ウェルチ版「眠れる森の美女」第3幕。
あれから100年たちました。カラボスが勝ったので、世界は一年中冬のまま、です。
兄弟王子とそのおつきの一行が森で狩を楽しんでいます。
家来を先に行かせて休憩中の兄弟に、リラの精が、オーロラの幻影を見せると兄王子が恋に落ち、森の奥深く王女を救いに分け入ります。
察知して妨害に来たのは勿論カラボス。
兄フロリムント王子はカラボスの魅力に負けて眠らされてしまいますが弟フロレスタン王子の活躍で兄が目覚め、窓を割ると日の光が差し込み、カラボスは退散。
フロリムント王子がオーロラを見つけて口づけをすると春が訪れ、人々は目覚め、2人の愛と世界が調和を取り戻したことを寿ぐ大祝宴が開催される・・・。

この場面は、2幕の黒と金の宮廷に緑の蔦が這って、生命の息吹を感じさせ、宮廷人の衣装も赤と黄色を基調とした明るいものに変わり、華やかに生命の復活を告げる舞台となります。
ここで踊られるのは、フロレスタン弟王子が相手役を務める4元素の精の踊り、カナリヤと青い鳥のヴァリ。
ちょっと変わっているのが、2人のイワン、と名づけられた「くるみわり人形」に出てくる中国の踊りのような人形振り。ダニエル・ゴーディエロとツウ・チャオ・チョウが、身体能力の高さを見せてくれ、人形としてのパントマイムも完璧。
仲間の女の子人形のリーダー格に日本公演だからでしょう、日本人コールドダンサーの、小柄で愛らしい本坊怜子さんが抜擢されていましたが、人形らしさは今ひとつで残念。
大活躍はケヴィン・ジャクソンのフロレスタン王子。いたずら小僧のような顔にツンとした鼻がCuteで、4元素の精それぞれと組んでPDDを踊る様が元気いっぱいで祝祭感を盛り立てていました。
対する兄王子、マシュー・ローレンスは落ち着いて一つ一つの技を危なげなくキッチリ決めていくタイプ。主役が突出せず、カンパニー全体で楽しく明るく盛り立てていく舞台づくりがOZバレエの特色だとしたら、非常にこのカンパニーにアダプトした王子と言えましょう。
オーロラは・・・。
王子のキスで目覚めたら早速、女の子友達のところに駆け寄って目覚めを喜び合っていました。
変わりませんでした(笑)これもまたOZ流なのでしょう。

音楽も踊りも全てテンポが速め、それが決して悪いことではなく、ある種のリズム感があって爽快ですらあります。指揮はスタイリッシュな金髪ショートの痩身の女性指揮者二コレット・フレイヨン。
最後、通常ですと舞台中央にグラン・パ・ド・ドゥを終えた主役2人が決めポーズを取って王国の中心に収まったことを象徴的に表して幕、なのですが、この版では、登場人物が舞台下手手前から上手奥に向かって舞台奥に行進して消えていきます。
ラスト、リラとカラボスがその端と端で目を交わして一瞬対立の構図を取りますが、姉妹の対立の収束=物語の終わりを告げるように、カラボスも行列の最後に加わるように、その舞台を横切って姿を消します。
このとき舞台全体を覆うほどの長い長い、黒スパンコールのマントを引きずって去り行くカラボスが印象的・・・。ちなみにこのマントには400m、2kgのスパンコールが使われたとか・・・。
世界中の神話・伝説で見られる冬と春の対立を、美しい王女の誕生と死と再生の物語に託して物語ったウェルチ版が、2005年に惜しくも亡くなった稀有な舞台美術家クリスティアン・フレドリクソンと出会ったことで生まれた珍しい果実のような舞台でした。。。
あれから100年たちました。カラボスが勝ったので、世界は一年中冬のまま、です。
兄弟王子とそのおつきの一行が森で狩を楽しんでいます。
家来を先に行かせて休憩中の兄弟に、リラの精が、オーロラの幻影を見せると兄王子が恋に落ち、森の奥深く王女を救いに分け入ります。
察知して妨害に来たのは勿論カラボス。
兄フロリムント王子はカラボスの魅力に負けて眠らされてしまいますが弟フロレスタン王子の活躍で兄が目覚め、窓を割ると日の光が差し込み、カラボスは退散。
フロリムント王子がオーロラを見つけて口づけをすると春が訪れ、人々は目覚め、2人の愛と世界が調和を取り戻したことを寿ぐ大祝宴が開催される・・・。

この場面は、2幕の黒と金の宮廷に緑の蔦が這って、生命の息吹を感じさせ、宮廷人の衣装も赤と黄色を基調とした明るいものに変わり、華やかに生命の復活を告げる舞台となります。
ここで踊られるのは、フロレスタン弟王子が相手役を務める4元素の精の踊り、カナリヤと青い鳥のヴァリ。
ちょっと変わっているのが、2人のイワン、と名づけられた「くるみわり人形」に出てくる中国の踊りのような人形振り。ダニエル・ゴーディエロとツウ・チャオ・チョウが、身体能力の高さを見せてくれ、人形としてのパントマイムも完璧。
仲間の女の子人形のリーダー格に日本公演だからでしょう、日本人コールドダンサーの、小柄で愛らしい本坊怜子さんが抜擢されていましたが、人形らしさは今ひとつで残念。
大活躍はケヴィン・ジャクソンのフロレスタン王子。いたずら小僧のような顔にツンとした鼻がCuteで、4元素の精それぞれと組んでPDDを踊る様が元気いっぱいで祝祭感を盛り立てていました。
対する兄王子、マシュー・ローレンスは落ち着いて一つ一つの技を危なげなくキッチリ決めていくタイプ。主役が突出せず、カンパニー全体で楽しく明るく盛り立てていく舞台づくりがOZバレエの特色だとしたら、非常にこのカンパニーにアダプトした王子と言えましょう。
オーロラは・・・。
王子のキスで目覚めたら早速、女の子友達のところに駆け寄って目覚めを喜び合っていました。
変わりませんでした(笑)これもまたOZ流なのでしょう。

音楽も踊りも全てテンポが速め、それが決して悪いことではなく、ある種のリズム感があって爽快ですらあります。指揮はスタイリッシュな金髪ショートの痩身の女性指揮者二コレット・フレイヨン。
最後、通常ですと舞台中央にグラン・パ・ド・ドゥを終えた主役2人が決めポーズを取って王国の中心に収まったことを象徴的に表して幕、なのですが、この版では、登場人物が舞台下手手前から上手奥に向かって舞台奥に行進して消えていきます。
ラスト、リラとカラボスがその端と端で目を交わして一瞬対立の構図を取りますが、姉妹の対立の収束=物語の終わりを告げるように、カラボスも行列の最後に加わるように、その舞台を横切って姿を消します。
このとき舞台全体を覆うほどの長い長い、黒スパンコールのマントを引きずって去り行くカラボスが印象的・・・。ちなみにこのマントには400m、2kgのスパンコールが使われたとか・・・。
世界中の神話・伝説で見られる冬と春の対立を、美しい王女の誕生と死と再生の物語に託して物語ったウェルチ版が、2005年に惜しくも亡くなった稀有な舞台美術家クリスティアン・フレドリクソンと出会ったことで生まれた珍しい果実のような舞台でした。。。