新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

先頃の豪雨による西日本での災害を思う時

2014-08-19 16:43:57 | コラム
あれほどの豪雨による被害の復旧・復興を憂う:

先頃の豪雨による西日本での災害がどれほど深刻なものであったかは、連日のニュースの画面で十分に解っているつもりだ。一般家屋、鉄道、道路、橋梁、森林、丘陵等々の被害と損害は、「甚大」などという言葉では表し切れまい。全ての被害者を心からお見舞い申し上げたい。

しかも、ここ東京というか関東地方とは異なって、あの地域はここ数年間は毎年のように「観測史上初の」で始まる豪雨に見舞われておられる。被害者の方々のご苦労と心中は私如きには到底想像も出来ないほどだ。

私はこの災害は3.11によって形容出来ないほどの物心両面の被害を受けられた東北地方と同等の関心と救済措置が必要だろうし、国家予算の面でも相当な額を付けておかねばなるまいと危惧する。何故「危惧する」と言うかは、国家の予算には決して新規の予算を計上出来るほどの余裕があるとは思えないからだ。しかも、住宅を失われた方々の中には、その被害が今年で初めてではないこともあるかとすら勝手に懸念している。

そこで思い出されることがある。それは一昨年だったか昨年だったかの記憶は定かではないが、テレビで自民党の西川公也代議士が語ったことだ。それは「法的には家屋が全壊でも見舞金(補償金?)は300万円と決められており、半壊と認定された場合にはそも半額にも満たない(だったか?)」とスラスラと述べたことだった。

「それだけか?何とかならないものか」との司会者だったかゲストだったかの問いかけには「それ以上の給付は法律の改正以外にはあり得ない。仕方がないこと」と答えた。彼に悪意はないとは良く解ったが、政府与党の幹部としての発言としては配慮というか思いやりが欠如していると痛感させられた。余談だが、それ以来この代議士を信用しないことにした。その彼はこともあろうに自民党のTPP担当者である。

現地では床上浸水の被害に遭われた方が、その清掃と後片付け作業にはボランティアの手を是非とも借りたいと言っておられた。「さもあらん」と思わせられる惨状だった。しかし、現在に至るも東北地方の復旧・復興は未だしで、除染作業等にも人手不足が喧伝されている。その上に、西日本にも建築関連の人手が絶対に必要となれば、政府と建設業界はどのように対応していくのだろうかと、秘かに案じている。

こういう面にいかほどの資材、労働力が必要になってくるのか、予算はどうなっていくのか等は、ごく普通の「一般人」である当方には見当も付かない。だが、これ以前に住む家を失った方々は、その家の再建の資金等をどのようにして工面されたのかを思う時、事態は本当に深刻だと思ってしまう。しかも、インフラを失ってしまった多くの地区があるではないか。同情では事態の解決には何の役にも立たないが、ご同情申し上げたい。

私は「本格的な台風シーズンは未だこれからではないか」と心配している。安倍政権はアベノミクスで成果を挙げてこられた。だが、内政外交面で多くの課題を抱えておられ。その上に、この復旧・復興も焦眉の急ではないか。本気で内閣改造を実施されるのであれば、西川代議士のような方ではなく、若くて実行力ある能力者を起用して頂きたいものだと、心中秘かに願っている。

カタカナ語には恐れ入ったものもある

2014-08-19 07:58:52 | コラム
鉄人28号の人形を盗んだ者が逮捕された:

モザイクをかける   electronically blurred


解説)19日朝のニュースで世間(マスコミか?)を騒がせていた古物商「まんだらけ」から「鉄人28号」のブリキの人形を盗んだ者が逮捕されたと報じられていた。この容疑者が監視カメラに写された写真は繰り返しテレビのニュースの画面に登場した。だが、肝心の顔のところは「モザイクがけ」されていた。まんだらけは被害者に「顔を隠したので、1週間以内に盗品を返却せよ」と語りかけていた由。

この「モザイクをかける」の「モザイク」は "mosaic" =「モザイク模様」といったような意味だ。だが、英和辞典にも Oxford にも「モザイクをかける」という意味は出ていなかった。発音記号でも「モウゼイク」に近い表記になっていた。広辞苑には「写真・映像などの一部を、碁盤目状に覆って隠すこと」となっていたが、和製語との表示はなかった。

私は以前からこのテレビ用語のような「モザイクがけ」を我が国独特の容疑者を保護する仕来りの表れであろうとは思っていたが、カタカナ語かどうかを採り上げていなかった。しかし、一度だけ何かで「英語にすれば "electronically blurred" と辺りか」とあったのを見た記憶がある。即ち、「電子式にぼかされた」であり、上手いことを言われたな程度に感じていた。

ところが今回の盗難事件では繰り返し容疑者の顔だけをぼかされた画像が出てきて、初めて「もざいくがけ」を採り上げていなかったことを思い出した次第だ。取りあえず色々と調べてみたし検索もかけたが、"electronically blurred" は何処にも出ていなかった。このカタカナ語を作り出した方の "mosaic" なる単語をここに応用しようと考えられた知識と知恵と面白い発想に正直に言って敬意を表したい。

また、この英語の表現を作り出した方の英語力にも、私にはとても思い付かなかったという点からも、あらためて敬意を表したい。