新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

アメリカ合衆国はどうなって行くのだろうか

2020-12-04 12:01:37 | コラム
アメリカ合衆国は変わってしまうのだろうか:

私はこれまでに繰り返して「22年半もの間、身を挺してアメリカの為に、アメリカ側の一員として働いてきた」と述べてきた。その背景には「アメリカは素晴らしい国であり、アメリカが好きだから、そのアメリカの為に役に立とう、そうすることが自分の職の安全を確保する為であり、家族を養っていく私に与えられた最善の方法である」と単純素朴に固く信じていたことがあった。そして、アメリカというかアメリカの企業社会は、その努力にそれなりに報いて貰えたと思ってきた。

だが、そのアメリカの企業社会を離れて間もなく27年になろうとしている。その間にというか、あるいは8年間のオバマ政権に続いて4年前にトランプ政権が誕生してからというべきか、アメリカ合衆国が私の想像が及ばない国に変わって行きつつあるのか、あるいは既に変化してしまったかのようであるのだ。もしも、選挙の結果のように本格的にバイデン政権が始動すれば、またもやアメリカが何れかの方向に変わって行くのかも知れないと期待すると言うよりも、危惧しながら望見している。

ご記憶の方が多くいて下されば幸甚だが、私は繰り返して「アメリカに民主党政権が誕生することは、我が国にとってbad news以外の何物でもない」と指摘してきた。クリントンとオバマ政権がどれほど我が国に冷たく当たってきたか、我が国を無視したかの如く振る舞い「ジャパンパッシング」だの「ジャパンナッシング」だのという表現まで生み出してしまった。彼らの弱気が中国を野放しにして、今日の野望的且つ無法的で侵略的ですらある習近平の登場の素地を作ってしまった。これ以外に幾らでも言いたいことがあるが、これで十分だろう。

そこに、4年前に恰も泡沫の如くに酷評されたドナルド・トランプ候補が出現し、「あれよあれよ」という間にまさかと思われたヒラリー・クリントン候補を破って、大統領に就任したのだった。いや、異色の大統領の登場となったのだった。トランプ大統領がアメリカ全体のごく一部でしかない知識階級というか支配階級というかアッパーミドル以上に嫌悪されていたのは、今更言うまでもないだろう。だが、「彼は形振り構わず自己の掲げた目標に向かって突き進んだ、仮令その評価が分かれていても」だ。

私はその所属していた会社の在り方というか雰囲気からして、支配階層の物の見方と考え方の影響をイヤというほど受けて、22年半を過ごしてきた。その結果として、当然ながら嫌トランプ派となったが、それは必ずしもアメリカの大手メデイアのような「反トランプ派」ではないのだ。私は「トランプ大統領ほど選挙公約を次から次へと実行していった政治家は見たことがない。我が国の政治家たちにはあり得ないことだ」と評価したし、オバマ政権が野放しにした中国と共産党をあそこまで叩くことに舵を切られたことを有り難いことだと思っている。

嫌った理由は、アメリカの支配階層の中で長い年月を過ごしたことがない方にはピンとこないかも知れない。だが、「あのマナーの悪さ(アッパーミドル以上の世界における礼儀作法に反している)、下層である支持層向けに語りかける際の言葉遣いの品格の乏しさ(例えばswearwordを平気で使っておられる)等は、彼らの中ではあり得ないことなのだ。簡単に言ってしまえば「下品であり、好ましくないな」と言っているのであって、政治手法を頭から非難している訳ではないのだ。言うなれば「貶してはみたが、良い面もあるのだ」と困惑している感すらあったという印象もある。

そこに彼ら支配階層も決して評価している訳ではない民主党の、バイデン候補の勝利という選挙の結果が出来た。彼ら嫌トランプ派の中には「トランプ以外なら誰でも」という考え方があったようだが、それがバイデンになってしまったというこのようだ。この辺りで、私はアメリカの元の上司、同僚、友人、知人たちに「民主党をどう見ているか」乃至は「現状をどう考えているか」と照会するのを止めてしまった。中にはSM氏のように「もうウンザリ」というのもあったが、暫く様子を見ようと思っている。

だが、不思議なのはトランプ大統領ががあれほど激しく「民主党側に不正があった」という主張を続けられ、一歩も退く姿勢を見せていないにも拘わらず、ほとんどの州の裁判所はトランプ氏の訴訟を棄却された。我が国には信者が多い産経新聞の有力な記者である古森義久氏などは未だに「郵便投票の結果などを見れば、その州の有権者の数を超える票があった」との説を撤回されていないのだ。更にWilliam Barr司法長官は「不正投票はなかった」とまで言われているのだ。この発言には、何処かの誰かが「バー長官は馘首されるだろう」とまで言っていた。

ここまで長々と述べてきたが、最早アメリカの現状や実情などを詳細に知る由もない私には「何が本当」で「誰が嘘を言っているのか」や「トランプ大統領はバイデン氏を退ける為には、アメリカの法律と何処までも争っていく気か」等々が解る訳はない。だが、単に我が国が直面している「対中国政策」の難しさ、複雑さを考える時に、バイデン政権よりもトランプ政権の方が好ましいと思っている。しかも、体調が戻りつつある安倍前首相とトランプ氏の間柄を考えれば、トランプ政権の継続がより良き選択かと思う。

だが、そこまで読み切ったのかどうかなど知る訳もないが、朝日新聞などは欣喜雀躍して桜問題で「安倍前首相を検察が任意で聴取か」という話題に飛び付いている有様だ。そういう国際的なconspiracyが仕込まれているかなどは知らないが、中国などはトランプ政権の継続は望んでいないのだろうし、中国に強くで当たった安倍前総理も好みではないのだろう。古森義久氏の言を借りれば「今や共和党ではなくトランプ党化した」そうだし、それを第三次オバマ政権にしようとするバイデン政権が本格的に登場すれば、本気で「アメリカ合衆国は何処へ行く」と悩む今日この頃だ。