新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

12月10日 その2 私から菅義偉内閣総理大臣に捧げる言葉

2020-12-10 16:39:34 | コラム
総理大臣就任後間もなく3ヶ月だと思うので:

100日の蜜月期間とやらがあると聞いていたので、私は菅内閣総理大臣の批判は避けると述べてあった。だが、組閣直後の印象では「菅義偉という方はロールシャッハテストにかけると、最も簡単に見えやすい図柄から見出す型では」とだけは指摘しておいた。そして、この約3ヶ月の間には前任者の頃にはなかったような一筋縄ではいかないだけではなく、二者択一的且つ二進法的に果断に判断して決めた行かねばならないような難問が次から次へと襲ってきているのだった。

私はその様子を7年8ヶ月もの間官房長官を立派に務められ、安倍内閣の裏も表も知り尽くされた希代の政治家に成長された事と、難問に直面されて一刀両断、唐竹割り式に決断される事とは別問題ではないかとだけは言って置いた。事実、これは「エイヤッ」と決めることではないが、アメリかでは大統領選挙の結果が複雑となり、何時アメリカまで飛ばれて新大統領と親交を結ぶ切っ掛けにされるかの見通しが簡単には立たなくなった。それよりも何よりも、如何にして征服するかの先例がない、コロナウイルスの有効な感染対策を打ち出すという件が一大難問となってきたのだった。

目下の最大の課題と見えるのが、新型コロナウイルスの感染の状況がこれまでになかったかの如き言わば第3波の勢いで北海道と大阪を襲い、東京都でも毎日の感染者数が言うなれば「過去最高記録的」だという芳しくない状況なのだ。それと、言わば同時進行で首相の肝いりの「Go to トラベル」が感染拡大の一因ではないのかとの議論が噴出する事に加えて、尾身分科会長は「Go to」の一時停止を進言し始めているのだ。北海道と大阪には自衛隊の出動まで依頼され、佐藤正久参議院議員は「自衛隊は便利屋ではない」とまで声高に指摘してしまった。

そこに東京大学からは「Go to」を利用して旅行に出た人と、利用しなかった人たちの間では感染率が利用者の方が2倍になっていたという調査結果を発表されたのだった。悪い材料だったが、首相は「Go to」を停止される意向はないようだった。それに加えて、この東大の調査報告の評価を訪ねられて官房長官、厚労大臣、西村大臣、国交大臣が口を揃えて「査読が終わっていない」と言って答弁を回避してしまった。私にはこれでは総理から口止めされたと言っているのと同じであるかのように聞こえた。閣内の言論統制が厳しいのではと思いたくなった。

私が見るところでは、菅義偉内閣総理大臣に迫っている新型コロナウイルス制圧作戦に関する決断は、ロールシャッハテストで見えるような簡単な図形ではなく、二進法的に快刀乱麻を断つが如き指示と指令ではないのか。即ち、「Go to」の一時停止であるとか、都道府県の境を超えての旅行の自粛要請等ではなく、思い切った短期間でも良いから法的な罰則を伴う不要不急の外出禁止令の発動であるとかいうような、国会を開いての特措法の緊急改正等の手法である。その為に休業補償なり何なりが必要ならば、それなりに予算措置を講ずれば良いのだ。

同時に、外食外飲業界に補償する事よりも遙かに重要な決断は「病院から個人の医院やクリニックへの補償」である。誰かが述べていたが、コロナウイルス専門に転じた病院が看護師さんを募集するならば、月額50万円では誰も来ないだろうという状況下では、医療従事者の給与については臨時に立法と予算措置さえ必要ではないかと思っている。これは「Go to」の一時停止などよりも遙かに重要な総理大臣の決断ではないかと思うのだ。言いたいことは「総理には決断を要する案件が眼前に迫っているのではありませんか」なのだ。

