新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

7月25日 その2 英語の問題ではない

2019-07-25 13:24:47 | コラム
WTOでの発言:

プリゼンテーションの技法であるとも言えることだ。先ほど外務省の対外的交渉乃至はプリゼンテーションの際の英語の質を問題にするようなことを述べたが、誤解を避ける意味でも補足しておく。


問題は英語が上手いか下手かだけではないのだ。勿論、native speakerたちと比較しても遜色がない英語力がある方が良いに決まっている。だが、そこで経験上も指摘出来ることは「如何に緻密に論旨を組み立てて、説得力があり、聞き手を引き入れるか、聞こうとさせるかが重要で肝腎な点なのである。換言すれば、ペラペラと英語でまくし立てるだけで説得力がなければ、無意味だと言うこと。

以上、念の為に申し上げておく次第だ。

対韓国悲観論者の弁

2019-07-25 08:45:45 | コラム
WTOと対韓国の輸出手続き変更問題:

私は「韓国は何事でも我が国が相手となるか、我が国を勝手に相手として設定してきた場合には、予期した以上の力を正常に発揮することもあれば、関係していようとしていまいと世界の諸国に得意のロビーイングを展開して我が国を貶めてきた歴史があること」を忘れてはならないと思っている。スポーツの面ではサッカー、野球、ヴァレーボール、バスケットボール等々では、世界のランキングで下位にいても我が国の代表を打ち負かしてきたことが遺憾ながら非常に多かった。特にゴルフでは再三指摘したように、毎年世界的な女子のプロの実力者たちがアメリカの市場を捨てて我が国のトーナメントで巨額の賞金をさらっていった。

それとWTOと言うか「輸出手続きの変更問題」と何の関係があるのかと訊かれそうだが、私は彼らの我が国を標的とした場合に発揮してくる裏表の作戦の展開を警戒するから言うのである。特に彼らの「2枚舌戦法」で実際に起きたことと全く異なる、如何にも自分たちに正義も理もあって、我が国が無法なのであるという宣伝の仕方は要注意であると見ている。現に、先頃経産省で開催された説明会でも「協議」であるとの主張を変えず、実際に経産省から説明されたことと自分たちの主張を完全に歪曲して自国内で発表していたではないか。

これと同じ手法でWTOにも臨んでくるのは明らかではないか。現に細川昌彦氏以下が一致して指摘したように世耕経産相の言わずもがなの3番目の項目を挙げて「報復だ」と主張していたではないか。私は彼らの論旨のすり替え問題も危険だと認識しているが、それにも増して危険なのは、虚偽の情報で固めた内容であっても、それをWTOの諸国に向けて遍く広報活動と陰に陽に展開していくだろうロビーイングによる懐柔作戦を恐れている。水産物の件の放射能とは問題が違うとの楽観論もあるようだが、私は諸外国がどう受け止めるかを楽観視しない方が良いと悲観的に考えている。

24日夜のPrime Newsに登場された上智大学法学部の川瀬剛志教授の解説は、初めの部分では悲観論者の私の懸念通りに韓国が提訴にまで持ち込んだ場合には、我が国の敗訴もあるかと思わせられたほど具体的で、我が国のフェアープレーのみの作戦に疑問を呈されたかの如きだった。私は川瀬教授の解説もさることながら、WTOの会合に出席されたのが経産省代表ではなく、外務省の経済局長だったのには大いに不安感を募らせられた。それは経済的な問題と主張するのだし、東京で説明会に臨まれたのも経産省の課長たちだったからだ。

私が何故不安に感じ方かと言えば、今日までに外務省の対外的交渉の仕方は品が良過ぎて相手方を圧倒するような論旨を展開した例を余り知らないので気になったしまったのだ。それだけではなく英語による発言でも、何度かテレビで流れた音声だけで判断して言えば、主張の内容が綺麗事だし声を張って強調すべきところでもノンベンダラリと平板に流れていて、およそ迫力に乏しいと思っていたからだ。この点は英語が上手いか下手かではなく相手を如何にして圧倒し、且つ聴衆に効果的に訴えるかの問題である。

しかも、フジテレビが韓国代表的に呼んできたのが毎回Prime Newsに登場する度に無茶苦茶な論旨を展開して「韓国こそ正当で日本が誤っている」と何ものを恐れずに発言する恵泉学園大学の李教授だったから始末が悪かった。彼が如何にハチャメチャかを示す例に、反町を苦笑させた「日本が韓国が不正に輸入品を横流しなどしていると言うのならば、その実例を挙げて証明せよ」と言い出したのだった。反町も「我が国がそこまで追える訳がないではないか。反証を挙げるのは韓国側の仕事」と切り返したら黙った。

川瀬教授は「韓国が提訴に持ち込んでも言わば二審に当たる上級委員会に行けば、そこは定員7人に対して3人しかおらず、そのうち2名も年内で任期が切れるので、そこまで事が挙がっていっても審議しようがなく結論は出せずに事が終わる」と指摘された。私はそこまでで「それでは韓国は何を狙って提訴の持ち込もうとするのか」と単純に疑問に感じたし、ある意味で安心もした。だが、我が国がこれまでのように上品に「正義は勝つ」か「神のみぞ知る」的な姿勢でこの件に当たっていれば、一審では負けることがあり得るかとは矢張り悲観的にならざるを得ないのだ。

川瀬教授も「我が国も韓国に対抗すべく諸外国向けにそれなりの手を打っておられるだろう」という、言わば希望的観測のような「だろう話」をしておられた。もしかして、我が国もチャンと外交ルートを通じて多くの関連する国に我が国の手続き変更の正当性を訴えていると教授はご承知でも、敢えて明言を避けられたのかも知れないと好意的な解釈も出来る。だが、相手は何分にも「嘘でも百回言えば本当になる、いや、してしまえ」という「日本憎し」で凝り固まっている文在寅大統領率いる、我が国が相手となると異常な闘志を燃やしてくる韓国である事を忘れてはならないのだ。