新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

我が国を取りまく国際情勢

2022-05-31 07:54:05 | コラム
「油断も隙もない」状態では:

今更、私が云々する必要はない事柄かも知れないが、一言指摘しておきたくなったのだ。

中国は太平洋10ヶ国に安全保障協定合意に失敗:
過剰なばかりの「ゼロコロナ政策」(「コロナ」は我が国のみで通用する表現だから、英語にすればzero COVID policyとでもなるか)による締め付けで、経済的に疲労してきたと報じられている中国は、何と王毅外省を派遣してソロモン諸島、キリバス、フィジー、キリバス等の10ヶ国に安全保障協定を提案したが合意に至らずと報じられていた。言ってみれば「矢張り中国は油断も隙も許さない国」だったのだ。

中国が今日までにアフリカでやって来た貸し付け作戦や、オーストラリアへの浸透等々との状況をこの10ヶ国が知らなかった訳ではあるまいが、善くも合意に至らなかったものだと思っている。習近平率いる中国が太平洋に進出し覇権を目指しているのは火を見るよりも明らかだし、現時点では台湾有事が何時起きても不思議はないと言われている。

彼ら中国もロシアのウクライナにおける苦戦の状態を承知しているだろうし、所謂西側陣営にはAUKUS、QUAD、IPEF等々の中国包囲網が確立されつつある状況を見れば、何時までもゼロコロナに専念している訳のも行くまいと、あらためて海外向けの積極策に転じたと見るべきだろう。

その先には台湾有事があるし、我が国への裏に表にという攻勢がちゃくちゃくと進んでいるのではないか。その大変な時期にあって、未だに憲法改正に異を唱える野党がいるし、非核三原則堅持などと唱える大臣もおられる。そんな事で良いのかなと思わずにはいられない。

韓国が竹島のEEZで海洋調査:
私は先頃「韓国で尹錫悦新大統領が我が国とも関係改善を唱えても与党は少数であるし、尹錫悦大統領だって文在寅前大統領と同じ韓国人だし、韓国民全体が『韓日関係を改善しよう』と方向転換する訳ではあるまい。楽観できる状態にはないのでは」と指摘したばかりだった。

私は尹錫悦大統領が就任後は確かに関係改善の方向にはあるが、韓国の国会や司法当局が俄に変わってくるとは考えられないと思っている。その端的な例がこの海洋調査だろう。朴槿恵元大統領は「何千年かかっても恨みは変わらない」と叫んでいたではないか。矢張り、ここでも楽観論は禁物であろう。