新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

"R" の話しの続き

2014-08-08 08:40:36 | コラム
モルモットと marmot は同じか:

実は、先日専門商社の知人から一例として「モルモット」を教えられていた。ナルホドとは思った。だが、採り上げていなかった。と言うのは、この言葉についてやや恥ずかしい経験があったこともあるし、実際には、それこそ英語で言う "It’s a different animal." だったからである。

何時のことだったか記憶はないが、本社での会議中に「それでは実験台にさせられるのと同様だ」と言ったところ、「そうだ、ギニー・ピッグだ」という反応があった。実験台だったらならば、てっきり「モルモット」だと思っていたのに、耳慣れない言葉が出ていた当惑した。だが、そこは何とか誤魔化してやり過ごした。そして、会議終了後に気の置けない同僚に「あのギニーsomethingって何」と尋ねた。

それは "guinea pig" のことで、日本でモルモットとして使われている「天竺ネズミ」であると教えてくれた。当に意外だった。それで帰国後に広辞苑を見ると「モルモットは別種動物の "marmot" =マーモットの誤用」であり、「比喩的に、実験台にされる人」ともあった。しかも「マーモットの誤用」とあった。

そこで、marmot を調べると、アルプスやピレネーに住む齧歯類で「モルモットは guinea pig」と出ていた。混乱させられた。すると、先人が何処かで "marmot" を「モルモット」と読み違え、さらに動物まで取り違えたと思うことにして打ち止めにした。

英語の言葉を実用的い分類すれば

2014-08-08 07:34:11 | コラム
英語の分類 :

ここに2010年11月に都下某市の市民講座を私が2年連続で担当する機会を与えられた英語の部での講義内容の補強として、受講者に配った資料の最初の部分をご覧に入れます。こういうものを作った意図は、経験上我が国の商社を含めた大手企業の精鋭たちの語る英語を聞くと、「科学としての英語」(Englishではない)を教えられたために native speaker の英語に接するとその自分たちの常識と可なり異なった語法に悩まされていることが悲しいほど解るのです。

それに、何度も採り上げて来た悪い例で「沢尻エリカ」なる女優が日本にいられなくなってアメリカに「英語の勉強に行く」と称して脱出。帰国時に成田で記者に追い回されてハンドバグを取り落とし、言った台詞が "Oh, shit." で、これは見事に自分が知的下層であることを告白したと同様な swearword でした。我が国でこの種の言葉の悪さ、品格の無さ、無教養さ、語彙の貧困、下層階級のものであること等を知る者が少ないので、多くの同胞はアメリカに入るや「これぞ生きた英語」と思い込み、飛びついて覚えるのです。自分から下層に落ちたとは知らずに覚えて使ってしまう傾向非常にが多いのです。

私は我が国の学校教育ではこういう分類をして教えていないのだろと察しました。そこで市民講座では仕事上かあるいは何らかの必要に迫られてか非常に熱心に英語に取り組もうという姿勢を見せられる中年以上の市民の方々の役に立てばと思ってこの分類を纏めたものです。

私は特に重要であり且つ使い方を覚えるのが難しいと経験上も言えるのが、慣用句だと思います。これは場合によっては swearword もどきがありますし、使いこなせるようになるためには、彼等の中に入って経験していくのが最善の方法だと思いますので、遺憾ながら万人向きではないでしょう。口語だって俗語だって同じで、いきなり "I’ll sleep on it." (=「一晩考えてみる」)だの、"Let’s get the show on the road." (=「さー、出掛けるか」)等といきなり言われても「???」となるでしょう。

次ぎに強調したいことは "slang" と "swearword" は別物であることです。戦後駐留したアメリカ兵たちにはこの両者を頻繁に使う程度のものが多かったので、「アメリカ語即ち下品」というような観念が生まれました。しかし、添付ファイルをご覧願えればこの二つは異なる種類の語群だとお解り頂けると思います。さらにハッキリ言えることは「もし自分がインテリ階級だ」と信じておられる方は "swearword" を間違っても使わないことです。その理由は文中にあります。

何れにせよ、英語というか "English" に対する学校では教えていないようである、私が経験して身に付けた考え方をごご覧に入れる次第です。この添付ファイルの内容を咀嚼して「なるほど、そうだったのか」と理解してくれる方が増えると良いなと秘かに願っております。

英語の言葉の分類:

ここに採り上げるのは、文法に言う「品詞」=“a part of speech”ではなく、言葉の種類、すなわち「口語」=Colloquialism、Spoken language、「俗語」=slang、(通用語、専門用語、隠語、符丁等)、「慣用語句」=idiom、(成句、熟語)、「汚い言葉」=Swearword、(罵り言葉)を知る限り解説してみようとのかなりな難問である。だが、何とか試みてみよう。

(1)Idiomとは:
慣用語句と訳されている。実際にこれを読んだり、聞かされたりしても直ちに「今、idiomが出てきた」と感じるようなものではないと思う。Oxfordには”A group of words whose meaning is different from the meanings of individual words”とあり、Websterには”An expression that cannot be understood from the meanings of its words but must be learned as a whole”となっている。すなわち、慣用語句の中の言葉一つ一つの意味が解っても、全体の意味は把握できない。だから全体を覚えよ」ということである。
He gave in.=「彼は屈服した」
He burnt his bridge (boat).=「彼は退路を断った」
He saw the handwriting on the wall.=「悪い兆候が見えた」、「悪いお知らせだった」
I was between the devil and the deep blue sea.=「進退窮まったり」
Let’ get the show on the road.=「さー、仕事を始めよう」、「さー。出掛けようぜ」
It’s a piece of cake.=「朝飯前だ」なのだが、“cinch”も“It was a cinch.”の様に使われている。ジーニアスは“No sweat!”も例に挙げている。
How come you put up with such a bad treatment against you? ではput up withは「我慢する」か「耐える」の意味である。

(2)Colloquialismとは:
「口語」のことである。Oxfordには”A word or phrase that is used in conversation but not in formal speech or writing.”とある。私は文語の反対語で話し言葉くらいかなと考えている。すなわち、信頼するに足る辞書「ジーニアス」には反対語は”literary”となっている。実は、上記の例文はジーニアスでは口語に分類されている?
そこで、私が思う例文は
I’ll take a rain check.=「次の機会にします」これはジーニアスには「雨天順延券」となっており「招待などを次の機会にはお受けします」と解説している。
I’ll sleep on it.=「今晩一晩考える」
Let’s hit the sack.=「さー、寝よう」

続く)