我が家で越冬するはずだった蚊が、
一昨日には、ハエにすり替わっていた。
おはようございます。
羽音だけで、なかなか裸眼では捉えられなかった小さな虫が、
ハエの大きさになれば、さすがに猫達も気がついて、
虫を追いながら、「けけけ、けけけ」と鳴いていた。
おたまも、久しぶりに眼を見開いた。
あやは、ハエの大きさ程度の虫は、怖いようだ。
究極の内弁慶め!
眼を輝かせている猫と怯える猫と虫を交互に見ていたら、
私は、なぜか、うめさんの事を思い出した。
うめさんが逝った次の日、その棺に供えた花から、
バサバサっと大きな虫が飛び立った時の事を思い出したのだ。
あの時は驚いて、棺ごと、うめさんをコンコロリンと
ひっくり返してしまい、私は感傷に浸る間もなく、
急いでうめを棺に戻し、虫から逃げるように霊苑に向かった。
泣く事も忘れて・・・。
昨日になったら、そのハエも姿を見なくなり、
我が家は普段通りに戻った。
あの時は、虫から逃げたくせに、
今日は、部屋中をうろうろしながら、虫を探している。
まるで、うめの痕跡を探るように見渡したが、
我が家には、もう、うめの痕跡など、どこにもないのだ。
それを再確認しても、もう泣く事もなくなった・・・。
あれから3年経った我が家は、
相変わらず、数は減ったが猫が居て、
私は嫌になっちゃうくらい、相変わらずスットコドッコイだ。
うめの事を思い出しても、反射的に泣いてしまう事もなくなり、
むしろ、うめとの17年間が、まるで幻だったようにすら思える。
それで、いいのかもしれないね、うめさん?
「それでいいのかの?ほんとかのぉ?
今日は、でっかい虫を送り込んでやろうと思ってるのに?」
そうなんだよね。
私は、まだ、どこかで、うめを待っている。
しかし、待っているのは、うめさん?あんたの方かもね?
そろそろ、よねも極楽への準備をしてるから
うめさん、その節は、お願いしますね。
「そだねぇ、よねは待っててあげようかねぇ。
お前が来る頃には、あたしゃ、お金持ちで美人なお姉さんの飼い猫に
生まれ変わってる予定なんだけどね。」
えぇぇ?
私の事も、待っててくれよぉぉぉ!
うーめさ~~~ん!!