新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

私は気懸かりだ

2019-07-23 13:49:59 | コラム
近頃一寸心配なこと:

折角安倍総理が言わばトランプ大統領の言わば表見代理かと思わせられる形でイランを訪問されてきたにも拘わらず、アメリカとイランの間は好転する兆しもなく、イランはイランでホルムズ海峡を航行する各国(という中に勿論我が国のタンカーが入っている)の船舶に対する妨害行為の如き事を仕掛けてくるし、無人機の落とし合いも開始されてしまったようだ。言うまでもなくこの事態は我が国だけにではなく、国際的に重大な問題である。

目下来日中のボルトン補佐官もこのホルムズ海峡の安全な航行に関する有志連合への我が国の参加を交渉されているようだ。ここ件についてはトランプ大統領が声高に言われるように「自国の船の運航は自国で守るべし」ということが当て嵌まると思っているし、現時点では憲法がどうしたの法的な規制があって自衛隊を出動はさせられないという理屈を簡単に認めている場合ではないと思わせられる。あの岩屋防衛大臣の手に委ねて良い問題かと痛感するし、イランとどのように話し合うかも喫緊の課題であるとしか思えない。

そういう問題が生じた時に我が国では参議院選挙がぶつかっていて、総理以下それだけでも手一杯のように見えたにも拘わらず、相変わらぬ韓国の無法な出方にも緊急に対処せねばならぬ事態も一向に好転せずどころか、悪化の一途を辿っている。安倍総理の選挙後の党内の人事問題を抱えておられるようだし、参議院を開いて議長を決められねばならぬようだが、どれとどれにどのように優先順位を付けられるべきかの判断も迫られているのではないか。

考えて見れば、現在のイラン絡みの国際情勢はトランプ大統領の(オバマ大統領時代の遺産であった)イランとの核合意から離脱されたことから緊急に生じた事態だった。それに加えて、トランプ大統領が就任前から唱えておられた「日本が安保条約に依存して何もしないでも良く、一朝事あればアメリカだけが血を流して日本を守るのは不公平である」を、大統領として公式といっても良い形で発言され、安倍総理にも告げられたとあっては、我が国の有識者たちの意見も変わってきた。

勿論私の個人的な感想だが「トランプ大統領は我が国の憲法は何処の国がお決めになったかを百もご承知で言っておられるとしか思えないのは辛いな」という気がしてしまうのだ。今日まで僅か数名にしか当たってみたことはないが、私も含めて「我が国が自国の防衛を考え直すべき時に至っているとは思うが、トランプ大統領が・・・」という意見を述べる人がいたのも確かなこと。ではホルムズ海峡とその有志連合に参加するか否かも含めて、選挙も終わった現時点では、2,000万円がどうのとか年金がどうしたという野党如きの言い分に耳を傾けている時ではないのは明らかだと思う。

さは去りながら、ある調査の統計によれば「国内でお金が不足して買いたいだけの食料が買えないで苦しんでいる」と答えた人が14.1%もあったそうだ。看過出来そうもない数字だ。総理は内閣改造も検討されているとの報道もある。だが、上記のような喫緊の課題を処理する為には、派閥内の順番や当選回数で選ばれただけの専門分野もなく、議員としての経験が浅い者が大臣に任命されて事に当たられるのであれば、甚だ不安である。

と言うのも、私か感じてきたというか評価してきた限りでは、第二次(2回目の政権担当時の内閣をいう)安倍内閣の閣僚の実力が最善であって、それ以降改造毎に質が低下してきたとしか思えない大臣が増えてきていたと思う。総理には是非十分にその辺りのご配慮願いたいものだと願っている、もしまた改造されるのであれば。ここが掲題の「一寸心配なこと」なのである。


吉本の岡本昭彦社長の記者会見の改訂版

2019-07-23 08:08:42 | コラム
岡本社長はさぞかししんどかったやろな

22日のソファーに横になって脚を頭よりも高く上げた不自然な姿勢で吉本興業の岡本昭彦社長(推定55歳、天理大学フットボール部のQBだったそうで)の記者会見と質疑応答を聞いていた。いきなり余談だが、この姿勢は国立国際医療研究センター病院に泌尿器科で夜間の頻尿を防止するように指示されたもので、実際に効果を発揮しているのだ。私はあの会見を聞かれた方は、この社長の語り方のまだるっこさと何が言いいたいのか全く要領を得ない説明にウンザリだったと思う。また内容が宮迫等の芸人の言い分に全面降伏的だったのにも驚かされたが、落涙したのは醜態だったと言わざるを得まいと思う。

