新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

3月12日は長い夜となった

2017-03-13 08:01:22 | コラム
WBC野球第2次予選対オランダ戦:

勝った方が強いのだろうが、12日はその強い方が勝つまで4時間46分もこの野球を見続けて、終わってみればほぼ真夜中という長い1日だった。勿論勝った方が強かったのだが、勝つ為にあれほど手間をかけて時間をかけることはなかったと思うのだ。何と言っても、このWBC野球で勝ち進んできたことの功労者は打って当たり前で打たないと困る中田と「まさかあれほど打つとは期待していなかった」小林だろうと思う。流行のおかしなカタカナ語を使えば小林は「グッド・ジョブ」である。

試合開始前の閃きでは希望的観測も入れて「日本の勝ち」だったが、誠に危なっかしい勝ち方で矢張り監督の腕の問題が大きかったと思う。その最たる例が昨夜もまた投手起用で、解説の古田が「ここで平野ですか」と言ったほど不思議だった余りに早めのオリックスの平野の使い方。古田は言外に「もっと後になってから出すべき投手だろう」と指摘したと思って聞いた。

おかしな投手起用の極にあったのが、僅か1点の差しかない9回の裏に、既に一度芳しからざる結果を出していた則本を出したことだった。逃げ切れたかも知れない試合を延長戦に持ち込ませてしまった。あの時は牧田が出来上がっていた様子だったし、実績からも牧田を締め括りに使うものだと思っていれば、出てきたのが何と則本だった。かれは原辰徳に「力み過ぎで体が早く開いている」と指摘されていたにも拘わらず、昨夜も力み返っていた。

明らかな投手起用の失敗で、私は監督の采配に問題があると言ったところ、居合わせた次男は「則本起用を進言したであろうピッチング・コーチに責任があるのではないか」と指摘した。この問題は恰も豊洲を決めた石原元東京都知事に究極の全責任があると言うのと同じで、そこに至るまでの交渉をした浜渦元副知事以下の実務担当者にも責任があるのではないかという議論にもにているかと思った。私は矢張り小久保監督の手腕には問題があると断じたい。勝ったから良いというものではあるまい。

野手の使い方にも疑問がある。昨夜は私が何故使わないのかと疑問を呈して置いた秋山を出したところ、1安打で2打点だった。何故か当たっているはずの松田を引っ込めて本来はショートストップの田中を3塁に使ったが、打つ方は5打数0安打だった。また、とても本調子とは見えない山田を打順を変えては使い続けるが、サッパリ効果が出ない。不動の4番とアナウンサーが連呼する筒香も3振ばかりで何ら勝利に貢献しなかった。

オランダにも少しは触れておきたい。確かにMLBで一本目を張っている者を数多く並べた打線に凄みを感じるが、我が国の投手のように細かく欠点をついて行く投球術の前にあっては「ここぞ」という時に一本が出ず、数えてはいなかったが残塁の山を築いていた。だが、12本も打ったのだから良かったのだろう。あの敗戦の最大の原因は、意外にも冴えなかったヴァンデンハークにあったと思う。NPBで昨シーズン中に見せた切れ味がなく自責点が5とあっては、実質的な敗戦投手だろう。

次は14日にキューバで、15日が私には未知数のイスラエルだ。ここまでが4戦全勝だが、この方が勝手知ったるキューバよりも怖い相手のような気がする。我が方の鍵は監督さんが握っているのではないかとは言い過ぎか。