されていた。
生れて初めて手にした、四つ葉のクローバーを見て、
当時の私は、嬉しいという気持ちより、
友人に申し訳ないという気持ちを抱いた。
「励ますつもりが、逆に励まされてしまった」という、
後ろめたい思いに駆られたからだ。
しかし、だらしない性格の私にしては珍しく、
そのクローバーの押し花だけは大切に持ち続ける事となった。
といっても、財布に入れて、時々思い出しては眺めていただけで、
願い事をする訳でもなく、何を想う訳でもなく、
ただ時々、財布から出しては、眺めていた。
そして気づけば、私は大人になっていた。
あの友人の顔さえ記憶が薄れるほど時が経っても、
四つ葉のクローバーは、時が止まっているように、
あの日のままだった。
しかし、時は止まるはずはなく、
私は出会いを何度も繰り返し、別れも同じ数ほど繰り返していた。
私が、酒を覚え、夜の街がすっかり似合う大人になった頃、
また、突然の別れがやってきた。
それは、輝く時を過ごした友人だなんていうのは程遠く、
互いに持った傷の痛みを、
滅茶苦茶に騒いで誤魔化すために一緒にいた、悪友との別れだった。
あの頃の私は、すっかりやさぐれていて、
口からは、愚痴か虚勢か嘘しか出てこなかったが、
その時は、柄にもなく「お互い、頑張ろうよ」と伝えて、
財布にずっと持ち続けていた四つ葉のクローバーを、悪友に手渡した。
あれから、この季節になると、
私は決まって、あの子は、あいつは、あの人は、
今、どうしているんだろうと思いながら、地面に目を凝らす。
シロツメクサを見つけては、私は、四つ葉を探しているのだ。
「でもね、なかなか見つからないの。
私がこの長い年月で、探し当てたのは、たった1枚よ。」
そう、我が家のおじさんに言うと、
その次の日、おじさんは、
「おかっぱちゃん、あったよ!」と。
「あっ、すごいじゃん!」と。
で、また次の日、おじさんは、
「今日も、見つけたよ。」と。
「えっ?」
で、また次の日、おじさんってば
「四つ葉って、けっこうあるんだね。
見つけるのって、全然簡単だよね。」と。
やめれ!
もう、やめてくれ!
うんこさん、おじさんってば、
私の素敵話を、台無しにするんだ!
うんこ「うんちゃんも、まだ見つからないの。母さん。」
ん?
うんこも、探し物があるのか?
うんこ「うんちゃんの大事なネズミさんを探しているのよ、母さん」
ごめーーーーーん。
ごめんなさーーーーい。
母さんがね、探してやるからな。
一生をかけて、母さんが探してやるからな。
うんこの大事が、また見つかりますよう、
まず、四つ葉のクローバーを探してみっか?
もういいっか?