新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

8月25日のPrime Newsでは

2014-08-26 07:53:20 | コラム
「中国が外資をたたくわけ“反日”の深層を読む」を論じていた。

ゲストは興梠神田外大教授と平野(だったと記憶)東大准教授だった。非常に興味深くまた恐ろしくもあった内容だった。

私は習近平主席が就任後の中国の強権的というか、傍若無人な外交面での出方と我が国に対する高圧的というか国際法も何も無視したような姿勢から、「もしかすると中華思想に基づき中国は世界制覇を目指しているのかも」とも考えていた。しかし、如何に何でも中国がそこまでやるのか、矢張りマスコミ報道に用に国内向けの政策ではとも思って、「深読みし過ぎであって、あり得ない」とすることにしていた。

しかし、昨夜のゲスト平野氏は共産党機関誌「環球時報」は「中国はアメリカのみを交渉の対象としていて、対ロシアとの関係を強化し、そこに韓国をアメリカから引き剥がして我が陣営に引き込めば、日本はアメリカにも見放されて孤立せざるを得なくなる。そして、過去を謝罪して我が国に従属するようになる」と説いていると指摘された。中国ならば言い出しそうなことで、ある意味で説得力を感じるが、そこまで言うのかと改めて脅威の如きものを感じざるを得なかった。

お二人のゲストは中国の政権の裏事情と国内の情勢に通暁しておられ、「なるほど」、「へー」、「まさか」と思わせてくれるような中国の世界最大の強国を目指さざるを得ない習近平と、反対(対立する)勢力との抗争というか「ハエから虎まで叩く」との名目の下での不正を暴く手法の真意というか、実態ないしは真相を語ってくれた。

中国については無知という以外ない私にとってはその説得力に1時間謹聴し続けた。非常に勉強になった。しかし、疑問の余地もあった。それは「あれほど深く中国をご存じの方がおられるのに、何故あのような報道ないしは解説が広まっていないのか」という点だった。それとも、「あのような解説をすれば中国と何らかの軋轢でも生じるのだろうか」とも一瞬考えた。だが、現実にフジテレビは採り上げていたのだった。

私には昨夜のPrime Newsの内容が一面的な見方なのかどうかを判定する基準の持ち合わせなど、そんな視点が最初からある訳がない。しかし、私にとっては大いに説得力がある解説だった。肝心の外資叩きだが、その背後にある巧妙な作戦の解説では「国営企業の保護があって外資を圧迫し、我が国以外の諸国に対しても厳しい姿勢で臨んでいる」という点にも納得させられた。

何れにせよ、中国に対しては余程腹を据えて、事と次第では論争も対立も怖れない姿勢で当たることが必要だが、その姿勢の背景を少しでも読み誤ると重大な国損に繋がりかねない、中国の中華思想に基づく世界制覇を目指す強権発動的な政策の罠にはまる危険性をも感じた。