新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

12月25日 その2 安倍前首相の国会喚問を見て

2020-12-25 14:32:18 | コラム
安倍晋三前総理大臣は極悪の嘘つき政治家なのか:

私は先ほどまで短時間だったが、立憲民主党の黒岩宇洋議員が安倍氏をここを先途と責め立てる様子をNHKの中継で見ていた。だが、その質問振りの嫌らしさに耐えかねて気分が悪くなる思いで止めてしまった。

私ですら、「安倍氏が何もかも秘書に任せていたことなので知らなかった」という言い訳には説得力が十分だとは思えない。だが、一国の総理大臣をあれほど長期間務めた方が「知らなかったとはいえ私の責任なので、国民にも国会にも黒岩議員にもお詫びする」とまで言われた後でも、「自分を嘘つき呼ばわりした」とか「ホテルが明細書を出さない訳がない」等々の因縁を付けているのかと思わせる黒岩宇洋議員の質問の仕方には、本当に胸が悪くなって来たのだった。

こんな事を言えば「屁理屈」になるかも知れないが、この記載漏れの件を検察が不起訴と決めた以上は、言うなれば「一事不再理」ようなことになるのではないだろうか。野党とマスコミの連合軍は何かと言えば「国民が納得しない」と言い募るが、ここではその国民の一人が「もう十分だ」と思っているのだが。安倍氏は既に昨夜も記者会見をして謝っておられたではないか。何処かでジャーナリストが「あれは選挙を考えて自民党を貶める作戦」という見方をしていた。

私には立憲民主党の狙いがそこにあるとしか思えないし、既に謝罪の意を表された前総理大臣を、あそこまで居丈高に悪し様に罵る彼らの感覚も、正常とは受けとめられないのだが、私の感受性が狂っているのだろうか。


デイビッド・アトキンソン氏は言う

2020-12-25 08:33:12 | コラム
一昨23日のPrime Newsで:

何となく久し振りにアトキンソン氏の「中小企業過多の弊害というか、我が国の生産性が低いのは何故か」という主張を聞いた。彼の主張は些か食傷気味ではあるが、傾聴すべき点はあると思って何時も聞いている。私はアトキンソン氏の指摘の中には不充分であると感じている点がある。それは「一口に中小企業と言っても、そこにはかなり多種多様の業種があるはずではないのか。即ち、中小企業と聞くと直ちに思い浮かぶのが町工場である。彼の主張を聞いていると、その町工場が低生産性の元凶の如くに聞こえる」辺りに疑問を感じるのだ。

アトキンソン氏が毎回指摘するのが「およそ我が国には360万軒もの会社があり、その97%が中小企業である事が問題である」なのだ。だが、前回は「その中でも飲食業が占める比率が高いのを問題ではないのか」と、初めて中小企業の内訳に触れたのだった。私はこの点は尤もだと思うのだ。

それは、何時頃から始まって流れか知らないが、個人商店のような家族で運営されてきた八百屋、鮮魚店、テレビ局が言う街中華、飲み屋等々の同族経営の店舗が、節税対策になるし極小資本金で法人化できることになり、競って「会社」となり、亭主が社長でお上さんが専務、息子が常務というような形が方々で整っていったと聞いていたのだった。

アトキンソン氏は専ら中小の3~5人の街中の小さな工場(コウバ)の低生産性と技術革新の欠如を問題にしてこられたようだった。だが、上記のように法人化された個人商店を考えれば、こういう組織での生産性など低いのは当然だろう。また、軽減税率導入の際にそれに適応したキャッシュレジスターの導入にすら動けかなかった「会社」が数多くあったことを考えれば、生産性だの労働生産性の議論をこのような業種に持ち込むことに、何らの意義はないとしか思えないのだ。

私はアトキンソン氏の主張を聞いていて、彼は確かに低生産性という視点から見た我が国の中小企業界の実体に精通されているようだとは解る。家族で運営されている小売業や飲食店を引っくるめて低成長論の対象にしおられるのであれば,少し見当が違うのではないかと思った。彼にはウイルス対策でその生存の危機が明らかになり、数多くの倒産や閉店や撤退が続いていることの対策を論じることの方が意義があると思わせられた。即ち、彼らを救うことよりも、医療崩壊を回避することの何れを選択すべきかということが喫緊の課題なのではないのかな。