新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

原子力発電について

2015-05-19 15:36:38 | コラム
私の原発についての考え方:

一昨17日に新宿区のシニア館で語り合ったファイナンシャルプランナーの女性の方が、私が原発を安全で安価と考えているのではないかとメールで指摘されましたので、下記のように私の意見を述べましたので、敢えて引用します。

>引用開始
ご指摘の原発の件について、製造業界出身の私の考え方をあらためて申し上げておきます。

私は安全で経済的か否かについては、正直に言えば解りません。しかし、福島のような悪条件が重なった場合には(英語にすると “If the conditions are right” となるのが面白いと思うのですが)あのような事態が発生すると理解はしております。しかし、中・高と同級だったケミストで三井系の化学メーカーの工場長を務めた者からは「福島は予備電源を配置した場所が誤っていたためにあのような深刻の事態を招いたことは事実だし、事故を想定した日頃の訓練が不十分だった憾みが残る」との指摘を聞いております。(余談ですが、私は別件で東電という会社には思い上がりがあると何度か指摘しています)

また、2005年から偶然の機会で会員となった元興銀常務の上田正臣氏主宰の財界人OBの勉強会には、これまた偶然のことで会員に福島を担当された物産OBと融資を担当された開銀OBがおられ、東芝と共同でGEの原子炉を納入した経緯(言うなれば裏事情)を伺う機会があり、少しばかり原子力発電GEせいの炉の問題点をかじりました。また、幼稚園の同窓生に東芝で原子力を担当された昔の隣人から「我が国の管理能力の高さではチェルノブイリやスリーマイルのような事故を起こさない」と力説する話も聞きました。

私が非難することは菅直人の無能力と無知であり、民主党政権が火力発電のみに転換したことによるエネルギー・コストの上昇が、産業界にどれほどの負の影響を与えたかというほぼ一点です。自社の工場に自家発電の設備を持つ製紙会社の話も聞く機会もありましたが、その投資コストまで考えると経済性に乏しく、綜合したコスト高騰分を製品価格に転嫁する難しさを考える時、海外の市場を含めて競争能力の低下が否めないと慨嘆していました。即ち、実務経験者が少ない左寄りの民主党には産業界の仕組みと経済は解らないという見方です。

要するに私の原発支持論は経済性(コスト)に立脚していて、例えば2030年までは可能な限り多くの原発を操業すべきだろうが、その間に代替のエネルギー源の開発に努めるべきだとの安倍内閣の政策を支持するとの主張です。但し、太陽光発電は愚かな菅直人が孫正義に誑かされたものであり、コスト効率が低いと散じます。では他に何があるのかという問題に撞着するでしょうが、逃げを打てば「それは私如きが関知する分野ではない」としか言えません。視点を変えれば、福島の事故の際に民主党政権であり、菅直人が総理だったことが最大の敗因だと指摘しています。

しかし、私の原発の問題についての意見は、上述のように受け売りが多いことと個人的な「菅直人嫌い」が大部分を占めております。ではあっても、多くの関係者の意見を聞ける機会を得たことと、アメリカの大手メーカーに在職し「コスト軽減が如何に重要か」を直接に経験したから言えることでもあると申し上げます。また、代替エネルギー源については何も太陽光発電だけではなく、バイオマス燃料、地熱等が論じられておりますが、この問題はここで採り上げることではないと考えております。
<引用終わる