新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

7月24日 その2 恣意的な訳語が多過ぎないか

2019-07-24 15:48:09 | コラム
「有志連合」って何のこと:

私は以前から我が国で普及している外国語の日本語訳には面白いというか、何故原語からそこまで離れた所謂「意訳」のし方をしたのかと言いたくなる例が多過ぎると指摘して来た。最高傑作は元の表現には何処にも“international”という言葉が入っていなかったにも拘わらず「国際連合」とされてしまった“United Nations”を挙げてきた。こう訳したのは何処の何方か知らないが、私には「何かに気を遣ってこう表現したのであって、敵国条項が存在することなどを一般の国民に見せたくなかったのだろう」と勝手に推理している。

仮にこの訳語が存在していなかった場合に、例えば大学の入試問題などに「“United Nations”を和訳せよ」と出題したら、果たして「国際連合」と訳せる者がいるだろうか。いる訳がないと思う。

ところで、一躍我が国にとって如何に対応するか、または如何にして自国のタンカー等を守るかということで、国家の重大な課題となったホルムズ海峡での「有志連合」って如何なる意味かを考えて見よう。先に言ってしまえば、この元の英語の意味を考える時に何で「有志連合」となっているのも興味深く且つ奇っ怪なのである。偶々23日のPrime Newsで、最近ズバリと言いたいことを言われるようになった宮家邦彦氏が「有志連合」と訳したからおかしくなったと指摘されたことに刺激された次第。

元は“coalition”で、以前にも中近東だったかに自衛隊を派遣することになった時にも、この「有志連合」が使われていたので、おかしな訳語を作り出したものだと感心した記憶がある。いきなり例文を出してしまえば、“coalition government”と言えば「連立内閣」という意味で、何処にも「有志」は関連していない。ホルムズ海峡の場合には自国乃至は他国の船舶を守ろう(何処の国か海賊からなのか)という意志を持った国の代表が集合すれば「有志連合」でも良いのだろうか、“coalition”にそういう意味があるか辞書を引いてみよう。

Oxfordには先ず名詞として“a government formed by two or more political parties working together”と出てくる。次は“a group formed by people from several different groups especially political ones, agreeing to work together for a particular purpose”とあり、これには多少「有志」が入り込む余地があるかと思える。それではとジーニアス英和をみると「(正式)(党・国家などの一時的)連合、合同、(政治)提携」とあった。宮家氏が「有志連合何でするから・・・」と批判的に言われたのは解らないでもない。

マスコミの中の某通信社がそう訳したのか、政府の意向でそうなったかは知らないが、私には陳腐な言い方で恐縮だが「忖度」したい訳者の意向が濃厚に出ていると思う。私には外国発の言葉を訳す時に何故ここまで卑屈になって外国のご意向に阿らねばならないかが解らないのだ。「イランの脅威から自国船を守ろうとする集団」ではいけないのだろうか。乃至は何故「自営の集団」にはならなかったのだろうか。何処の国にも「守ろう」という意志はあるはずだから、“coalition”のそもそもの意味は無視して「有志連合」としたのか。面白い精神構造だ。

「何だ、結局は英語の講釈だったか」と言わないで頂ければ幸甚だ。


大久保通りで思ったこと

2019-07-24 08:10:15 | コラム
日本の若者は韓国に対して公平で優しいようだ:

今月は病院通いもあって大久保通りを何度かバスで往復した。特に夏休みに入ってから(何時からだか知らないが)は特に若い女性たちで韓国系の多くの料理屋(テレビで聞く限りでは芸人たちは「ご飯屋さん」と呼ぶようだが)と化粧品屋は大繁盛であるようだ。私はこの現象を見ても痛感するのだが、テレビでは「我が国と韓国の間は政治的には余りにもギクシャクしているが、民間では観光客も数多く来日するし、若者はK―POP等を好み、何とかドッグ等食べに大久保通りに殺到しているように民間交流が盛んであるし、彼らは日本が好きだ」などと脳天気なことを言っている。

私が毎月指摘しているように若き婦女子たちは我が国と韓国と間に吹きすさぶ不協和の嵐など何処吹く風で、「何処が美味なのか」も解らない「~ドッグ」を食べに何時までも群を為して押し寄せて大久保通りを賑わしているのだ。彼女らは決して韓国に悪感情などを持ち合わせていないようだ。その有様は恰も経済的に困窮しつつある韓国の財政を無意識に援助しているかの如きだ。如何にも公正でフェアーではないか。ここ大久保から百人町のKoreatownはかくして息を吹き返してしまった。

我が国民が政治問題を離れて如何に公平で偏見がないかを示す例に、女子のプロゴルフがあると思っている。2年ほどは不振の谷底に沈んでしまったイボミというマスコミが美女だと呼ぶ強いゴルファーがいる。私は韓国が我が国に対して不当な条約違反等を繰り返すならば、我が国のプロゴルフ界から数十億円にも及ぶかと疑っている賞金を取って行ってしまう韓国人ゴルファーのヴィザ発給を考え直したどうかとまで言ってきた。ところが公平でフェアーな我が国の韓国の女性ゴルファーの支持者たちはイボミのファンクラブまで作ったそうだが、こういう時期にイボミのファンクラブを結成するなどとは余りにも無邪気だし公平ではないか。

ゴルフの中継で解説する人たちもキチンと韓国人ゴルファーを「さん」付けて呼んで一定以上の配慮を示している。何と言う美しい韓国人も含めた外国人に対する配慮かと私は寧ろ感心している。文在寅大統領以下の韓国政府の高官たちは、我が国ではこちらに来て稼いでいる者たちに対してもここまで丁重に扱っていると承知なのかと疑っている。我が国で韓国製品の不買(不売)運動など一度でも起きたことがあったか。私はフェアー過ぎるのではないかとすら考えている。

私は何も新宿区百人町や大久保に押しかけてくる若者たちに政治的意識に燃えろとまで言う気はない。だが、文在寅大統領以下は彼らと我が国の民間における対韓国感情がこれほど安定し且つ公正・公平であることを少しは意識して、一度でも良いから「我が国の若年層や芸人や運動選手たちがお世話になっております」と挨拶してもバチは当たらないと思う。Jリーグにだって韓国代表級の選手たちに貴重な働く(稼ぐ?)場を提供していると経済政策を誤った文在寅大統領以下は承知しているのだろうか。