新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

3月20日 その2 カタカナ語の面白さ

2017-03-20 14:22:37 | コラム
商品名が普通名詞化したものもある:

19日は好天に誘われて久しぶりにダウンジャケット以外の物、すなわちジャンパー(英語ではjacketで括られているが)を羽織って散歩に出た。そして普段は滅多に行かない百人町の裏通りに出てみた。さらに余談だが、先日日本大学・法学部のST教授と語り合った際に、多くの私立大学が都内に回帰している現象が話題になった。そして、私が昨日発見した物は、我が家から直線距離では200 mほどの場所に、桜美林大学の校舎の新築工事の現場を発見したのだった。

この大学は都下町田市にあるものとばかりに思っていたので、これは回帰ではなく「新規進出」かと思っていた。だが、大学などが出来れば、ただでさえ食べ物屋が少ない静かな街と書こうと思ったが、決してそうではなくなったアジア人の居住区が一層賑わうかなど考えてしまった。だが、Wikipediaによれば、桜美林大学は既に都区内にキャンパスを持っていたのだった。故に、これは拡張のようだ。

さて、本題である。思い浮かぶままに並べてみよう。

タッパー:
先頃何処かのテレビ局で「それをタッパーに詰めて」と言っていた。しかし、もう「タッパー」と普通名詞化してしまったポリエチレンか何かの樹脂で出来た密閉型容器は、そもそもはアメリカの”Tupperware Brands Corp.“の商品名で、あの「タッパーウエア」という名の容器が進出してきた時にはかなりな衝撃だったし、その便利さが歓迎されていた記憶がある。その後にパテントが切れたのかなんだか知らないが、同種の容器が沢山(国産でも?)出てくるに及んで「タッパーウエア」の頭の部分だけが残り、恰もファーストを名字と誤認識したように、「タッパー」が普通名詞となってしまったのだ。

バンドエイド:
英語にすれば“BAND-AID“だが、これはアメリカのJohnson & Johnson社の商品名であり、普通名詞では“adhesive plaster with gauze“などとなるようだ。我が国ではこの「ガーゼ付き絆創膏」はほぼ「バンドエイド」と普通名詞化されて通用している。

私はそれで通用すると思い込んでいたので、2006年1月の最初の心筋梗塞で入院した際に看護師さんに「バンドエイドをください」と願いしたら「カットバンですね」と言われたので、これが普通名詞かと思っていたが、これは祐徳薬品という会社の商品名だった。では、一体何と呼べば良いのだろうか。「ガーゼ付き絆創膏」では長いし、理屈っぽい。因みに、「ガーゼ」は英語では“gauzeとなっていて、発音が「ゴーズ」となるので要注意だ。

ソース:
これも興味深い一例である。「ソース」とは広辞苑には「西洋料理の調味に用いる液体。料理の一部として用いるほか、調味料として市販されているものもある」となっている。だが、我が国では一般的に「ソース」と言えば“Worcestershire sauce“即ち、「ウスターソース」のことを指すようになってしまっている。「ウスターシャー」何処かに消えて「ソース」だけ残って「醤油」と並んで調味料の主力をなしている。

ビニール傘:
これは上記の例とは一寸異なるが、既に別途採り上げたが、あらためて論じてみよう。使われている透明乃至は半透明のシートというかフィルムというのか、あの傘の材料は「ビニール」ではないのが普通だ。だが、誰もビニールと呼んで憚らないのが面白いと思う。我が国では戦後まもなく“vinyl”(発音はヴァイニル)が導入された時に躊躇わずに「ビニール」と読み、そのままカタカナ語化してしまった。

我が国ではそれだけに止まらず、すべてのプラスティックス類をを「ビニール」で括ってしまう荒技までやってのこけたのだった。念のために付記しておけば、化学用語では「ビニル」となっている。


東京都議会の百条委員会と浜渦元副知事

2017-03-20 10:45:56 | コラム
予想通りだった濱渦氏の証人喚問:

私は石原慎太郎元都知事が強硬に反小池都知事の立場を明らかにした以上、濱渦氏が都議会議員の幹事たちに恭順の意を表するとはとても考えられなかった。質疑の状況はニュースでつぎはぎに見ただけだが、濱渦氏は厳しい口調で明解に質問に答え「水面下でやりましょう」のような問題については、明快に「東京ガス側の提案だった」と言い切った辺りは流石だったと思って聞いた。

私は濱渦氏が「ストーリーを作ってそれに基づいて質問するな」と声高に決めつけたように、質問する側が確たる証拠や確信を持って尋ねていない様子が明らかになってくるのを聞いていて、「今更、責任が誰にあるかとか、どの部局にあるかなどを決めつけることにどれほどの意義があるのか」をかえって立証してしまったのではないかとすら思わせてくれた。彼らこそ小池都知事の心中というか、ご意向を忖度しているのではないかと感じていた。

あのような、言わば国会における野党議員たちの揚げ足取りの質問がその根拠が薄弱で、時には「週刊誌にこういう記事があったが、真実か」と愚にもつかないことを詰問するのにも似ているような気がするのだ。ここで思い出したことがある。それは、嘗てTBSで大橋巨泉が司会をしていたクイズ番組の出演者だった学習院大学教授だった故篠沢秀夫氏が長嶋茂雄氏の語り口は「週刊誌や新聞の言葉遣いそのものだから云々」と批判していたことだった。伝聞を元に質問していては歳費の無駄遣いだ。

都会議員たちは調査と情報収集能力が乏しいのだと思わせてくれた喚問だった。あの有様では、20日にその健康状態に鑑みて1時間に短縮したという石原元都知事に「以下、浜渦元副知事の答えと同じ」とでも言われれば、何の成果も上がらないないだろう。それに、彼はかの記者会見で「裁可した責任は自分にある」と認めていたではないか。もし都議会議員たちがつけいる隙があれば「自分が就任したときには豊洲移転が既定路線だった」という辺りだろう。

話を変えるが、またぞろベンゼンが100倍も出たとテレビ局はまるで鬼の首を取ったかのように嬉しそうに報じるが、平田座長も専門家も「地下水のことであって心配ない」という件は避けている。彼らにとっては地下水が安全では「犬が人を噛んだ」程度であり面白味がないのだろう。この世には偏った連中が多過ぎて困る。