既に多くの有識者が酷評されたように吉本興業は会社の体を為していないと言いたいのは解る。だが、あの業界の中のあの会社に接しておられた方々はそれくらいは先刻ご承知だったろうと私は思っているし、今更多くの上場企業のように国立一期校や三大私立等の出身者で経営陣も中堅社員も固めてある会社と比較して論じているかの如き批判の仕方が、吉本に対して適切か否かは大いに疑問に思うのだ。とは言うが、岡本社長は図らずも吉本という会社の実態を自ら暴いて見せた結果になったのは間違いないところだろう。

私には吉本を弁護する気など微塵もないが、あの記者会見を聞いていて「相撲協会が同じ興行をする団体としては、運営する組織としての体を為していないのと似ていると思う方がおられるのではないか」と感じていた。

それでも私にはあの社長に同情する点が一つだけある。それは関西出身だったかの出身の岡本氏は、吉本は歌舞伎町だったかに東京本社(で良いのか?)を設けたようで、あの会見も関東弁的な言葉遣いで懸命にやっておられたのが印象的だった。これは私が1962年に生まれて初めて大阪支店に転勤した時に経験したことだが、関西の商売人の恐ろしいような相手を刺すが如ききつい言葉遣いでの問答(商談)などには簡単に付いていけなかったのと同じではないのかと感じた。共通語というか標準語ばかりで質問する人たちに社長の言い分が理解されるのかとも疑った。

私の経験を申し上げてみれば、初仕事のようなことで支店長代理と課長との3人で吹田市にあるメーカーの工場に価格交渉に出掛けた時の驚愕は未だに忘れない。この交渉は関西独特の激しいというか荒々しい言葉遣いで猛烈な遣り取りとなって、新参者の私は何時殴り合いになるかとハラハラしながら聞いていた。ところが、交渉はアッという間に落着して「えー話し合いやったな」となって「ほんならもう遅なったから、クラブに行って麻雀でもしよか」と、あれほど激論を交わした残渣も見せず感情的な気配などなく、「そうしよか」となったのには本当に驚かされ、関東との言葉遣いの違いだけではない相違点に触れた思いにされられたのだった。

宮迫か田村が言った「君等テープを回しているのじゃないか」は、実際には彼は「自分らテープ回しとんのちゃうか」と冗談のつもりで言ったと釈明したが、宮迫らにはそうとは取れなかったほど過度の緊張があったらしい。また、「君等をクビにする力がある」も彼の弁明から察するに、元は「わしにはやな、自分らをクビにすることだってできんねんで」という軽い言い方だったかも知れないと想像は出来る。宮迫たちも記者会見をほぼ関東弁擬きででやっていたから、元の関西弁の微妙なギャグの真意が受け取られなかったという弁解だったが、少し解らないでもない。

私は関西の人が東京に出てきて関東弁(共通語?)が非常に切り口上に聞こえて怖かったし、冷たいと嘆いた話を何人もの関西人から聞かされた。納得出来る嘆きだと思って聞いた。それほど東西では言葉遣いに差があるのだ。私はあれならば岡本社長はいっそ関西弁で押し通した方が良かったのではないかとすら考えた。しかしながら、TBSで誰かが言っていたように「あの社長の話し下手」は相当なものだったし、意図的ではないかも知れないが焦点を外して長々と無意味な答えをしていたのは、事の次第を記者さんたちに正しく理解して貰うことの妨げになっていたのも間違いないと思う。

だが、あの会見が事の内容と吉本の会社としての姿勢を十分に伝えられていなかったのは、岡本社長と会社側の責任であって、東西の微妙な表現と言葉遣いの違いの為のせいではなかったのも明確だ。

以上、不熱心に聞き流していた印象を申し述べてみた次第。