この傷ましい事件について中国政府は謝罪しないと思う:
中国が謝罪したという報道は未だなく「遺憾に思う。このような事件は何処の国にでも起こるだろう」と外務省の報道官に言わせた。だが、これでも中国とすれば最大限の詫び方をしたのだと解釈している。
何故そんな甘いことを言えるのかだが、中国には西欧諸国と同様に「謝罪の文化」は存在しないのだから。しかも謝罪すべきだとなった場合の相手が日本であれば、尚更謝らないと容易に想像できる。
マスコミも中国に謝罪を迫るようなことは言っていない。彼等も「中国には『謝罪する』と言う文化はない」と承知していると思う。また、そういう中国を批判するかのように報道をすれば、如何なる処置が待っているかを心得ているから穏やかな姿勢を採っているのかも知れない。
路上で10歳の児童を襲って死に至らしめたとは中国は弁明の余地もないはずだが、我が国の政府は真っ向から強硬に抗議して謝罪を要求したという報道もない。これは殺人事件なのだ。謂れもなきスパイの容疑で拘束したのとは訳が違うのだ。
それにも拘わらず上川外相が19日、記者団の取材に対し、「日本人の安全対策を含め、再発防止に向けて、どのような追加的な措置が可能か事務方に検討を指示した」と明らかにした」とだけは報じられているし、何とUNの総会出席の為に、中国とは反対方向のニューヨークに行ってしまった。
この程度の遠慮がちと言うか、生温い対応しか出来ていないのでは話にならないと思う。何故、中国に対してはこの程度の反応しか出来ないのかと歯がゆい思いがあるし、「誠に不満に存じます」なのだ。毎度のことのように、穏やかに(弱腰で)「外交ルートを通じて抗議した」だけで済ますのだろうか。岸田総理も「安全対策を講じよう」とだけしか言っていない。
この事件と反対のことが東京で起きたとしたら、中国も我が国のような対応で済ますだろうか。そんな事はあり得ないだろう。我が国だって「貴国政権の対応次第では、こちらも重大な決意をせねばならない」くらいの態度を示して何かを失うだろうか。中国が謝罪することは期待できないが、最悪でも「国民に今後はお行儀良くするように良く言って聞かせるので理解せよ」くらいは言わせるべきだろう。
中国と何かで揉める(トラブルを生じる)とか何か問題が起きると、COVIDの時に「マスクの輸出を止められて四苦八苦した」ように、サプライチェーンとしての依存度が高いのは承知している。だからと言って、言うべき事を言わずに済ます気なのだろうか。私はビジネスとこの事件とは性質も何も全く違うと思う。駐中国大使の召還くらいはできないのかと思うのだが。