年上の友人は、実に優しい言葉をかけることが出来る人だ。時に引いて待っていないで、踏み出して言葉をかける。でも、そのかけ方が優しくて見習いたいと、常々思っている。若くしてガンを宣告され、自室にこもっていた若い友人に、彼女はメールを出した。体の状態をたずね、メールに返事はいらないこと、いつでも自分が彼女を助けられる状態であることを書いたそうだ。そして、彼女が助けを呼べるようになるまで、待っていたという。
大抵の人は、悩んで結論をだしたところで、相談をするらしい。悩みを解決するためには、自分で、自分に向き合って考える時間が必要で、それがないと実は解決の方法を探ることも難しいはずだ。方向性は本人がだして、それをいかに助けられるかという、具体的な方法が相談をするという、次の過程だということか。彼女はそれをきちんと捉えることができる、優しい人だと思う。
私は高校の時に、非常にシビアな家庭の事情があった。(ちょっと英語でごまかす)。家族は私を心配し、高校へ行けないのではないかと思ったようだった。そう、思うから私はどうしても、学校へ行く必要があった。家族に悲しい思いをさせたくなかったから。私の友達は、私を何事もなかったかのように受け入れてくれた。家庭の話などまったく出ず、普通のとおりだった。何らかの説明をしなくちゃいけないの?と、思っていた私は、それは嬉しかった。ほっとした。
その日の、午後、一本の電話があった。同級生の男の子から。ずばり、大丈夫か?と、聞かれた。え?大丈夫だよ、と、色々と説明をしようと試みた。彼は、おまえはだいじょうぶか?と、聞いただけだ、と、答えた。今でも、鮮明に覚えている。私は、とっても驚いたし、涙がでるほど嬉しかった。実はこのエピソード誰にも話していないし、彼の方はとっくに忘れたと、思う。でも、本当に嬉しかった。
友人が悩んでいると分った時、どうすればいいのか・・・。優しい言葉をかけられる人になりたい。ちょっと、勇気も必要かもね。
追 電話があったとき、私は彼の愛を感じだのだけど・・・その後もいろいろあったけど、恋人関係にはならなかった。どうしてだろう?