うめと愉快な仲間達

うめから始まった、我が家の猫模様。
犬好きな私は、チワワの夢を見ながら、
今日も癖が強めの猫達に振り回される。

秋は、力強くやってきた。

2022年08月23日 | 日記

日が暮れても、

国道は車の通りが激しかった。

 

おはようございます。

運転中のエンジン音に加え、行き交う車の唸る音で、

車内に流れるメロディーガルドーの囁くような歌声は、ごっそりかき消された。

私は騒音の中で、うんざりしながらハンドルを握っていた。

気の進まない用事に向かう道中だから、なおのことだった。

 

ようやく国道を外れて、細い道を進むと、辺りは暗い田んぼの風景になった。

右に並走する、さっき外れた国道は高架を上っていく。

それでも騒音は容赦なく唸り、高架から濁流のように降ってくる。

「これでも、音楽が聞こえないかぁ。」

信号で停車しても、音楽は相変わらず、外の音にかき消されていた。

「いや、待てよ。」

行き交う車の音じゃない。

それさえも、かき消されていく。

私は、音を探るべくドアウィンドウを開けてみた。

「うわ~」

 

リーンリーンリーンリーン・・・・

コロコロコロコロ・・・・

 

どこから響くのかなど、探る由もない。

国道の明かりも届かぬ漆黒の大地から、数百、いや数千数万の秋の虫の音が、

果てしない夜空へ広がっていた。

騒音の濁流は、突き上げる虫の音に押し上げられ、国道に淀んでいる。

 

これが秋というものか?

数千数万の虫は、一斉に力の限り命を燃やす。

これが、秋というものなのか。

私は、凄まじく力強い秋を知った。

 

って、虫に感動していたくせに、

これにビビっていた。

ぎゃーー、むむむむむ、むし?!

数時間、ずっと怯えていた。

 

が、実体は

私が作った、リアル猫じゃらしだったというね。

棚から飛び出ちゃっていただけだったというね。

 

凄まじく力強いあやさんも、このクラスの虫が怖いらしい。

あやさん、怖かったね~

あや「よっこらせっと、どっこいしょっと」

ねえ、あやさん?

何してんの?

あや「落ち着こうかしらねっと思ってやってんのぉ」

いや、全然、落ち着いてる感ないし・・・。

 

あや「あら、そうかいなっとぉ」

ねえ、落ち着きたいなら、ジッとして!

 

あや「よし、これだわ!」

やっと落ち着いたのね?

これで、静かになるのね?

 

あや「おばちゃ~ん、ねえ、おばちゃ~ん」

鳴くんか?!

 

あや「おばおばおばちゃ~ん、おばちゃんってば~」

全てをかき消す、虫の音ならぬ、あやの声。助けて。