新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

新型コロナウイルス対策の不備を衝く

2020-12-08 09:07:57 | コラム
何処のどの対策が不十分なのだろう:

与論調査とやらの結果によれば、菅内閣のウイルス対策に対する不支持率が支持率を上回ったそうだ。尤もな気がしないでもない。だが、感染者が第3波とやらで増加傾向にあるのは「Go to キャンペーン」の推進を止めない菅内閣(と言うよりも菅首相の方針堅持の姿勢)にあると見える一方で、この時とばかりに県境なり何なりを超えて出歩いている善良なる一般市民の行動に加えて,やや無軌道かと見える二十歳台の若者たちの動きも負の意味での貢献をしていると思って見ている。私は後難を恐れて言えば「菅さんのGo to を止めない頑固さ」も原因かと見ている

そういう状況下にあって気になるのが医師会の先生方が強調され、各地の首長が訴えている「最早直ぐそこまでに迫っている医療崩壊」である。聞くところでは、爆笑問題の太田光が「あれほどの感染者と死者が出ているアメリカやヨーロッパの諸国で医療崩壊が生じていると報じられないのに、それよりも一桁も二桁も少ない我が国に何で医療崩壊が迫るというのだろう」との疑問を呈したそうだ。私にはこの疑問の正当性など解らないが、不思議な事が起きているものだなと思う時もある。

アメリカで病院にかかった経験からすれば「我が国ではテレビ報道などで見る限り、実に丁寧に完璧に近い形で多くの医師と看護師さんを動員して患者の手当てをしておられる。しかも皆さんが休憩も休日もろくに取れない形でだ。だからと言うべきか死者も少なく、退院していく患者も多いのではないかと勝手に考えている。アメリカやヨーロッパであれほど親切丁寧な看護をしているのだろうかと疑っている。医師会の先生方もマスコミも、何故そういう文化の違いと言っても良いほどの違いに目を向けないのだろうか。因みに、私はアメリカの医療の大雑把さを何度も述べた。

私が何としても奇異に感じていることがある。それは毎日毎晩テレビの報道を見ていると、兎に角何が何でも「外食業界と外飲業界の苦境をこれでもか」とばかりに採り上げる点だ。先ほどなどは「東京都の40万円の休業補償では2日分の売上げにしかならない」と批判する、女性の店主の声を聞かせた。私に言わせれば「好い加減にせよ」なのだ。私は以前にも述べたが、もう数十年も所謂飲み屋に行ったこともないので、補償すべき業種の優先順位を考えれば、他に優先すべき貴重な業界があると言いたいし,また言えるのだ。

何でも国に逆らう東京都だけの方針かどうか知らないが、こういう業種を補償するのだったら他に補償の予算措置を講ずべき分野があるだろう。それは「日夜休む暇なくコロナウイルスに冒された患者さんたちを懸命に介護された上に、病院が赤字だからと言って賞与まで減額されている医師や看護師さんたちはお気の毒のではないのか」と問いかけたい。報道では病院等に向けるべき予算措置は講じられたとだが、医療従事者、就中看護師さんたちの賞与が従来の額を維持されたという報道は寡聞にして知らない。看護師さんたちの仕事の内容と外食産業のそれとを較べるまでもないだろう。

私は世に言われている基礎疾患を持つ超後期高齢者である。それ故に何時また心臓系の病が襲ってくるかは予想もできない。また、何時何処でコロナウイルスに冒されるかも解らない。その万一の際に外食産業を優先された為に医療が崩れかかってしまい、救急車を受け入れて頂けなかった場合の責任を、菅義偉内閣総理大臣はお採りになる覚悟は出来ておられるのだろうか。何処だったかコロナウイルス感染者を引き受けておられる病院の部長先生が「医師の先生方と看護師さんが数十名辞めた」と嘆いておられた。敢えて言うが、外食産業への補償は本末転倒だ。