新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

巨人の二軍監督・阿部慎之助の時代感覚は疑問だ

2020-12-20 10:57:31 | コラム
読売巨人軍がソフトバンク・ホークスに負ける訳だ:

本日はこんな事を採り上げるつもりはなかったが、Yahooニュースにデイリー新潮が野球ライターの西尾典文が阿部慎之助が「試合か練習中に失敗をした二軍選手に罰走を課していること」を批判する記事を書いていたことが採り上げられていたので「なるほど、これでは巨人は弱い訳だ」と、あらためて痛感させられた。とは言うが、選手の鍛え方はその球団それぞれに主義・主張やら伝統があるのだろうから、阿部慎之助は何を言われようと自己の信念を貫けば良いのだ。だが、このやり方では「時代感覚の欠如だ」と言うしかない。余りにも古いのだ。

先日も去る13日に開催された甲子園ボルを論じた際にも指摘したことで、日本大学フェニックスの橋詰功監督はフットボールの練習量を減らしても(と言うかボールを扱わない練習法という意味だが)学生たちにそれぞれに適したウエイトトレーニングをするように指導して、彼らの体格を強化させたと同時に当たり負けしないような筋肉を付けさせたし、ほとんど全員がベンチプレスで100 kgを超えるような力を付けさせていた。

現代のトレーニングの方法としてはこれは当たり前と言っても良い基本中の基本だが、この私でさえこの練習法が半世紀も前からアメリかではごく当たり前のように行われてきたと承知している。アメリカにコーチ留学の経験がある元はと言えば関西の強豪立命館大学のコーチだった橋詰監督は、この方式をフェニックスにも導入して指導し、甲子園ボウルに再登場を果たしたのだ。彼は罰走だの、野球で言う「千本ノック」のような精神主義的な練習法は採らずしてフェニックスを強化したのだ。

私はこれまでに何度も、あるジムで知り合ったフットボールのXリーグのテイームのトレーニングを担当するトレーナーから、20年ほど前に「我が国のスポーツ界におけるトレーニングの方法で尤も遅れているのが野球界で、最も進んでいるのが遺憾ながら未だにマイナースポーツの域を出ていないフットボール界だ。そのいう点ではサッカー界にも未だしと言っても良い問題点がある」と極めて率直な(個人的な?)意見を聞かせてくれたことを紹介してきた。

それなのに、2020年の現在に至っても「何時の日かソフトバンクホークスを倒して、日本一を奪還したいはずの読売巨人軍の明日を担うはずの選手を育成するべき二軍の監督が、罰走のようなことを課している指導法を採っていたとは、その時代感覚の欠如に呆れるだけだ。阿部慎之助はソフトバンクホークスでは「育成として採った素材に先ずウエイトトレーニングによる体格の改善と身体能力の強化を図った」と知らないはずはないと思う。ホークスは何も特殊な練習法を採用している訳ではない。基礎を叩き込んだだけだ。

私は最早、中学や高校や大学等での運動部の練習法というか、部員たちの鍛え方どうなっているかなどを見聞する機会もない。だが、屡々報道等を見れば未だに体罰を科していることがあるようだ。それは指導者たちの勝手だろうが、決して好ましくない。今やこのような精神主義から脱却して合理的というか科学的というか、まともな練習法で部員たちを鍛えていくべき時代だ。読売巨人軍の経営陣や原監督以下の現場で、何名がこの西尾典文の論評を読むのか知らないが、指導方法を再検討しないと何年経っても王会長と工藤監督に勝つことなど出来なくなると懸念するのだ。