16日月曜日。祝日午後3時開演。
スペクタクルな「白鳥の湖」に魅せられた今、期待を持ってイソイソと上野の文化会館へ。

今度の演目は「眠れる森の美女」スタントン・ウェルチ版です。バレエ団生え抜きで、ヒューストンバレエのための振付作品などでも評価されている振付家だとか。
白鳥、で王子を踊ったダミアンは弟。ご両親はともに60年代から70年代にかけてOZバレエで活躍した主役ペアだったというのですから、本当にオーストラリアン・バレエ一家、ですね!
美術は「白鳥」同様、クリスティアン・フレドリクソン・・・というところで高まる期待。
この、大カンパニーでなくては上演しえないスペクタクルな古典バレエの新版の為に「80メートルものインド・サリーのシルク、膨大なスワロフスキーのクリスタル、200以上のオーストリッチの羽、50以上のインド製の金のネックレス、壮大な氷の森林や黄金の宮殿など、総計300アイテム、重さ20トンを超える豪華絢爛な装置と衣裳が日本に上陸」というのですから・・・。
何やら、この衣装製作の為にインドとアメリカに専属バイヤーを派遣したとか。
さすが、大らかな南半球、やることが半端ではありません。
舞台にかかる紗幕はペルシャ絨毯に見られる「生命の木」のモチーフ?深い赤と青を基調にしたオリエンタルな柄で、とても趣味がいい。
あぁ、東バの公演でかかる、あのちょっとデッサンが狂った(?失礼!)天使のロココ泰西名画調の幕と交換して欲しい・・・などとうつらに思っているとその幕の向こう側がきれいに透けて、マイムによるオーロラの誕生シーンが展開。。。
この国で世界を動かしているのは、春の精リラと、対立する冬の精カラボスの美人姉妹。

リラは守護精、青い鳥とカナリアの精のカップルと、地・空気・水・火の4元素の精を伴って、オーロラのゆりかごの傍らに・・・。それぞれの精から踊りによって贈り物が捧げられる美しいシーン。
舞台はペーズリー柄の青と赤をベースにした美しいファブリックで彩られ、タイの民族舞踊手の被り物のようなシルエットのヘッドドレスと極淡いパステルカラーのパールの輝きを持つ全身ユニタードの上に腰周りだけを覆う薄物を身に着けた妖精たちは、小さな姿と言う設定で、ゆりかごが海賊船のように大きく表現されています。
自分の持つエネルギーを使い果たして贈り物を捧げた春の妖精たちを急襲するのが、虎視眈々と冬の勢力拡大を狙っていたカラボス率いる一団。歌舞伎調の赤と黒を強調した白塗りメイクの白とシルバーの衣装に身を包んだカラボスは美しい女性。2人の騎士と、ネズミ顔の白い獅子舞のような部下と銀の甲冑を身に着けた白ネズミたち・・・。うーんちょっとくるみ割り人形が入っています?
カラフルな春対白銀の冬、というヴィジュアルは悪の化身として黒でおどろおどろしく表されることの多いカラボス組よりも華麗で舞台効果バツグン!
妖精たちの衣装のせいか、白猫・ジンジャーキャットがまんまCATSの世界のような衣装・メークだからか、バレエというよりもブロードウェイミュージカルな趣もありますが、インドやタイなどのゴールドと深いスパイスカラーを上手に盛り込んだ仕様が国籍不明ながらも豪華で重厚でエキゾチックな魅惑的な世界を作り上げていることには間違いありません。
カラボスがオーロラの16歳での死とそれから永遠に続く冬を予言します。
自分の持つ力をオーロラへの誕生の贈り物として捧げきったばかりの、リラ側の妖精たちは消耗しており、対抗できません。
カラボスの思い通りに運命が決められたかと思われたその瞬間、リラが残された力を振り絞って、死の予言を王子のキスによって解かれるであろう100年の眠りに変えてしまいます。
写真はリラと、カナリヤの精、4元素の精。
通常版では結婚式のゲスト扱いの青い鳥とフロリナ王女がここでは春を告げる鳥のカップルとして、その役割を拡大、更に主要な役として位置づけられています。
この日のカナリアは、「白鳥の湖」で土曜のマチネーの主役を踊ったプリンシパル、マドレーヌ・イーストー。リラのダニエル・ロウも良かったですが、一際伸びやかなダンスで存在感がありました。
4元素の精は、通常、「元気の精」「勇気の精」「暢気の精」などとされる妖精の踊りの音楽で踊ったのですが、それぞれの衣装の色と薄物の後スカートにかすかに書かれたシンボリックな柄が抽象的であるせいか、踊りにさほど変化がないせいか、どの精が何を表しているか今ひとつ明確でなかったように思われたのが少し残念。

カラボスのオリヴィア・ベルは「白鳥の湖」では妖艶なロットバルト男爵夫人を踊った人。
ここでも、冬の象徴カラボスを、赤と黒の切れ長の目張りで艶やかに踊っています。
ちょっと面白かったのが、リラと、カラボスそれぞれに2人の騎士がついていて、2人がかりで様々なリフトを見せること。男性一人で女性一人を支えるときの体力的な限界を超えて様々なバリエが可能になると同時にシンメトリカルな舞台効果も期待できて、これは良かったと思います。
日本人シニア・アーティスト藤野暢央さんはカラボスの騎士の一人。ソリスト久保田美和子さんはリラ側の土の精で活躍されていました
スペクタクルな「白鳥の湖」に魅せられた今、期待を持ってイソイソと上野の文化会館へ。

