新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

7月9日 その2 高齢者を悩ます解りにくい言葉

2019-07-09 16:53:50 | コラム
テレビに登場する者たちの用語:

テレビはニュースとPrime Newsや「報道1930」のような解説番組とスポーツ中継を見ているとは言ってきたが、他にも行きがかり上見てしまっている番組もある。そこには所謂タレントや芸人たちが出てくるのだが、そういう連中が好んで使う表現の中には「どういう意味かな」と判断に迷う俗語か隠語の中に入れても良いかと思わせられる「新日本語」のようなものがある。その昔はこの手の言葉はバンドマンが使っていたものを若者が気取ってと言う格好が良いと思って真似ていたのだが、現在の新語とは趣を異にしていたと思う。

そういう言葉を思い出せる範囲で取り上げてみれば「音階を使って数字を表す」ものがあり、確か「ツェー万ゲー千」と言えば2万5千のことだったようなものだ。その他には、今でもその流れが踏襲されており言葉をひっくり返して言うのも流行っていた。直ぐに思い浮かんだ例に「ねーかねーか」があるが「金があるか」という意味だったと思う。現在で思い当たるのはサマーズが出てくるテレ東の番組のナレーションに「どいひー」というのが屡々聞こえてくるが、あれは「酷い」を逆さにしたと思って聞いている。そこで後期高齢者を惑わす現在の芸能界用語である。

ガチ:
先ずは「ガチ」というのがあるWeblioによれば「真っ向から勝負するという意味で、「本気で」「本当に」「真剣に」などの意味合いでも用いられる。」とある。それを短縮して「ガチ」としたのだそうだ。広辞苑には「相撲で、真剣勝負。広く、正面から本気で対決することもいう。がちんこ。」とある。「へー、そうだったのか」と言いたくなった。

テンパル:
次はこれを採り上げよう。これは麻雀用語の「聴牌」と何らかの関係があるのかと思っていたらさにあらずで、矢張りWeblioによれば「俗に、気持ちに余裕がなくなること、焦りや不安で満ちた気分になること、いっぱいいっぱいになること、などを意味する表現。 語源については「短気」「癇癪」などを意味する英語「temper」に由来するという見解や、マージャン用語でアガリの一歩手前の状態を指す「聴牌」(テンパイ)に由来するという見方など、諸説ある。」となっていた。ここでも「へー」だった。

ベタ:
三つ目がこれである。これは日本語俗語辞書によれば「「ありきたり」という意味から派生して「面白くない」といった意味でも使われる。 ちなみに楽屋言葉の『べたネタ』とは特に面白みのないありきたりなネタ(関西芸人がツッコミで使う「ベタやなあ」はここからきている)、『ベタな客』とは大笑いするといった感情をあらわすことのない、おとなしい客のことをいう。」というものだと教えられた。

マジ:
未だ未だある。「マジ」というのは「真面目」から派生したものかと考えていた。これも上記の辞書によれば「マジとは真面目の略で、「真面目」「本気」「真剣」「冗談ではない」といった意味で使われる。 マジは江戸時代から芸人の楽屋言葉として使われた言葉だが、1980年代に入り、若者を中心に広く普及。「 マジで」「マジに」といった副詞として、また「マジ○○」といった形容詞的にも使われる。」と解説されていた。芸人どもは「マジっすか」などと使っている。そう言えば「マジ切れ」のような使われ方もあった。

リアル:
最後に「リアルに」という英語のようなカタカナ語のような言葉を。これは最も難物だった。色々と調べてみたが、Weblioの下記の表現が最も良く解説していると思うので引用してみよう。「本当の」、「真の」、「真正の」、「本当」、「まぶ」、「真実」、「実際的」、「自然」等々である。元の英語は勿論“real”であるが、これはOxfordには“actually existing or happening and not imagined or pretended”となっている。ジーニアス英和でも先ず「実在する」と出てくる。矢張り例によって例の如くカタカナ語になったところで、極端なまでに拡大解釈されて使われてしまったようだ。


