「有志連合」って何のこと:
私は以前から我が国で普及している外国語の日本語訳には面白いというか、何故原語からそこまで離れた所謂「意訳」のし方をしたのかと言いたくなる例が多過ぎると指摘して来た。最高傑作は元の表現には何処にも“international”という言葉が入っていなかったにも拘わらず「国際連合」とされてしまった“United Nations”を挙げてきた。こう訳したのは何処の何方か知らないが、私には「何かに気を遣ってこう表現したのであって、敵国条項が存在することなどを一般の国民に見せたくなかったのだろう」と勝手に推理している。
仮にこの訳語が存在していなかった場合に、例えば大学の入試問題などに「“United Nations”を和訳せよ」と出題したら、果たして「国際連合」と訳せる者がいるだろうか。いる訳がないと思う。
ところで、一躍我が国にとって如何に対応するか、または如何にして自国のタンカー等を守るかということで、国家の重大な課題となったホルムズ海峡での「有志連合」って如何なる意味かを考えて見よう。先に言ってしまえば、この元の英語の意味を考える時に何で「有志連合」となっているのも興味深く且つ奇っ怪なのである。偶々23日のPrime Newsで、最近ズバリと言いたいことを言われるようになった宮家邦彦氏が「有志連合」と訳したからおかしくなったと指摘されたことに刺激された次第。
元は“coalition”で、以前にも中近東だったかに自衛隊を派遣することになった時にも、この「有志連合」が使われていたので、おかしな訳語を作り出したものだと感心した記憶がある。いきなり例文を出してしまえば、“coalition government”と言えば「連立内閣」という意味で、何処にも「有志」は関連していない。ホルムズ海峡の場合には自国乃至は他国の船舶を守ろう(何処の国か海賊からなのか)という意志を持った国の代表が集合すれば「有志連合」でも良いのだろうか、“coalition”にそういう意味があるか辞書を引いてみよう。
Oxfordには先ず名詞として“a government formed by two or more political parties working together”と出てくる。次は“a group formed by people from several different groups especially political ones, agreeing to work together for a particular purpose”とあり、これには多少「有志」が入り込む余地があるかと思える。それではとジーニアス英和をみると「(正式)(党・国家などの一時的)連合、合同、(政治)提携」とあった。宮家氏が「有志連合何でするから・・・」と批判的に言われたのは解らないでもない。
マスコミの中の某通信社がそう訳したのか、政府の意向でそうなったかは知らないが、私には陳腐な言い方で恐縮だが「忖度」したい訳者の意向が濃厚に出ていると思う。私には外国発の言葉を訳す時に何故ここまで卑屈になって外国のご意向に阿らねばならないかが解らないのだ。「イランの脅威から自国船を守ろうとする集団」ではいけないのだろうか。乃至は何故「自営の集団」にはならなかったのだろうか。何処の国にも「守ろう」という意志はあるはずだから、“coalition”のそもそもの意味は無視して「有志連合」としたのか。面白い精神構造だ。
「何だ、結局は英語の講釈だったか」と言わないで頂ければ幸甚だ。
私は以前から我が国で普及している外国語の日本語訳には面白いというか、何故原語からそこまで離れた所謂「意訳」のし方をしたのかと言いたくなる例が多過ぎると指摘して来た。最高傑作は元の表現には何処にも“international”という言葉が入っていなかったにも拘わらず「国際連合」とされてしまった“United Nations”を挙げてきた。こう訳したのは何処の何方か知らないが、私には「何かに気を遣ってこう表現したのであって、敵国条項が存在することなどを一般の国民に見せたくなかったのだろう」と勝手に推理している。
仮にこの訳語が存在していなかった場合に、例えば大学の入試問題などに「“United Nations”を和訳せよ」と出題したら、果たして「国際連合」と訳せる者がいるだろうか。いる訳がないと思う。
ところで、一躍我が国にとって如何に対応するか、または如何にして自国のタンカー等を守るかということで、国家の重大な課題となったホルムズ海峡での「有志連合」って如何なる意味かを考えて見よう。先に言ってしまえば、この元の英語の意味を考える時に何で「有志連合」となっているのも興味深く且つ奇っ怪なのである。偶々23日のPrime Newsで、最近ズバリと言いたいことを言われるようになった宮家邦彦氏が「有志連合」と訳したからおかしくなったと指摘されたことに刺激された次第。
元は“coalition”で、以前にも中近東だったかに自衛隊を派遣することになった時にも、この「有志連合」が使われていたので、おかしな訳語を作り出したものだと感心した記憶がある。いきなり例文を出してしまえば、“coalition government”と言えば「連立内閣」という意味で、何処にも「有志」は関連していない。ホルムズ海峡の場合には自国乃至は他国の船舶を守ろう(何処の国か海賊からなのか)という意志を持った国の代表が集合すれば「有志連合」でも良いのだろうか、“coalition”にそういう意味があるか辞書を引いてみよう。
Oxfordには先ず名詞として“a government formed by two or more political parties working together”と出てくる。次は“a group formed by people from several different groups especially political ones, agreeing to work together for a particular purpose”とあり、これには多少「有志」が入り込む余地があるかと思える。それではとジーニアス英和をみると「(正式)(党・国家などの一時的)連合、合同、(政治)提携」とあった。宮家氏が「有志連合何でするから・・・」と批判的に言われたのは解らないでもない。
マスコミの中の某通信社がそう訳したのか、政府の意向でそうなったかは知らないが、私には陳腐な言い方で恐縮だが「忖度」したい訳者の意向が濃厚に出ていると思う。私には外国発の言葉を訳す時に何故ここまで卑屈になって外国のご意向に阿らねばならないかが解らないのだ。「イランの脅威から自国船を守ろうとする集団」ではいけないのだろうか。乃至は何故「自営の集団」にはならなかったのだろうか。何処の国にも「守ろう」という意志はあるはずだから、“coalition”のそもそもの意味は無視して「有志連合」としたのか。面白い精神構造だ。
「何だ、結局は英語の講釈だったか」と言わないで頂ければ幸甚だ。