ついに、お別れの時が来た。
わがいとしのグランドpianoを息子と二人で見送った。といっても、私は新しい持ち主のお宅に付いて行ったのだが・・・。
言葉もなくただ、じっと見つめている息子。私も涙がこぼれる。
ピアノって不思議で、家族のように心のなかに一緒にいる存在。毎日弾くからかな・・。でも、毎日使うフライパンに対してそれだけの愛情があるだろうか・・・。
新しい持ち主として、ピアノの弾ける人を探していた。いい音のピアノだったので、弾いて欲しかった。家具代わりに飾っておく人には譲りたくなかった。
いい人が見つかった。ピアノの先生をしていらした方で、同じメーカーのグランドピアノを日本でも長い間弾いていらした方。
ピアノを送り届けた私からもらい泣き。新しい部屋にすんなりとその美しい姿が治まった。新しい持ち主の方に、嬉しいと言っていただき、私も安心する。
日本ではピアノを教えることをお仕事としていらした方なので、新しい土地でゆっくりと、学生のような気分でピアノを弾くことを楽しみたいとか・・・。
息子の先生に紹介するために、明日はその方と隣町をたずねる。