トランプ大統領を考えると

2019-07-09 10:02:50 | コラム
毀誉褒貶相半ばすると言うが:

私はアメリカの元大学院大学教授だったW社のOBが“I am not a great big fan of President Trump.”と言ったのとほぼ同じような感覚で、あの大統領の振る舞いを見ている。アメリカの私流に言う大手地方紙が自国の大統領を悪し様に言っているのを、我が国のメデイアがそのまま垂れ流しているという見方も心得ている。だが、今回のUKの駐アメリカ大使ダロック氏(Sir Kim Darroch)が本国に発信したトランプ大統領を「無能」であり「不安定」と評したメモの内容がリークされ、遍く知れ渡ってしまったと報じられたのには驚く他なかった。

これまでにもウイキリークスなどという事件もあったし、スノーデンなどという者も現れた。私はUKには国家の情報管理本部がありその点は行き届いていると聞かされていたし、MI-6などというのは映画の中でも絵空事だとも聞いていた。何れにせよ、外国に駐在する大使が本国に向けて発したメモが漏れるべきではないし、漏れたのは異常であり非常事態だと思う。それにつけても感じたことはトランプ大統領に対する評価が、見る人にもよるが余りにも割れすぎているのではないのかという点だった。

私は既に「トランプ大統領が好きではない」という一派に属するかと思っていると表明したが、苟もアメリカの大統領に選ばれた方を好き嫌いの見地から云々するのは避けて、任期が終わって国内外で如何なる実績を築き上げられ、成果を挙げられたかが明らかになってから評価するべきではないか」という考え方を採ることにした。故に、現時点で色々と毀誉褒貶相半ばする感があっても論評を避けると表明してきた。確かに岩盤の非インテリ層のプーアホワイト以下に大統領がworking classと表現された支持層以外でもアメリカ国内では評価する人が増えて支持率が40%を超えたと言われているのも承知している。

昨日もTBSの「報道1930」にゲスト出演されたYO氏は「無秩序的な政策を打っている」という表現をされたが、かかる言い方は所謂専門家の方々の間では決して珍しいことではないと思う。アメリカ国内では知識階級に属する人たちの中でも、内政面での減税やインフラ投資を評価し失業率を下げ、新たなjob(何度でも言うがこれを雇用と訳すのはアメリカの実情を知らない誤訳だ)も大量に増やされたことを高くする向きは増えているようだ。

また、DPRKの金正恩委員長と再三会談されてミサイル発射も核実験もさせなくなったではないかとその実績を自画自賛しておられるが、その通りだと思っている。しかし、同じ核問題が絡んでいるイランに対する強硬な姿勢を見る時に、両国に向けての対応が違い過ぎているという批判的な見方をする専門家もまたいるのだ。そこにはオバマ前大統領が残していった事柄を全て廃棄するという公約を着々と実行されているという評価の仕方がある。

私は既に述べたことだが、トランプ大統領がTwitterを駆使されつつも実行されてきた内外の諸々の政策の底流にあるものは、選挙キャンペーンの頃から掲げてこられた「アメリカファースト」と「アメリカを再び偉大に」が流れているし、一部の専門家や評論家が指摘したがる「全ては再選に向けてのプロパガンダであり、岩盤の支持層向けという点がある」というのも、強ち真っ向から否定しきれない様相があるかと思わせられる。

私はここから先は対中国との貿易を含む重大な交渉、イラン問題の処理、改訂されたNAFTAの議会での承認、NATOとの関係、DPRKとの非核化交渉(既にビーガン氏は「凍結案」を言い出したとか)、国内の利下げ問題、我が国との貿易赤字解消交渉等々、選挙キャンペーンなどを離れても、交渉し解決すべき案件が山積している。アメリカとトランプ大統領の命運はかかる案件群を如何に快刀乱麻を断つが如くに解決して行かれるかにかかっているのではないかと思っている。その時期の最中にあって、大統領の能力を批判するような行為は適切かなと思って、UKの一件のニュースに接している。