私は菅総理に「今こそ官房長官時代に蓄積された膨大な経験を基に、この難局を乗り切る為の決断を下されたい」と願うものなのだ。大きな決断を下された後の実務段階は、あの査読問題で発言を逡巡していた大臣たちを督励されて「安心して実務に励め。責任はこの総理大臣である私が取る」と権限を委譲されれば、彼らも安心して働いてくれるだろう。


読売巨人軍はあの4連敗から何を学んだのか

2020-12-10 08:43:43 | コラム
読売が4年8億円でDeNAの梶谷隆幸と合意:

今朝はPCを起動してYahooニュースを見てみれば、このようなことが報じられていた。「また、やったか」と思った。読売がFA宣言をした梶谷にちょっかいを出してるとの報道があったので、恐らく梶谷は金その他の読売が提示する色良い条件に魅了されるだろうと感じていた。そして、その通りとなった。ニュースには「原監督に朗報」と持ち上げてあったが、私は見当が違うと思いながら読んでいた。

今年のセントラルリーグをぶっちぎりで連覇した読売の戦力は、このリーグ内では十分過ぎるほど強力だ。だが、パシフィックリーグのソフトバンクホークスに対しては目も当てられない惨敗で1試合も勝てなかった。私は原監督は兎も角、首脳部は何処まであの2年続けてのあの無残な4連敗の原因を、どの程度まで分析出来たのかと疑っている。いや、していないと言うか、首脳部には出来なかったのではないかと危惧している。

ソフトバンクホークスの優れた点は、良い素材と思う高卒の選手を「育成」で獲ってきて、下部組織で十分に鍛え上げて千賀、甲斐、石川、モイネロ等々の立派な一軍の選手に育て上げた。その鍛え方は、私が聞いた限りでは徹底的にウエイトトレーニング等で体力と体格を築き上げてから、あらためて野球を教えていく方式だったそうだ。筋力等を鍛え上げたからこそ、世間的に無名だった千賀投手も石川投手も軽々と150 kmを超える速球を投げ込んで、読売の打者を翻弄したのだ。

話は変わるが、日本大学フェニックスは橋詰監督の指揮の下に立ち直って関東大学リーグを制覇して、甲子園ボウル出場を決めた。そこに至るまでに、橋詰監督が採った指導法の主体の中には徹底した体力作り、即ちウエイトトレーニングがあったそうだ。基礎的な体力と体格を築き上げる前にはフットボールの練習もせず、ボールに触ることすらなかった時期があったとかだ。その間に体重が10kg以上も増えた者が数多くいたし、ベンチプレスも100 kg以上を上げるのは当たり前のようになっていたとかだ。

何が言いたいのかと言えば、基本的に体格と体力と運動能力を向上させる事が先決問題であるという意味だ。その点をソフトバンクホークスも日本大学フェニックスも立証していたではないか。テイーム力の強化法は金に飽かしてFA選手を買ってくることではないのだ。あの惨敗の結果を見て、読売の首脳部はその辺りを学習していたのではないかと、読売巨人軍嫌いの私は密かに危惧していた。だが、何ら学習していなかったようだ。来シーズンの外野にはウイーラー、丸、梶谷と見事に仕入れ商品が並ぶのだ。基礎的な体力強化など何処かに消し飛んでいったようだ。

私も嘗てはサッカー選手の端くれで、高校の頃には国体の決勝戦で負ける経験もした。そこに至るまでの練習で最も詰まらなかったのが,繰り返し繰り返しの基本技の練習だった。監督は「戦前にはこの基本技を教えただけで、全国中学大会で準決勝まで行ったことがある。それほど基本技の練習は重要だ」とくどいほど言われた。当時はウエイトトレーニングなどなかったが、我々は気が付けば基礎体力も十分についていた。

来年もソフトバンクホークスと読売巨人軍が対戦する日本シリーズになって、筋力トレーニング派と金力活用派の何れが勝利するかを見せてくれることを期待したい。