新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

日本語を乱すのは誰だ

2020-12-03 10:14:16 | コラム
芸人とテレビタレントの言葉遣いを考える:

テレビは余り見ないと言っていたが、実は午前中は時計替わりという役に立つので、付けっぱなしにして聞いていることが多い。そうすると彼ら独特の言い回しがあって、それらが何時の間にか一般人にも真似されているというか、何となく格好が良いとでも思われるのか、日常会話に中にも出てきている気がする。そういう表現を幾つか採り上げてみようと思う。

「ガチ」だの「マジ」などは既に採り上げたが、後期高齢者の私には専門家の解説を聞くまでは、如何なる意味で使われているのかを正確に把握できなかった。正直に言って彼らは無意識のうちに日本語を破壊していると感じていた。

おしゃれ:
先ずこの「おしゃれ」という言い方を考えて見た。この言葉を彼らはこの言葉を専門店、喫茶店、レストラン、ホテル等々何でも建造物の中に入って発せられることが多いのだ。時には「おしゃれー」と引っ張るか「シャレオツ」のように反対言葉にすることもある。言いたいことは「美しい」、「デザインが優れている」、「内装が綺麗だ」、「垢抜けしている」、「斬新だ」、「美的感覚が優れている」というように感嘆詞の如くに使うのだ。私はこの現象を彼らの「語彙の不足」を端的に表していると思って受けとめている。

「何。これ?」:
次に気になるのが「何。これ?」だ。これも語彙の不足と業界の言葉のようだと思って聞いている。これも私は「非常に素晴らしい」か「非常に美味だ」か「非常に優れているので驚いた」という感嘆詞的用法だと思って聞いている。特にこの場合はそこにテレビの画面が見えていないと、単なる「これは何だろう?」という疑問文のようにしか解釈できないのだ。私は彼らはテレビ局側に「こういう言葉で表現するように」と前以て指示されているのかと疑っている。

「最高!」:
この「最高!」というのも以前に採り上げたが、意味不明な表現だ。矢張り感嘆詞だろうと思う。これは「景色か景観の素晴らしさ」、「非常に優れている」、「特に素晴らしい」、「抜群である」、「もうこれ以上のものはないだろう」、「立派だ」、「良い成績を出せてとても気持ちが良い」等々の褒め言葉なのだが、画面を見ないでこれだけ聞かされても「何が非常に素晴らしいのか」を特定していないので理解できない。これも「何。これ」も彼らの語彙の不足と、国語教育の至らなさを痛感させられて嘆かわしい。

私は芸人でもタレントでもないスポーツ選手たちが優勝するか、新記録などを出して所謂「ヒーローインタビュー」などで「今の気分は?」と訊かれて「サイコー」と叫ばれるとウンザリしてしまうのだ。

自己ベスト
お仕舞いに、ここでも「自己ベスト」も批判しておこう。この表現は最早アナウンサーたちも躊躇うことなく使うし、運動選手たちにとっては恰もスラングのようになってしまっている「漢字とカタカナの合成語」だ。私に言わせれば「何とも情けない言葉だ」となる。即ち、何故素直に「自己最高記録」と漢字を使って言えないのかと憤っている。「ベスト」は以前にも指摘したがgoodとwellの最上級であって形容詞だ。それを恰も名詞のように使っているのも酷いが、ベストの後にrecordが来るべきなのだ。何でこうまでしてカタカナ語を使いたいのか。不見識と不勉強の極みではないか。