20分超の会談は平行線を辿った:
私は“Better late than never”だと思っていたこの予定時間を大幅に超えた会談の結果を捉えて「平行線だった」などという報道は全く無意味だったと批判したい。20分が長いか短いかではなく、大統領制の国から#2に過ぎない総理大臣が来ても何らかの結論を導き出せるような権限がある訳ではないのだから、所詮はこれまでと同じようなことを述べる以外は月並みな言い方以外出来る訳がないと思っていた。いや、文在寅氏が大統領でいる限り、譲歩する理由も根拠もないだろうと見ていた。文大統領がこの時点で我が国に譲歩すれば、所謂「レームダック」化に向かうだけだから。
安倍総理が1965年の協定を守れと主張されたのは当然過ぎるほど当然であり、我が国の方からそれ以外に主張すべき点などないと言いたいほどだ。文在寅大統領から総理宛の親書の内容は具体的に開示されていないと思うが、既に指摘したように文大統領から何らかの具体的解決案が出てくる理由はないと思っていた。即ち、李首相が具体的な解決策を提案しなかったとの報道も無意味なのだ。具体的に大法院の不当な判決をどうにか処理する気があれば、文大統領自身が来日して安倍総理に膝を屈しても会談を求めるべきだ。
私は上記に“Better late than never”と述べたが、確かに安倍総理と李洛淵首相の会談では遅ればせながら、韓国との話し合いの一歩か半歩くらいかは踏み出したと看做している。我が国は国際協定の遵守とWTO提訴等の言いかがりを撤回させる以外に主張すべき点がない以上、最早「穏やかな無視」の姿勢から脱却して、文大統領と韓国に諄々と道を説いて聞かせるだけだと思う。問題は文在寅大統領以下に我が国の主張を聞く耳があるかという点だ。私が懸念する点は「外務省にそこまでの当然の強硬姿勢を採る勇気があるのか」という辺りだ。