今度の演目は「眠れる森の美女」スタントン・ウェルチ版です。バレエ団生え抜きで、ヒューストンバレエのための振付作品などでも評価されている振付家だとか。
白鳥、で王子を踊ったダミアンは弟。ご両親はともに60年代から70年代にかけてOZバレエで活躍した主役ペアだったというのですから、本当にオーストラリアン・バレエ一家、ですね!
美術は「白鳥」同様、クリスティアン・フレドリクソン・・・というところで高まる期待。
この、大カンパニーでなくては上演しえないスペクタクルな古典バレエの新版の為に「80メートルものインド・サリーのシルク、膨大なスワロフスキーのクリスタル、200以上のオーストリッチの羽、50以上のインド製の金のネックレス、壮大な氷の森林や黄金の宮殿など、総計300アイテム、重さ20トンを超える豪華絢爛な装置と衣裳が日本に上陸」というのですから・・・。
何やら、この衣装製作の為にインドとアメリカに専属バイヤーを派遣したとか。
さすが、大らかな南半球、やることが半端ではありません。
舞台にかかる紗幕はペルシャ絨毯に見られる「生命の木」のモチーフ?深い赤と青を基調にしたオリエンタルな柄で、とても趣味がいい。
あぁ、東バの公演でかかる、あのちょっとデッサンが狂った(?失礼!)天使のロココ泰西名画調の幕と交換して欲しい・・・などとうつらに思っているとその幕の向こう側がきれいに透けて、マイムによるオーロラの誕生シーンが展開。。。
この国で世界を動かしているのは、春の精リラと、対立する冬の精カラボスの美人姉妹。

リラは守護精、青い鳥とカナリアの精のカップルと、地・空気・水・火の4元素の精を伴って、オーロラのゆりかごの傍らに・・・。それぞれの精から踊りによって贈り物が捧げられる美しいシーン。
舞台はペーズリー柄の青と赤をベースにした美しいファブリックで彩られ、タイの民族舞踊手の被り物のようなシルエットのヘッドドレスと極淡いパステルカラーのパールの輝きを持つ全身ユニタードの上に腰周りだけを覆う薄物を身に着けた妖精たちは、小さな姿と言う設定で、ゆりかごが海賊船のように大きく表現されています。
自分の持つエネルギーを使い果たして贈り物を捧げた春の妖精たちを急襲するのが、虎視眈々と冬の勢力拡大を狙っていたカラボス率いる一団。歌舞伎調の赤と黒を強調した白塗りメイクの白とシルバーの衣装に身を包んだカラボスは美しい女性。2人の騎士と、ネズミ顔の白い獅子舞のような部下と銀の甲冑を身に着けた白ネズミたち・・・。うーんちょっとくるみ割り人形が入っています?
カラフルな春対白銀の冬、というヴィジュアルは悪の化身として黒でおどろおどろしく表されることの多いカラボス組よりも華麗で舞台効果バツグン!
妖精たちの衣装のせいか、白猫・ジンジャーキャットがまんまCATSの世界のような衣装・メークだからか、バレエというよりもブロードウェイミュージカルな趣もありますが、インドやタイなどのゴールドと深いスパイスカラーを上手に盛り込んだ仕様が国籍不明ながらも豪華で重厚でエキゾチックな魅惑的な世界を作り上げていることには間違いありません。
カラボスがオーロラの16歳での死とそれから永遠に続く冬を予言します。
自分の持つ力をオーロラへの誕生の贈り物として捧げきったばかりの、リラ側の妖精たちは消耗しており、対抗できません。
カラボスの思い通りに運命が決められたかと思われたその瞬間、リラが残された力を振り絞って、死の予言を王子のキスによって解かれるであろう100年の眠りに変えてしまいます。
写真はリラと、カナリヤの精、4元素の精。
通常版では結婚式のゲスト扱いの青い鳥とフロリナ王女がここでは春を告げる鳥のカップルとして、その役割を拡大、更に主要な役として位置づけられています。
この日のカナリアは、「白鳥の湖」で土曜のマチネーの主役を踊ったプリンシパル、マドレーヌ・イーストー。リラのダニエル・ロウも良かったですが、一際伸びやかなダンスで存在感がありました。
4元素の精は、通常、「元気の精」「勇気の精」「暢気の精」などとされる妖精の踊りの音楽で踊ったのですが、それぞれの衣装の色と薄物の後スカートにかすかに書かれたシンボリックな柄が抽象的であるせいか、踊りにさほど変化がないせいか、どの精が何を表しているか今ひとつ明確でなかったように思われたのが少し残念。

カラボスのオリヴィア・ベルは「白鳥の湖」では妖艶なロットバルト男爵夫人を踊った人。
ここでも、冬の象徴カラボスを、赤と黒の切れ長の目張りで艶やかに踊っています。
ちょっと面白かったのが、リラと、カラボスそれぞれに2人の騎士がついていて、2人がかりで様々なリフトを見せること。男性一人で女性一人を支えるときの体力的な限界を超えて様々なバリエが可能になると同時にシンメトリカルな舞台効果も期待できて、これは良かったと思います。
日本人シニア・アーティスト藤野暢央さんはカラボスの騎士の一人。ソリスト久保田美和子さんはリラ側の土の精で活躍されていました
